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【国語】論説文は「お笑いコント」超実践的国語読解①

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こんにちは!くろまるです。

入試直前で「国語の文章が長すぎて読み切れない!というご要望が多いのでこちらでも紹介しようかなと思いまして筆をとりました。よろしくお願いいたします。

1.論説文は「結論から」

まず筆者の視点で見ると、論説文の場合は筆者は最初に結論(オチ)を決めます。そしてその結論とは得てして(絶対ではないですよ?)「一般社会で考えられていることとは逆」であることが多いです。なぜか。それは筆者(あるいは出版社)にとって一番大事なことは「売れること」だからです。売れるためには当たり前のことを当たり前に書いても誰が買うでしょうか?(買いませんね)そうした結論に向けて文章を構成して書かれているのが論説文です。つまり国語の問題では「結論」を探すことこそが最優先なのです。そうした結論は大体…「最後」時には「題名」に書かれています。なぜか?結論を最初に書く文章もなくはないですが、世の中と逆のことをいきなり言っても読者はドン引きしてしまい、そのまま書棚に戻されて買ってもらえません。それまで積み上げてきた理論を集大成するのはやはり「最後」ですし、また目を引いて買ってもらいたいと思わせるためには「題名」にそれをにじませることがあるからです。

2.論説文では「ボケ」と「ツッコミ」パートがある

上でもちょこっと書きましたが、世の中の人が考えていることと逆のことをいきなり言っても読者はついてきません(何言ってんだこいつ)と思われてしまいます。そこで筆者はあえて自分が述べたいこととは逆のことをいうことが多々あります。これを私はお笑いになぞらえて「ボケ」(あえて言いたいことと違うことを言うこと)と呼んでいます。逆に筆者の意見に沿ったものは「ツッコミ」と呼んでいます。

では実際に例文で確認してみましょう。

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2019年9月、国際連合で気候行動サミットが開かれた。環境保護活動を行う16歳の少女の悲痛な叫び声は、多くの人に気候変動の危機感とそして「環境保護」よりもいかに「開発」を行うかを優先してきた世界の国々の首脳陣、そして先進国で生きる私たちに大きな課題を提示するものであった。科学的に分析すると気候変動つまりは地球温暖化は温室効果ガス、特に二酸化炭素が原因といわれている。私たちは今後いかに二酸化炭素を出さずに生活するかを考えていかなければならない。また、一方で忘れてはいけないのが二酸化炭素を光合成によって酸素にかえる森林の保護である。

日本はいまだ国土面積の約66%を森林におおわれている「森林大国」ともいえる国である。確かに戦後の一時期は大都市近郊にニュータウンなど大規模都市をつくるために山を切り崩し、森林を伐採するなどが問題視されたものの、公害問題や環境保護が叫ばれる中では以前と比較すれば無計画で無秩序な森林伐採は多少なり減少してきたといえるだろう。各企業が積極的に植林を行うことで丸坊主になっていた山に草木が生え、また自然が戻りつつある。そうなると木をなるべく使わないようにすることも重要だ。最近では飲食店で割りばしなどを使わずにいわゆる「マイ箸」を持参して使う人も増えた。また紙も古紙の再利用が増えてきている。このようなことから現在では「いかに木を使わずに生活するか」という点について、日本人は真摯に取り組んでいるといえよう。

ここで木が酸素を生み出すメカニズム、光合成について化学的に考えていきたい。光合成とは光エネルギーを利用して二酸化炭素と水から酸素と養分を生成することである。ここで重要なのは木が成長するために必要な成分のほぼすべてが空気中の二酸化炭素から得たものなのである。なので木は燃やしたとしても木が成長する際に吸収した量以上の二酸化炭素を空気中には出さないのである。いわば木は燃やしても二酸化炭素排出量はプラスマイナス0なのである。一方で森林を放置するとどうなるか。木とて生き物であり無尽蔵に二酸化炭素を酸素に変換することはできない。中には呼吸で使う二酸化炭素量が上回ってしまう場合もある。木が大切だからといい残し続けることが必ずしもいいことではないのである。

古来より人間は木を上手に使って生計を立て、自然と上手に調和して生きてきた。産業が発展した現代ではただ二酸化炭素を減らすことは確かに難しいかもしれない。そのような中で古来よりの人間の知恵である森林との共存共栄をいかに行っていくかが、今後日本、そして地球が発展するかの大きなカギを握っているといえよう。

(くろまる「私たちは森林とどう向き合うか」より)

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さて、論説文ではまず「結論」を探しましょう。結論ですがどこに書かれていましたっけ?

そう!大体は最後、また時には題名に書かれていることが多いです。この場合は

そのような中で古来よりの人間の知恵である森林との共存共栄をいかに行っていくかが、今後日本、そして地球が発展するかの大きなカギを握っているといえよう。

という部分になります。つまり森林との共存共栄ということになる。これは題名とも一致しているので間違いがない。しかし、共存共栄といわれても…と思い困ったら、たどって前を見る。すると「古来より人間は木を上手に使って生計を立て、自然と上手に調和して生きてきた」という文章を発見できる。

これをできればもっとまとめて(わかりやすく)表現したい。なるべく一言で。すると「木を使え」というのが結論になります。これが「ツッコミ」となります。(ふつうは木は大事にしなさい…という中で、常識とは逆のことを言っています。)

であれば、例えば1段落目の「森林の保護」や2段落目の「木をなるべく使わない」「マイ箸」なども全部筆者の意見とは真逆となります。これらが「ボケ」です。筆者は全くそんなことを思っていないのにあえて読者を説得させるために書いているのです。

3.限られた時間を有効活用するためにも「結論から」読んでみよう

さて、いかがだったでしょうか。長い文章を全部理解しながら読んでいては時間が不足してしまう。そんな時こそ「結論から」読む癖をつけてあげると文章の内容もどんどんわかっていきます。

 


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