こんにちは。講師のあおいです。
前回は、進路調査票に困っちゃったとき、将来何がしたいかわからないとき、世の中は目に見えない仕事をしている人もいるって考えてみるのはどうだろう、という話でした。
さて、約束通り、今回は目に見えない仕事を追っていきましょう。
一つの例として、スマホを取り上げてみましょう。
あなたが持っているそのスマホを得るために、どれだけの人が関わっているか知っていますか?あなたはお店でこれがいい、と言って買ってもらうだけですが、その裏側を見てましょう。
スマホには、「どんな人や部品」がかかわっているでしょうか?
まずは、イメージしてみましょう。根本的に、日本国内だけで済んでいるんでしょうか?
まずは、スマホを開発した会社を考えてみましょう。すでにここでも、ビルを建てた人達がいますね。会社の中で働いている人はたくさんいます。掃除をしている人もいます。それぞれ担当するお仕事がありますが、今回はスマホを作るんでしたね。
スマホを「企画」する人も、いますね。
まずは、アイディアマンです。企画、つまり、どんなスマホにしたいかを考える人たちがいます。つぎに、企画したものもとに、スマホの形をデザインする人がいます。この人たちにはどんな技術があるでしょうか?
企画・デザインをするためには、少なくとも、紙とペン、最近では、パソコンで設計ができるソフトウェアを使用します。紙を1枚作るのに、どんな工程が必要か知っていますか?「設計ができるソフトウェア」の設計って誰がどんなふうにしているんでしょう?
企画・デザインをし、みんなで相談して、Goサインが出たとします。今度は実際に最新を形にする、開発をしましょう。最新のカメラ、液晶、触り心地はどうやって再現しているんでしょうか?
実際に「組み立て」ていきます。

液晶、ボタン、ICチップ、カメラレンズはどこから来ますか?とっても小さいネジやバネはどうですか?材料は何ですか?どうやって組み立てますか?調べてみてください。きっと日本国内だけでは収まっていないはずです。
作っている人だけでなく、それを運んでいる人、についても考えてみるといいでしょう。交通手段はなんですか?仕分ける人、積み込む人、ドライバー、いろんな関わり方がありますね。
最後に貼る保護シールや説明書き、なんていうのも必要ですね。説明書きを考える人と、シールを作っている人は違う人です。シールを作っている人と、シールを貼る人も全然違う人です。
ふぅ。どうにかこうにか、スマホを発売するところまできました。お値段も設定しないといけませんね。どうやって決めているんでしょうか?
さて、みんなに知ってもらうために、「広告」を出そうと思います。
広告にはどんな種類がありますか?どんな風につくるんでしょうか?これも、企画から始まります。広告をより多くの人に見てもらうにはどうしたらよいでしょうか?
あなたはその広告を見てそのスマホが欲しい、と思います。ついにお店に向かいます。
次は「お店」です。
あなたが行くお店にはスマホを売っているお姉さんがいます。情報を照会するための、サポートセンターと電話でつながることができます。目に見える人だけでなく、ディスプレーをデザインした人、そのお店自体を作った人もいます。入るときに、ウィーンと開く自動ドアは何という会社が作ったものか知っていますか?それを導入するにはどんな工程が必要でしょうか・・・
ここまでのことをぜひ調べてみてください。スマホじゃなくてもいいんです。シャーペンでも、マグカップでも、ばんそうこうでもいい。それがあなたのところに来るまでの工程をぜひ調べてみてください。物に興味が持てないのであれば、ちょっと考え方は違いますが、スポーツ選手が試合に出るまでの周りの人を考えてみてもいいかもしれません。
一人じゃ考えられない、と思うのであればオトナや友達を呼んでください。わたしでもいいです。一緒に調べましょう。どんなセカイが見えてくるでしょうか。興味がある分野、そして絶対にしたくない分野も見えてくると思います。
目に留まった会社を調べてみましょう。ホームページには「採用情報(さいようじょうほう:会社に入りたい人のための情報が書いてある)」が載っており、その会社にはどんな分野の人が活躍しているか、またお給料も載っています。
さぁ、ではその人になるためには、どんな学校が?

大学に行くのがいいですか?専門学校がいいでしょうか?普通科がいいでしょうか?言語科やグラフィック科が良さそうですか?学校じゃない選択肢もありますか?世界を旅してみるといいでしょうか?職人になるとしたらどうすればいいですか?
そして、今学校で習っている教科はどのように役に立ちそうですか?月並みですが、無駄な教科はないはずです。
どうでしょうか?すこし、オトナが働いているセカイをすこしのぞくことができましたか?見えない仕事って結構たくさんあるものです。
さて、「働く」って今の時代いろんな形があります。キミたちがまなぶてらすで会う先生たちは、会社じゃなくて、おうちの中で仕事をしています。少し前までは、おうちで仕事をするって不思議な感じでしたが、今はいろんな働き方が「アリ」です。次はそんな「仕事の仕方」についても少しだけ、考えてみましょう。
つづき⏬