不登校

勉強しない不登校の子への対応とは?原因を理解して勉強できる環境を作り出そう

勉強しない不登校の子への対応とは?原因を理解して勉強できる環境を作り出そう

不登校の子どもを持つ保護者の多くは、「勉強をしないこと」に悩んでしまうものです。無理して勉強をする必要はないものの、学校に復帰することや、将来のことを考えると、「勉強をして欲しい」と考えるのは自然なことです。

私たちは、「まなぶてらす」というオンライン家庭教師サービスを運営しており、その中で「不登校支援」に大きな意義を見出しています。

この記事では、「勉強をしない不登校の子ども」をテーマとして、勉強をしない理由や対処法など、実際の経験を交えてわかりやすく解説していきます。不登校について悩んでいる方々の不安を、少しでも解消できれば幸いです。

そもそも、不登校の子は勉強をしなくてはいけないのか

「勉強をしない不登校の子ども」についてお話しする上で、避けては通れないのが「勉強をしない背景への理解」です。

子どもにとって勉強とは「しなくてはいけないもの」であるため、大人にとっての「仕事」のようなものだと考えられます。もし「職場に来れない」という大人がいたら、体や心を壊している可能性があるため「命の心配」すらしてしまうはずです。

このように、人間は「しなくてはいけないことができない」状況に陥る背景には、必ず「深刻な問題」が隠れています。

「不登校の意味」を子ども目線で考えてみる

では、不登校の子どもの背景には、一体どのような「深刻な問題」が隠れているのでしょうか?

まずは、子供目線に立った上で、「不登校の意味」について考えていきましょう。

「唯一無二のSOS」を勉強で打ち消してはいけない

不登校を考える上で、最も注意すべきが「表面的に捉える」ことです。多くの大人は不登校を、単に「学校に行けないこと」だと考えているかもしれませんが、子どもにとっての不登校は大きく異なります。

繰り返しにはなりますが、子どもにとっての学校は「行かなくては行けない場所」という意味で、大人にとっての職場と質的には同じです。

したがって、「行きたくないから行かない」のではなく、「行きたいけど行けない」「行かなきゃいけないのはわかってるけど行けない」というのが不登校の子どもの本音だと考えなければいけません。

ゆえに、学校に行けない時間、子どもたちは決して「サボっている」わけではなく、以下のようなことを常に考えながら生活していると理解する必要があります。

  • 学校に行かなきゃいけないのに行けない自分が情けない
  • お母さん、お父さんに申し訳ない
  • 何かを変えなければいけないのはわかってるけど、何をすべきなのかわからない

言葉を選ばずに言えば、不登校で学校に行けないことは、子どもたちにとって「何よりもしんどい」ことであり、不登校は子どもに許された「唯一無二のSOS」とも呼べる、まさに命懸けの行動です。

自分を守るために「学校」という場所を捨てざる得なかった苦渋の決断、それが不登校であり、これを周囲の大人たちは理解してあげなければいけません。

そして、このような状況の子どもに「勉強をしなさい」と伝えることがどれほどの負担を与えてしまうのか、果たして正しいことなのか、改めて考えてみる必要があります。

不登校の子が勉強をしない理由

まずは「不登校の意味」を子どもの目線に立って再考してみましたが、ここからは不登校の子が勉強をしたがらない、しない理由についてさらに深掘りしていきましょう。

  • 心の整理が大変で勉強どころではない
  • 勉強に意味を見出せない
  • 勉強ができる環境にない

それぞれについて、順番に解説していきます。

心の整理が大変で勉強どころではない

不登校の子が勉強をしない最大の理由は「心の整理が大変で勉強どころではない」というものです。

先述のように、不登校は子どもが命懸けで選んだ、自分を守るための唯一無二の選択です。学校に行かないことが「良くないこと」であることは理解していますし、将来に悪影響を与えることだってわかっています。

子どもたちは、大人たちが思っているほど何も考えていないわけではありません。

したがって、不登校の子どもにとっては、「勉強なんかしている場合ではない」のです。それよりも優先すべき問題が山積みになっていて、「今はそれに集中させて欲しい」と言葉には出さずとも思っていると考えるべきです。

勉強に意味を見出せない

学歴社会を生きる日本という国で毎日を生きている私たち大人は、「勉強が人生を豊かにしてくれる」ことを確信しています。

  • 教養や見聞が広がる
  • 人生の選択肢(就ける職業)が広がる
  • お金が手に入りやすくなる

具体的に言えば、勉強をすることでこのような「メリット」があることを痛いほど実感しているため、「勉強は絶対にするべきだ」と考えてしまうのも無理はありません。

しかし、繰り返しにはなりますが、子どもにとって勉強とは、どこまでいっても「やりたくないもの」でしかありません。それでも、大半の子どもは毎日4時間〜6時間の授業を「週休2日」で頑張って受けています。

一方で、不登校の子どもはただでさえ体や心が弱っている状態です。そんな中、「やりたくないもの」である勉強に取り組む意味や意義はあるのでしょうか?

少なくとも、子ども目線では「こんな辛い中、勉強をする意味がわからない」と考えてしまうものですし、こう考えるのが自然だとも言えます。

勉強ができる環境にない

不登校の子は、総じて「勉強ができる環境にない」ものです。

不登校の中での勉強は「独学」になりやすいですが、これは単なる独学ではなく「たった1人で勉強をしなければいけない」という、寂しさも相まった独学です。

言わば、心のエネルギーが足りない状態で、指導をしてくれる人間がおらず、一緒に学ぶ友もいない中で勉強を進めていかなければいけないのが不登校の勉強です。このような状況で、果たして「勉強を頑張ろう」と思える子どもがいるでしょうか?

また、「食べるもの、寝るところに困っている」といった劣悪な家庭環境や、身近な人間が勉強の重要性を理解していないなど、不登校の子の周囲を取り巻く環境によっても「勉強ができる状態にない」状況に陥っていることもあります。

不登校の子が勉強をしない時の対処法

まずは不登校の子が勉強をしない背景にあるものを解説していきましたが、ここからは「対処法」について具体的に解説していきます。

オンライン家庭教師を運営し、不登校の子たちと触れ合う中で見出した「経験に基づいた対処法」を知っていきましょう。

心と体の回復に専念させる

不登校の子が勉強に意欲的に取り組む上で、絶対に欠かせないのが「心と体の回復に専念させる」ことです。

先述のように、不登校の子は命を懸けて「不登校」という重大な選択をしてくれています。体も心も疲弊しきっており、「勉強どころではない」のが本音です。

したがって、まずは傷ついた心と体の回復に専念させてあげてください。

安心できる場所と人が必要不可欠

そして、不登校の子の回復には、「安心して存在できる場所」「安心して交流できる人間」の2つが必要不可欠です。

もし、安心して過ごせる場所がなかったら、回復どころかますます疲弊していきます。常に何かを心配し、必要な栄養や睡眠を取れず、成長期である子どもに求められるもの全てが枯渇してしまいます。

もし、安心して接することができる人間がいなかったら、自分の心の中にある「しんどさ」を見つめることができません。逆に、「しんどさから逃げる」ために、自分を責めれるだけ責めてしまい、再起できない状態にまで陥ってしまう可能性だってあるでしょう。

このようなことを防ぐためにも、まずは回復に専念できる場所と人、つまり環境を、周囲の大人が整えてあげる必要があります。

そして、このような「理想的な環境」の中で過ごすことができて初めて、子どもたちは「不登校から立ち直るきっかけ」を掴み取ることができるようになり、勉強へと意識が向いていくのです。

「不登校から立ち直るきっかけ」について解説した、以下の記事も参考にしてみてください。

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長期的目線に立って見守る

勉強だけでなく、不登校の子はあらゆる点で「行ったり来たり」を繰り返すものです。

見違えるように勉強に取り組むようになると思ったら、1週間後には一切勉強に手をつけない状態になってしまう、といったことは日常茶飯事なので、「長期的目線」に立った上で粘り強く接することが大切です。

勉強は「最後の最後」に取り組むもの

不登校からの回復の中で、勉強は「一番最後」にくるものだと考えなければいけません。

ケースバイケースですが、一般的には不登校からの回復では、以下のようなステップを経ます。

  1. 信頼できる人間と交流を重ねる
  2. 学校の外に居場所を見つける
  3. やりたいことを見つける
  4. 学校に通う意義を再認識する
  5. 学校に部分的に通う
  6. 学校に通う

上記を見て分かるように、勉強は「学校」が意識の中に出てきてから、ようやく手がつき始めるものです。決して最初から取り組むものではなく、順番的には「3番目〜5番目」くらいにあるもので、最後の6番目にくるのが学校です。

したがって、不登校になった子どもがなかなか勉強に取り組まないのは、ある意味で必然と言えるかもしれません。

このように、「不登校からの回復過程」を知っておかないと、子どもの回復は大きく阻害されます。以下の記事も参考にしてみてください。

不登校からの回復過程を知って適切な対処を。6つのステップに分けて徹底解説
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勉強がしやすいようにサポートする

不登校の子が勉強をするためには、周囲からの学習サポートが必要不可欠です。ただでさえ、先生や友達がいない中で勉強を進めていかなければいけないため、適切なサポートがなければコツコツと勉強を進めることはできません。

サポートをする上では、以下の3つの点に注意をしましょう。

  1. 短時間からスタートする
  2. 苦手より得意に集中する
  3. 独学で進められるテキストを選ぶ

いずれにも共通しているのが「ストレスなく勉強ができる」という観点です。勉強に慣れるまでは毎日5分や10分といった勉強時間から始めていき、苦手よりも得意を伸ばして自信を持ってもらう。

そして、独学では使いにくい学校の教科書やワークを使うのではなく、独学でも進めやすいテキストを選んであげることで、1人でもコツコツと勉強を進められるでしょう。

不登校の子がコツコツと勉強を進めていく上で大切な情報を解説している、以下の記事も参考にしてみてください。おすすめテキストや問題集も解説しています。

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教育サービスを利用する

不登校の子だけでなく、全ての子どもに言えることですが、自宅での家庭学習の習慣化は難しいです。とりわけ不登校の子の場合は、上記のようなサポートを熱心に行なったとしても、思うように机の前に座ってくれないケースも多いため、何らかの教育サービスの利用も視野に入れるべき。

  1. 家庭教師
  2. オンライン家庭教師
  3. フリースクール

ここでは、以上4つの教育サービスについて解説していきます。

最も一般的な教育サービスが塾ですが、不登校の子が利用することを考えると「おすすめできない」というのが本音です。

塾には集団授業と個別指導の2種類がありますが、いずれにせよ「完全に1人の状態で勉強する」ようなシチュエーションは作り出せません。集団授業の場合は言うまでもなく、個別指導の場合でも、パーテーションを挟んで隣に別の子どもが座っているため、不登校の子にとっては「圧」を感じてしまうもの。

また、塾に学校の同級生が通っている場合があり、登校していないのに塾には通っていることで「気まずい」状況になるかもしれません。

このようなことがあり、不登校の子が塾に通ったとしても、集中できない可能性が高いです。「不登校専門」とする塾など例外はあるものの、一般的には塾と不登校の相性はそれほど良くないと考えてください。

家庭教師

続いて家庭教師ですが、塾よりはおすすめできる選択肢です。

授業が自宅で受けられるので、塾であったようなさまざまなストレスにさらされる心配がなくなります。安心できる自宅で授業が受けられるのは、多くの子どもにとって「集中しやすい」環境となってくれるはずです。

また、塾とは異なり「完全マンツーマン」なので、子どもに合った指導方法やスケジュールの立案なども期待できるため、塾よりも圧倒的におすすめできます。

一方で、不登校の子は対人関係に不安を持っている場合が多く、「目の前に他人がいる」という圧に気圧されて、授業を受けることがストレスになってしまうかもしれません。思ったことが伝えられないなど心の負担になる可能性があるため、細心の注意が必要になります。

オンライン家庭教師

塾や家庭教師は、「目の前や周りに人がいる」状況での勉強になるため、不登校の子にとってはプレッシャーやストレスを感じる可能性があります。

逆に言えば、「人がいなければ良い」と言えるため、オンラインで家庭教師を利用できる「オンライン家庭教師」が最適な選択肢となってくれるはずです。

オンライン授業なら非対面で授業が受けられるため、他人からの圧力を気にする必要は一切ありません。自分のペースでストレスなく授業を受けられ、必要な時は家族が見守ってあげることもできます。

私たちは、オンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」を運営していますが、以下のような「不登校への取り組み」を行なっています。

  • 不登校に精通した先生が多数在籍
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いずれも「不登校の子、及び家庭が利用しやすい」ような仕組み、システムとなっているため、勉強のことで悩んでいるならぜひ一度お話を聞かせてください。50分の授業が無料で受けられる「無料体験レッスン」を多くの先生が提供しているので、お試し感覚で授業を受けられますよ!

なお、「まなぶてらす」の不登校への取り組みについてさらに知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

オンライン家庭教師「まなぶてらす」の不登校への取り組み
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不登校の子が勉強をしない時は「背景」に注目しよう

不登校の子が勉強をしない、してくれないことには、必ず「背景」があります。

一般的に、不登校は子どもからのSOSサインであり、命懸けの行動です。したがって、勉強をしない、したくないのではなく「したいけどできない」のかもしれません。

まずは子どもが感じている辛さやしんどさを解消してあげることから始めていき、その後、少しずつ勉強に手をつけられるようになっていくと良いでしょう。

家庭だけでは対応が難しいと感じるなら、家庭教師やフリースクールなどの利用も検討してください。オンライン家庭教師サービスを運営する私たち「まなぶてらす」は、いつでも不登校の子、及び家庭からの利用を待っています。

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