「友達を作れ」は禁句。不登校の子を支える、オンラインの居場所づくり
不登校の子どもが家にこもりがちになると、保護者の頭を占めるのは学力への不安だけではありません。「孤立しているのではないか」「人と関わる力が育つのか」という、もっと根本的な心配が重なってきます。
文部科学省の令和5年度調査によると、小・中学校における不登校児童生徒数は346,482人と過去最多を更新しました。そのなかには、学校以外でほとんど人と関わる機会がない子どもも少なくありません。
この記事では、「つながり」が不登校の子どもにどんな意味を持つのか、ご家庭から始められる関わり方にはどんな選択肢があるのかを、一つずつお話ししていきます。「今すぐ何かしなければ」と焦る必要はありません。ただ、選択肢を知っておくことが、お子さまのペースを守る助けになります。
不登校の子が「孤立」するとはどういう状態か
まず整理しておきたいのは、「孤立」と「一人の時間を選んでいる状態」は、似ているようでまったく違うということです。見分け方を間違えると、お子さんが必要としている「静かに回復する時間」を奪ってしまうことにもなりかねません。
ここからは、学校を離れた子どもがどのようにつながりを失っていくのか、そして「一人が好き」と「望まない孤立」をどう見分けるのか、二つの角度から整理します。
友人・先生・地域とのつながりが途切れるプロセス
学校に行かなくなると、最初は友人からのLINEが届きますが、返信がなければやがて連絡も来なくなります。クラス替えや卒業でさらに疎遠になり、気づけば家族以外とほとんど話さない状態になっていた——こうした経過は、不登校支援の現場でもよく見られるパターンです。
近所の公園や習い事も「学校の子がいるかもしれない」という不安から避けるようになると、地域コミュニティとの接点も失われます。結果として、世界が家族だけになっていく。
孤立のリスクを煽りすぎずに伝える
「孤立している=危機的状態」と即断するのは正確ではありません。内向的な子、一人の時間を好む子にとって、「静かに回復する時間」は必要なものです。ここで言う孤立のリスクとは、本人が望んでいないのに人との接点がゼロになっている状態を指します。
不登校から回復していく過程で、「あの頃、話せる人がいたら違っていたかもしれない」と振り返るお子さんは、決して少なくありません。これは、まなぶてらすという現場で、多くの先生が何度も耳にしてきた声です。
だからこそ、今の段階でリスクを煽る必要はない一方で、「選択肢はある」ということだけは、そっと手元に置いておきたい、そんな温度感で読み進めていただければと思います。
「一人が好き」と「孤立」は違う——子どもの状態の見分け方
子どもが「別に友達いなくていい」と言うとき、それが本心からの主体的な選択なのか、傷ついてあきらめているだけなのかは、表情や日常の様子から少しずつ読み取っていくしかありません。
目安のひとつは、「好きなことについて誰かに話したいそぶりがあるか」です。ゲームでも音楽でも、何かについて「誰かに見せたい・伝えたい」という動きがあれば、つながりへの欲求は生きています。
第三者との「つながり」にはどんな形がある?
「学校以外で、うちの子が安心して関われる場所なんてあるんだろうか」——そう感じている方に、まず知っておいていただきたいのが、今は想像以上に多様な選択肢が広がっているということです。
費用も、通う頻度も、親がどこまで関わるかも、それぞれまったく違います。ここでは代表的な4つの形を、向き・不向きと一緒に紹介します。
フリースクール・適応指導教室(対面・オンライン)
フリースクールは、不登校の子どもが安心して過ごせる「居場所」を提供する施設です。月額費用は数万円かかるものが多く、送迎が必要な場合もあります。自治体が運営する適応指導教室(教育支援センター)は無償で利用できる場合がほとんどですが、学習支援が中心で、内容や雰囲気は施設によって大きく異なります。
メンター型支援(NPO・ボランティア・大学生)
NPO法人カタリバや D×P(ディーピー)など、若いメンターが不登校の子どもと関わる支援も広がっています。「お兄さん・お姉さん的な存在」として、学校でも家庭でもない第三の関係が生まれることがあります。
オンライン家庭教師・習い事講師との1対1関係
まなぶてらすでは、国語・算数・英語などの学習サポートだけでなく、そろばん・将棋・プログラミング・英会話など「勉強以外」を入口にしたレッスンも受けられます。「まず話せる大人を作る」「画面越しでも安心できる関係を少しずつ築く」という目的で利用するご家庭も増えています。
それぞれの向き・不向きと親の関わり度合い
【各サポートの比較まとめ】
・フリースクール:費用がかかるが継続的な居場所になる。送迎が必要なことも
・適応指導教室:無償。学習中心で、子どもによって合う合わないがある
・メンター型NPO:若い支援者との関わりが新鮮。ただし対象地域・年齢に制約がある場合も
・オンライン家庭教師:自宅から始められる。カメラOFF・短時間でも可。講師を選べる柔軟性が強み
オンラインでの「つながり」は本物になるか?——可能性と限界
「画面越しで、本当に信頼できる関係なんて生まれるんだろうか」——これは、保護者の方から最もよく寄せられる疑問のひとつです。結論を先にお伝えすると、条件が整えばオンラインでも十分に深い関係は育ちます。
ただし、オンラインだけでは足りない場面もある。その両面を、現場での実感をもとに正直にお話しします。
画面越しでも安心できる関係が生まれる条件
「画面越しでは本物のつながりにならないのでは」と感じる保護者の方は、本当に多くいらっしゃいます。ただ、編集部スタッフも講師として15年以上にわたって不登校支援に携わってきた経験から言えるのは、信頼できる大人との1対1の時間が継続的に積み重なれば、オンラインでも十分に深い関係が育つ、ということです。
形式より、関係の質のほうがよっぽど効いてきます。同じ講師が継続して関わり、雑談もできる雰囲気があり、「今日は調子が悪い」と言えるくらいの安心感が生まれれば、それは本物のつながりです。
カメラOFF・短時間・顔出しなしから始められる設計
まなぶてらすでは、初回から顔を見せなくても大丈夫です。カメラをオフにしたまま声だけで参加することも可能ですし、最初の数分は雑談から始めることも多くあります。「50分フルでやらなくていい」「できる範囲から始める」という柔軟な設計が、不登校の子どもにとっての安心感につながっています。
オンラインだけでは限界がある場面
ただし、お子さまが「消えたい」と口にしたり、家族との会話すら難しい状態が続いているときは、オンラインレッスンよりも先に、スクールカウンセラーや医療機関への相談を優先してください。
オンラインレッスンは「安心できる入口」として機能しますが、専門的なサポートの代替にはなりません。
保護者のセルフケア——親の孤立も見逃さない
お子さんの不登校に向き合っている保護者の方自身が、実は静かに孤立していることは少なくありません。「ママ友にはうまく言えない」「職場でも話題にできない」——そんな日が続いていませんか?
保護者の方が安心して話せる場を持つことは、結果としてお子さんへのサポートの質も変えていきます。ここでは、「親が孤立する典型的なパターン」と「使える相談先」を具体的に紹介します。
子どもの不登校で親が孤立するパターン
お子さんが不登校になると、保護者の方自身も「誰にも話せない」状態になりやすくなります。
- ママ友にはうまく言えない。
- 職場でも話題にしにくい。
- 夜、家族が寝たあとに、スマホで「不登校 親の会」と検索したことがある。
そんな方は、想像以上に多くいらっしゃいます。
学校行事や保護者同士のコミュニティからも自然に距離を置くようになり、お子さんの孤立と並行するように、保護者の方自身も静かに孤立していく。お子さんを支えるためには、この「親の孤立」にも目を向けることが欠かせません。
親の相談先(保護者の会・自治体窓口・オンラインコミュニティ)
保護者が使えるサポート先
・不登校の親の会:全国各地にあり、同じ状況の保護者と話せる
・教育相談センター(自治体):無償で相談員やカウンセラーに相談可能
・文部科学省 子どもの学び応援サイト:オンライン相談や情報収集に
・SNS・オンラインコミュニティ:「不登校 親の会」で検索すると各地・各SNSで活動中
「勉強」ではなく「話す相手」から入るオンラインレッスンの考え方
「学習の遅れは気になるけれど、今の状態で勉強を勧めても無理」
多くのご家庭がぶつかる葛藤です。その葛藤を手放せる一つの方法が、「勉強」ではなく「話すこと」から始めるという発想の転換です。
まなぶてらすでも、この形でレッスンをスタートされるご家庭が増えています。勉強以外の入口、雑談そのものの価値、学習への戻り方、それぞれの考え方を紹介します。
英語・将棋・プログラミングなど教科外の入口
「勉強はまだしんどい」というお子さまには、好きなことや興味があることを入口にするのが現実的です。まなぶてらすには50種類以上の習い事に対応できる講師が在籍しており、英会話・将棋・プログラミング・折り紙・音楽など多彩な分野からスタートできます。
講師との雑談・フリートークの価値
「今日は何もしなくてよかった。ただ話しただけだけど、先生がニコニコして聞いてくれた」——そんな体験の積み重ねが、外の世界への第一歩になることがあります。フリートーク専用のレッスン枠を設けている講師もいます。
学習への橋渡しを急がない設計
「いつか勉強に戻れるよう、今はとにかく人と話す機会を作る」——この方針で利用しているご家庭が少なくありません。無理に学習につなげようとせず、まず「この人となら話せる」という感覚を育てることを優先する。それがまなぶてらすの不登校サポートの基本的な考え方です。
まなぶてらすで不登校のお子さまをサポートする講師
まなぶてらすには、不登校のお子さまを実際に支えてきた講師が複数在籍しています。一人ひとりのバックグラウンドや得意分野はさまざまで、「うちの子に合う先生」がきっと見つかります。ここでは、不登校サポートの経験が豊富な3名をご紹介します。

たろー 先生
通信制高校教員7年・不登校支援に豊富な経験。チェコ在住の講師で、海外在住・帰国予定の生徒にも対応。登校しぶり・不登校のお子さまへの寄り添い型サポートが得意です。

みつあき 先生
指導歴30年・不登校支援の経験あり。学習塾・予備校・非常勤講師と多様な現場を経験。学習の遅れが心配なお子さまにも丁寧に対応します。
まとめ:無理なつながりを作らなくていい。でも選択肢は渡しておく
不登校の子どもにとって「つながり」は、強制するものでも、焦って作るものでもありません。
大切なのは、「もし話したくなったとき、話せる相手がいる」という状態を用意しておくことです。フリースクール、適応指導教室、NPOのメンター、オンライン講師——形はどれでも構いません。
まなぶてらすでは、最初は雑談だけでも、カメラをオフにしたままでも、学習は後回しでも構わないという姿勢で関わります。まずは無料体験レッスンで、お子さまに合う講師を見つけてみてください。
よくある質問
- Q.不登校の子が誰とも話さない状態は問題ですか?
- 「一人が好き」という本人の意思と、望まない孤立を区別して考えることが大切です。本人が話したいそぶりを見せているのに話す相手がいない状態は、回復を遅らせる可能性があります。
- Q.オンラインで不登校の子の話し相手になってくれるサービスはありますか?
- まなぶてらすでは、フリートーク・習い事など学習以外を入口にしたレッスンに対応している講師が在籍しています。「まず話せる関係を作りたい」というご要望もお気軽にご相談ください。
- Q.不登校の子にフリースクールとオンライン家庭教師、どちらが向いていますか?
- 外出できる状態か、集団が得意かどうかによって異なります。外出が難しい時期は自宅から始められるオンラインが向いていることが多いです。状態が落ち着いてからフリースクールを検討するご家庭もあります。
- Q.カメラOFFでもオンラインレッスンは受けられますか?
- はい、多くの講師がカメラオフ・マイクのみでの受講に対応しています。最初は顔出しなしで始めるお子さまも少なくありません。
- Q.不登校の子の保護者が孤立しないためにはどうすればいいですか?
- 地域の「不登校の親の会」や、自治体の教育相談センターへの相談がおすすめです。オンラインのコミュニティも全国にあります。一人で抱え込まないことが、長期サポートの基盤になります。
参考文献
- 文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
この記事の著者
まなぶてらす編集部
「まなぶてらす」は、勉強も習い事もひとつの場所で学べるオンライン家庭教師サービスです。一人ひとりの「好き」や「得意」を伸ばし、お子さまの強みを育てることを大切にしています。
この記事の監修者
さとしん(佐藤 信一)先生
教育心理学修士・不登校支援歴15年以上・相談実績約300人
国際基督教大学(ICU)大学院教育心理学修士課程修了。20年以上の英語指導経験に加え、15年にわたり不登校の子ども・保護者の相談支援に携わる。フリースクール職員として現場でサポートを続けながら、約300人の不登校生とその保護者への相談・情報提供の実績を持つ。

