講師ブログ

「算法少女」を読んで

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まなぶてらす数学・算数・アート講師のYumiです。
6つ目のブログのお題は「『算法少女』を読んで」としました。

久々に読書をしました。読書のきっかけを作ってくれたのは、まなぶてらすの私のレッスンを受講してくださっている小学4年生の男子生徒Kくんです。Kくんは日本の歴史にとてもお詳しく、大人と充分語り合えるくらいの知識量をお持ちです。

先月12月のレッスンの時に、彼から「昔は『算数』のことを何と呼んでいたでしょうか?」という興味深いクイズを出題されました。

その楽しい出来事がきっかけで算術、算法の本を読んでみたくなり、レッスンの時のエピソードを聴いてくれた夫から紹介されたのが「算法少女」でした。

購入して以来、このひと月、何度も繰り返し読んで、この書の良さを味わっています。

それで今回は「算法少女」を読んで思ったことや私の自己紹介を書かせていただこうと思います。

もともとの「算法少女」そのものは安永4年(1775年)に出版された和算書です。調べてみると当時の和算書で唯一、著者が女性名義の書だそうです。医師の父との共著です。

今回私の愛読書となった「算法少女」のほうは、先程述べた算法書の「算法少女」を題材に、児童文学作家の遠藤寛子さんがお書きになられた小説の「算法少女」です。

算法少女

『算法少女』遠藤寛子(筑摩書房)

こちらの本は1973年に岩崎書店から出版され、のち2006年にちくま学芸文庫から復刊されました。

復刊までの道のりの中で、東京都の都立高校で夏休みの感想文を「数学の課題として」書く宿題対象の書になっていたそうです。

読書感想文を書くために、もう書店には売っていないので、学校図書館に複数備えてある本を順番に借りて読むように数学の先生から言われたそうです。

結果、数学を愛し、算法を愛する人たちからの熱い願いが集結して復刊に至ったという貴重ないきさつがある書です。

内容は、算法の大好きな少女が家計を助けるために、教育を受けることに恵まれない子供たちを集めて算法塾を開いたり、算法を教えてくれている医師の父との共著で「算法少女」という本を執筆することに奮闘する日常を描いたものです。

中でも父から算法を教わって、すくすくと楽しく算術に夢中になって、技が伸びて行く主人公は、学んだことを「自分を高めること」に用いず、「人を助けるために」活用していく様に私は感動しました。

執筆された遠藤寛子さんご自身、御父様から算法少女のことを教わったそうです。ご自身の父娘の関係は、算法少女の父と娘の関係と重なったようです。

一読者としての私も、算法を愛する点でも、さらには私自身も父から算数・数学を楽しく教わった点でも算法少女との共通点がありました。

私の父は戦前、生まれ故郷の愛知県立田村で小学校の教師をしていました。幼い時から算数・数学を解くことが大好きでした。軍人一家に生まれて育ちましたので、たとえ理数系の学びが大好きでも、軍人になるように育てられ、文系の学部に進んで戦闘機のパイロットになりました。

パイロットとして与えられた任務は鹿児島県知覧飛行場から飛び立っていく特効隊員と共に出発しては、彼らの戦果を写真に収めて知覧に帰るというものでした。つらい任務だったと父は語っています。

帰路は、いつも徳之島空港に降りて給油をして知覧に帰る日程でしたので、ある時、いつも通りに、徳之島空港に降りると、そこはすでにアメリカ軍に占領されていて、そのまま捕虜となり、戦後8年間をフィリピンの捕虜収容所で過ごしました。日々の餓えをアメリカ軍から支給される黒パンでしのいでいたそうです。

そのときに、父は、算数・数学の問題を思いつくままに書き留めては、自分で解いていたそうです。

昭和28年に日本に帰国した時には既に、大好きなお母さんもおじいさんもなくなっていたそうです。戦前から飼っていたシェパードが戻ってきた父を出迎えてくれたそうです。

その後、父は神戸に住むようになり、母と出会い、私が生まれました。母は私を出産後、育児ノイローゼになり、育児が難しくなりました。その数年間、毎日父は職場に私を連れて行ってくれて、24時間育ててくれました。その中で、父は算数・数学の楽しさを熱く語ってくれるようになりました。

私が小学1年の頃に、父は中学校で習う連立方程式を楽しそうに教えてくれました。その時には必ず「算数や数学が難しくて困っている人を助けるために、習ったことを使うように」と励ましてくれました。

時は経過して、私はアートを愛する人と結婚しました。ですから結婚後は、算数・数学を趣味の位置に置いて過ごそうと思っていました。

そのような私に、今度は父ではなくて、夫が時ある毎に「算数・数学が難しくて困っている人を助けてあげて」と励ましてくれるようになりました。独身時代よりも結婚してからの年数の方が長くなっていますから、夫は、父よりも長い期間、私に算数・数学で「お人の役に立つように」励まし続けてくれていることになります。私がもらったものを大切にするように、私の為を思って励まし続けてくれている夫に深く感謝しています。その結果、長い間、算数・数学を楽しく指導する仕事を続けることができています。

「算法少女」も、その後、結婚していたら、きっと夫から算術を続けて人びとを助けるように励まされただろうなあとの思いを馳せると、また同じ書をそのような観点で読みたくなりました。

私の父は日本人男性の平均寿命を超えた長生きをして眠りにつきました。夫は父の最期まで快く介護をしてくれて、今は、夫と二人で、87歳の母をサポートしています。時折、心の折れそうになる介護の間、相当の気分転換になったのが数学です。ですから私は数学を「数楽」と思っています。

算法少女も、人生のつらいときに、夢中になって算術を解いて気分転換したかも知れません。

これから成長して行く子供たちには、1つで良いから、上質の気分転換になるものを見付けるよう、おすすめします。

算法少女も、その書の中から同じことを薦めてくれているような気がします。

今回の和算についてのブログに合わせて、御紹介する自作アートは、「和菓子」にしました。私の父は晩年まで、御客様のもてなしには自ら抹茶を振舞い、和菓子を添えました。そのような思い出も含めています。

算数・数学の学びに関心がおありの皆様、算数・数学が難しくて困っている皆様、のお役に立ちたく思っています。

どうぞお気軽に無料体験レッスンをお受けくださいませ。


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