【脳が育つ】そろばんのメリット11選！知られざる効果を現役講師が徹底解説

世間ではそろばん学習にはこのような効果があるといわれていますが、本当のところはどうなのでしょうか？疑問に感じている方も多いはずです。

この記事では、そろばん学習のメリットに加え、デメリットや注意点について、現役講師の視点でわかりやすく解説していきます。

結論：そろばんの効果はこんなにも！メリット11選

まずは大切な結論からですが、そろばん学習には明確にメリットが存在します。

現場で教えていてもそれは実感できますし、実際に生徒や保護者からも「役に立っている」ということを伝えられることもあるほどです。

具体的なメリットは数え上げればキリがありませんが、ここでは下記の11個のメリットを解説していきます。

少し長くはなりますが、11個のメリットについてチェックしていきましょう！

算数や数学が得意になり自信を持てる

そろばん学習の効果で最もわかりやすいのが、「算数や数学が得意になる」という点ですよね。

こちらはいうまでもなく「効果アリ」なので、メリットの1つとしてあげられます。

その証拠として、そろばん教室に通わせている保護者100名に対して行ったアンケートにて、実際に子どもがそろばんを習い始めてから、実に「74%」もの保護者が「算数力、語彙力が高まった」と答えていることが明らかになっています。

出典：子どもにそろばんを習わせて変化があった？そろばん教室に通わせている保護者100人にアンケート調査を実施 – PR TIMES

そろばんを習うと暗算をしやすくなる理由は「珠算」にある

そろばんで算数や数学が得意になる理由には、明確な理由が存在します。それは「珠算（しゅざん、たまざん）」という、計算方法にあります。

そもそも、そろばんは「珠」を用いて計算を行いますが、習いたての頃は脳と指をフル稼働させて計算結果を導き出すものです。

これを反復練習し、少しずつ「珠算」を身につけていくと、次第に「頭の中でそろばんを弾く」ことができるようになります。

流れとしてまとめると、下記のようになります。

もちろん、高速かつ高精度の暗算ができるようになるまでは、一定程度の時間が必要です。

しかし、習得してしまえば、算数や数学はもちろん、日常生活でも一生役にたつスキルが身につけられるので、非常に大きなメリットだといえるでしょう。

算数、数学以外の科目にも良い影響を与える

そろばんは算数や数学に良い影響を与えますが、実は他の科目にも良い影響を与えてくれます。

そろばんによる計算は、必ず「論理性（理屈）」が存在します。

このように、「球を動かす→数が変わる」といった形で「原因と結果」が連続してつながっているので、そろばんを弾くことは「理屈を追いかける（論理性）」ことと同じことです。

そして、算数や数学以外の勉強も、本質的に見ると「論理性」が求められます。代表的な科目が国語です。

国語の論説文などの読解文では、「AだからBといえる。したがってCという結論が導かれる」といった流れで論理性が存在しますが、この「理屈の流れ」を追えない子は非常に多いです。

しかし、そろばん学習を行っている子どもは、そろばんを通じて自然に「理屈の流れ」を追っているため、スムーズに著者の言いたいことを掴むことが可能になるのです。

学ぶのが難しい想像力、発想力を身につけられる

想像力、発想力は身につけるのが非常に難しい、ある種の「才能」とも呼ばれるものですが、そろばんによりこの力が活性化されることが明らかになっています。

その根拠となる、全国珠算教育連盟学術顧問の河野貴美子博士の「珠算式暗算による脳波変化の実験」の概要を下記にまとめてみました。

ご覧のように、そろばんの習熟度が高くなるにつれて、「右脳」の脳波が活性化されることが明らかとなっています。

そして、想像力や発想力の源となるのはまさに右脳の働きにあるため、そろばん学習にて想像力や発想力が培われることは、「噂や経験則」といった実態に基づかないものではなく、科学的に証明されていることなのです。

記憶力がアップしさまざまな場面で役に立つ

そろばん学習は、記憶力のアップにもつながる可能性が高いです。

記憶力には、短期記憶と長期記憶があり、長期記憶は反復練習をすることで誰でも身につけることができます。

一方で、瞬間的な記憶力である短期記憶は、右脳を使った「記憶の瞬発力」が求められ、これをそろばんで効率的に身につけることが可能です。

では、短期記憶は生活のどのような場面で役に立ってくれるのでしょうか？下記にまとめてみました。

ご覧のように、短期記憶はいわゆる「仕事ができる人」に求められるスキルに、大きく関わってくるものなのです。もちろん、学校生活や学校の勉強にも役立ちますよ。

逆にいうと、上記のようなことが人並みにできないような大人に育ってしまうと、とても大きな苦労をしてしまうことは容易に想像できます。

したがって、そろばん学習は「学校」「勉強」といった身近な出来事だけでなく、「仕事」といった将来的な部分にも大きく貢献してくれる教育手段だといえます。

失敗や挫折から忍耐力が身につく

そろばんを一度やってみるとわかりますが、慣れるまでは本当に気苦労が絶えません。

国語や算数なら、例えば漢字を覚えるとか、筆算を身につけるとか、そういったことは頭の中を動かすことでしっかりとインプットできます。

しかし、そろばんは頭に加えて「指の動き」も学ぶことのうちに入ってくるので、文字通り「頭の中をフル回転」させなければ、慣れることすら難しいです。

なにせ、これだけの珠を同時に扱いながら、頭を動かすわけですから、一筋縄ではいきませんよね…

したがって、はじめのうちは「全然うまくできない」「なんでこんなことをやってるんだろう」といった、失敗や挫折を味わうことになります。

それでも、少しずつ上達してくるので、そのうち検定試験を受けることになるでしょう。そして、そこで不合格になると、またそこでも失敗、挫折をすることに。

このように、そろばん学習は一般的な習い事に比べてややハードな側面がありますが、裏を返せば「忍耐力が身につく」ということ。

そして、大人なら誰でもわかりますが、「忍耐力」は人生を生きていく上で極めて重要なものであり、子どものときに身につけられれば言うことなしです！

STEAM教育の基礎が身につく

みなさんは、「STEAM教育」についてご存知でしょうか？

文部科学省はSTEAM教育について、それぞれのアルファベットを下記のように定義しています。

出典：STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進 – 文部科学省

一言にまとめれば、「教科等横断的な教育」のことであり、現代社会に必要なスキルをしっかりと身につけ、社会における課題の発見や解決に導く力を身につけさせることを意味しています。

そして、そろばんはこのSTEAM教育にも一役買ってくれる可能性があります。

なぜなら、ここまで解説してきたように、そろばん学習では「算数、数学、他の科目に良い影響を与え、想像力や発想力、記憶力、忍耐力を身につけられるから」です。

例えば、習い事の代表格であるピアノやスポーツでは、算数や数学の力は身につけられませんよね。

このように、人生に必要なスキルを「横断的、網羅的に」学べるのは、そろばんだけが持つといっても良い最大の強みなのです。

そしてこれがそのまま、「STEAM教育」へとつながることを、しっかりと理解しておくことが大切です。

脳のトレーニングになり認知症予防にも効果的

さて、ここからはそろばん学習のメリットのうち、「勉強」に直接関わらないものの、見逃せないメリットをテンポよく解説していきます。

まずは「認知症予防」になる点からですが、これはいわゆる「脳トレ」に該当するものですね。確立された治療方法がそろばんに求められるわけではなく、あくまで脳トレの一部だと考えましょう。

しかしあなどるなかれ。実は、すでに全国では認知症予防のための「大人のそろばん教室」が開かれている例があります。

出典：認知症予防のための「大人のそろばん教室」全国展開ビジネスモデル構築事業 – 鳥取県

介護施設などでは、よく「計算問題」を脳トレとして実施するそうですが、計算問題ではあまり手は動かしませんよね。しかし、そろばんは頭と手を動かすため、より効果的な脳トレになるということです。

特に効果を実感しやすいのは、「そろばんに慣れるまでの過程」です。逆に慣れてしまうと、あまり頭を使わずともそろばん計算ができるようになってしまうため、他の脳トレと併用しながら行うなどの対策が有効かもしれません。

他の習い事に比べてコスパが良く続けやすい

習い事につきものなのが「費用」ですよね。

昨今は世帯あたりの子どもの数が減り、子ども一人当たりに投資できる資金に余裕が出てきているため、習い事ブームが起きているといえるほど。

しかし、高校、大学と進む中で出費はどんどん増えていくので、できれば節約をしたいのも事実ですよね。

でも大丈夫！そろばんはあらゆる習い事の中でも「コスパが良い」と言い切れるくらい、とても経済的なメリットがあります。

例えば、私たちオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」でそろばんのレッスンを受けるとしたら、かかるお金は下記の通りです。

レッスンに必要な費用
レッスン料	・50分：1,600円〜 ・月間6,400円〜
そろばん	・3,000円程度 ・高額な物は不要
テキスト代	・1,000円程度 ・上達に合わせて買い替え

初期費用は数千円、毎月6,400円から学ぶことができます。

しかも、継続的な出費はテキスト代の1,000円程度で、スポーツのようにボールやスパイク、衣類の買い替えもいりません。

それでいて、得られるメリットは多岐にわたるのですから、これほどコスパに優れる習い事を見つけるのはなかなか難しいはずです！

履歴書に記載できる資格を取得できる

塾で算数を学んでいたことや、サッカーを習っていたことは、履歴書の資格欄には書けませんよね。

しかし、そろばんは違います。「日本商工会議所珠算能力検定　2段合格」のように、合格した検定は履歴書欄に記載することができるのです。

そろばん界隈では、「公益財団法人全国珠算教育連盟（全珠連）」「日本商工会議所（日商）」が二大巨頭であり、これらの検定の合格は社会的に見ても大きな効力を発揮してくれますよ。

オンラインで授業を受けられる

ここまでのお話を聞いて、こういう風に思う方もいると思います。

確かに、現代においては「そろばん塾」など、ほとんど見かけなくなってしまいました。

ですがご安心を。そろばんはオンラインでも授業を受けられるのです！

参考として、「スマホとそろばん」だけでオンラインレッスンを行う方法を画像でご紹介します。

こんな風に工夫をすれば、そろばんを教える側も、教わる側も、手元をリアルタイムで映しながら「まるで対面」のように学ぶことができます。

そして、私たち「まなぶてらす」では、すでにこのような方法でそろばんのオンラインレッスンを進めており、今日も世界中の子どもたちに、先生たちがそろばんの魅力を伝えているはずです！

大人から子どもまで万人が手軽に学習できる

さて、そろばん学習の最後のメリットですが、「万人が手軽に学習できる」点があげられます。

いつの時代も、必ずジェネレーションギャップが存在します。例えば、筆者の祖母は自宅でそろばん教室を開いていました。

今でもその時のそろばんを大切に飾っています。そして筆者は祖母の影響もあり、そろばんを一通り扱うことができます。

そして、そろばんがコミュニケーションのツールとして、「昔はどのくらいの生徒がいたの？」「この計算はどうやればいいの？」といった会話が生まれます。

例えば、そろばんを「親子で習う」といった選択もあるはずです。あるいは、筆者のようなシチュエーションがあるなら、「祖父母に教えてもらう」といったのももちろんアリ！

もし、身近にそろばん塾があるなら、きっとその先生は比較的年配の方のはずです。年配の方と交流するチャンスは、なかなかあるものではありません。

このような「他人との交流」はどんな習い事にもありますが、特にそろばんは「世代間の交流」が促されやすいです。そして、その経験は確実に、その子の人生に大きな影響を与えてくれるはずです。

メリットだけじゃない？そろばんのデメリットや注意点も知っておこう

まずはそろばん学習のメリットについて解説しましたが、デメリットや注意点も存在します。

といっても致命的なものではなく、「事前にある程度知っておくと役に立つ」といった位置付けになるので、簡潔に解説していきます。

そろばんと学力に関係性があるかどうかは不明

先ほど、そろばんのメリットは多岐にわたる点を解説しましたが、だからといって、

とは限りませんし、そのような科学的なエビデンスも存在しません。

確かに、右脳の発達を促すなどのエビデンスは存在しますが、それが直接「頭の良さ」「学力向上」に結びつくかといえば、現時点では断言は難しいでしょう。

【経験談】「計算だけは得意」ようなケースも存在する

これまで筆者はそろばん学習や暗算学習を幼い頃から行なっていた子の指導経験があります。

体感としては、その大半の子の基礎学力が高く、さまざまなことへの飲み込みが早いと感じていますが、中には「計算だけは得意だが思うように成績が上がらない」ようなケースも存在しました。

このようなケースでは、講師陣が驚くほどのスピードで計算や暗算をこなせるにも関わらず、

このような問題が見られます。小学生の場合は、そろばんで学習した計算方法と、学校で習う計算方法のギャップに、戸惑ってしまうようなケースもよく聞きます。

もしかしたら、保護者もこのような問題には気がついていたのかもしれませんが、「そろばんをやらせているから大丈夫」といった形で問題を先送りしていたのかもしれませんね。

そろばんをきっかけに勉強そのものが嫌いになる可能性も

メリットの部分で「そろばんは忍耐力が身につく」ことを解説しましたが、別の見方をすれば「挫折しやすい」「ストレスを感じやすい」とも考えられます。

大人も子どもも、全ての人間には向き不向きがあり、それは生まれ持った脳の構造に左右される部分が大きいです。

したがって、もし子どもがそろばんに対して強烈な嫌悪感、忌避感を抱いているなら、無理をしてやらせるのは控えた方が良いかもしれません。

【経験談】学習は強要するものではなく自発性が大切

言うまでもありませんが、学習は強要するものではなく、自発性がとても大切です。

しかし、講師として現場で働いているとよくわかりますが、多くの保護者は自分の子どもに対して、とても視野が狭くなってしまっています。

このような考え方は親目線では正しいです。そろばんには本当に多くのメリットが存在するので、100%正しいとさえ言えるでしょう。

ですが、子どもにとってはきっと違います。子どもにとっての人生は「今この瞬間」なので、ただ単に「そろばんを学びなさい」と押し付けるだけではうまくいかないでしょう。

最悪のケースでは、そろばんがきっかけで「勉強そのものが嫌いになる」可能性もあるかもしれません。

そろばんは「ただやらせる」だけではリスクがある

このように、そろばんを「ただやらせる」だけでは、下記のようなデメリットが生じる可能性があります。

このようなデメリットを予防した上で、そろばんを「正しく学ぶ」ためには、独学などの不確実な方法に頼るのではなく、専門家やプロに指導をお願いすることが大切です。

そろばん学習はマンツーマンで専門家やプロに指導を仰ぐのが正解！

当然のことではありますが、そろばんの先生は「そろばんのメリットとデメリット」について精通しています。

そろばんは覚えることが多く、挫折しやすいものであるため、「わかりやすさ」だけでなく「その子に合ったやり方」を見つけてあげることが大切です。

したがって、おすすめしたいのはマンツーマンでの指導！一般的なそろばん塾は集団授業ですが、計算方法や指の運び方といった細かい部分まで指導を仰ぐのは難しいですよね。

マンツーマンレッスンなら、下記のようなメリットがあります。

私たち「まなぶてらす」はマンツーマンのオンラインレッスンを指導科目問わず提供しており、その中でもそろばんレッスンは大好評！

「まなぶてらす」のそろばんレッスンについて詳しく紹介している、こちらのページも参考にしてみてください！

まとめ

そろばんのメリットは数えきれないほど存在するからこそ、昔から、今の時代に至るまで、需要が途絶えないのでしょう。

計算や暗算など、直接的なメリットから、STEAM教育へのきっかけづくりや右脳の発達など、画期的なメリットまで幅広く存在します。

一方で、「ただやらせる」だけではデメリットもあるので、専門家やプロに指導を仰ぎ、適切な方法で学習を進めることが大切ですよ。