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本格的な冬到来!冬の天気図をインターネットで確認しよう!

まなぶてらす講師のうえむらです.
本格的な冬になってきました.寒い日になるのか,雪が降らないかなど,天気予報が活躍する季節でもあります.今日は,そんな気象分野の学習内容として,冬の天気図を気象庁で調べる方法を紹介します.もちろん冬以外の季節でも有効です.理科に興味ある人も受験生の人も,学習内容を実際のこととして感じてみてください.

冬の天気と天気図の特徴

まず,冬の天気をおさらいしておきましょう.冬の日本の天気に関わる気団は何だったでしょうか?シベリア気団(シベリア高気圧)です.気団は,広い範囲にわたって温度や湿度がほぼ一様な状態で,大きな高気圧と考えてください.シベリア気団は,名前の通りシベリアで形成されるので,その場所の環境を反映しています.北の方でできるので寒冷で,大陸なので乾燥しているのが特徴です.それが日本列島にまで勢力を及ぼすため,冬の天気は寒冷で乾燥しています.

では,天気図はどうなるでしょうか.ユーラシア大陸側(北西)にシベリア気団(=高気圧)があり,東側には低気圧が存在することが多く,西高東低の冬型の天気図と言われます.西高東低は「西に高気圧,東に低気圧」という意味です.この場合,風は高気圧を右手に見て吹くので,北から冷たい空気が日本列島に入りこみます.等圧線が混みあっている場合,風が強くなり冷たい空気もさかんに入りこみます.また,気象衛星写真では,筋状の雲が北西方向から南東方向に分布するのが特徴です.

引用:気象庁ホームページ

上の天気図は,冬型の気圧配置の例.今冬,最初の本格的な冷え込みになった12月17日15時の天気図です.日本海側では積雪があり,東京でも初霜,初氷が見られた日です.

冬の天気図を確認してみよう!

日本で気象観測を担っている国の機関といえば気象庁です.気象庁は,日々,各地で気象観測を行い,そのデータを収集しています.それらの観測データや気象に関する様々な情報は,ホームページで公開されています.気象や防災に関わる多くの情報が集まっており,無料でアクセスできることは素晴らしいことです.

では,上記のサイトから天気図にアクセスしてみましょう.冬型で冷え込んだという日に,以下のポイントを確認するとよいでしょう.

  • 西高東低の気圧配置(冬型)
  • 南北に等圧線が並び,等圧線の間隔が密になっている

気象庁のトップページに行くと,そこに天気図の項目があります.そこで,最新の天気図(実況・予想)を見ることができ,縮尺を変えたり,時刻を変えたり,動画で見ることもできます.冬といっても,いつでも西高東低の冬型の天気図ではありません.ニュースなどで寒気が来ているとか,冷え込むと言っているときがチャンスです.また,天気図では,低気圧,高気圧,前線など,理科で学習する内容も確認することができます.

引用:気象庁ホームページ

日本の四季を感じるなら「過去の天気図」

教科書などで日本の四季を習いますが,その内容は典型的なものです.先ほども書きましたが,冬だからと言って毎日が冬型ではなく,冬型がゆるむ暖かい日もあります.そのため,月毎にまとまっているページを眺める方が四季の変化という意味ではよくわかります.気象庁のホームページでは,過去の天気図も見ることができます.トップページの「各種データ・資料」を選択し,次の図のように「過去の天気図」を選択してください.

引用:気象庁ホームページ

そうすると,次の図のような月毎の天気図が一覧で表示されます.もちろん拡大もできます.これでみると,12月には西高東低の冬型の天気図が多いのがわかります.そのような季節が「冬」という季節になります.

引用:気象庁ホームページ

同じことは,梅雨前線が見られる「梅雨」や南高北低となる「夏」,台風が多い「初夏」や「秋」でも確認できます.全体を眺めることで平均的なそれぞれの季節の特徴をつかめるとともに,実際はその季節らしい日が多いものの,そうではない日があることも理解できます.だから「小春日和」などという言葉もできるわけです.探求的に1年間の天気図を眺めてみることもおすすめです.是非,天気図を調べてみてください.

 

ABOUT ME
うえむら
まなぶてらす講師 うえむら 大学・大学院で地学(地球科学)を専攻し,水循環などを研究する水文学,特に地下水の研究を行いました.そのフィールドは,熊本,大阪,駿河湾,黒部川扇状地,琵琶湖,さらには,南極観測まで参加させてもらいました.その後,13年間,中高教員として地学を中心に指導.現在,児童福祉関係のNPOに勤務しながら,教科書・教材編集やオンライン家庭教師を中心に教育にも関わっています.地球や宇宙,自然一般の話が好きで,受験や定期試験対策以外にも,広く教養や興味関心を育てる指導できればと思っています.