小学生の不登校が増えている理由とは?親ができる5つのサポートを専門家が解説
「まさか、うちの子が学校に行けなくなるなんて」——小学生の不登校に直面し、戸惑っている保護者の方は少なくありません。
文部科学省の調査によると、2024年度の小学生の不登校児童数は約13万8千人。10年前と比べて約5.7倍に増加しており、特に低学年(小1〜小3)の不登校が目立って増えています。
中学生や高校生の不登校と比べ、小学生の不登校には年齢特有の原因や対応のポイントがあります。早い段階で適切なサポートをすることで、回復までの道のりが大きく変わります。
この記事では、小学生の不登校が増えている背景と主な原因、そして親ができる5つの具体的なサポート方法を、5,000人以上の保護者相談実績をもとに解説します。
小学生の不登校が急増している背景
データで見る小学生の不登校の現状
文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小学生の不登校児童数は年々増加しています。
- 2013年度:約2万4千人
- 2018年度:約4万5千人
- 2023年度:約13万人
- 2024年度:約13万8千人(過去最多)
全小学生のおよそ44人に1人が不登校という計算になり、もはや「特別なこと」ではなくなっています。
なぜ今、小学生の不登校が増えているのか
小学生の不登校が増加している社会的な背景には、以下のような要因が考えられています。
- コロナ禍による生活環境の変化:長期休校やオンライン授業を経験したことで、学校に行くことへのハードルが変化した
- 「学校に行かなくてもいい」という社会的認知の広がり:2017年施行の教育機会確保法により、不登校への理解が進んだ
- 子どもの繊細さへの気づき:HSC(Highly Sensitive Child)など、刺激に敏感な子どもへの理解が広まった
- SNS・動画の普及:自宅での過ごし方の選択肢が増え、学校以外の世界に触れやすくなった
小学生が不登校になる主な原因5つ
中学生以上の不登校と異なり、小学生の不登校には発達段階に関わる特有の原因があります。
小学生が不登校になる主な原因
① 母子分離不安(特に低学年)
② 学校生活への不適応(集団行動・時間割のストレス)
③ 友人関係のトラブル(仲間外れ・グループ化)
④ 学習の遅れ・つまずき(算数・九九・分数など)
⑤ 感覚過敏・繊細さ(HSC)(教室の騒がしさ等)
原因①:母子分離不安(特に低学年)
小学1〜2年生に多いのが「母子分離不安」による不登校です。保護者(特に母親)と離れることに強い不安を感じ、登校を拒むケースです。
これは愛着形成の発達段階における自然な反応でもあり、「甘やかしすぎ」が原因ではありません。環境の変化(入学、引っ越し、きょうだいの誕生など)がきっかけになることが多いです。
原因②:学校生活への不適応
45分間じっと座っている、集団で行動する、時間割に従う——小学校の生活リズムそのものに適応できない子どもも少なくありません。
特に、幼稚園・保育園では自由に過ごせていた子どもにとって、小学校のルールは大きなストレスとなることがあります。
原因③:友人関係のトラブル
小学生は人間関係のスキルを学んでいる途中です。些細なトラブルや仲間外れが、大人が思う以上に深刻なダメージを与えることがあります。
中・高学年ではグループ化が進み、「入れてもらえない」「無視される」といった経験が不登校のきっかけになるケースも増えます。
原因④:学習の遅れ・つまずき
小学3〜4年生頃から学習内容が難しくなり、「授業についていけない」という焦りや劣等感が不登校につながることがあります。
特に算数のつまずき(かけ算の九九、分数、割合など)は積み上げ型の教科のため、一度遅れると自力での回復が難しくなりがちです。
原因⑤:感覚過敏・繊細さ(HSC)
教室の騒がしさ、給食の匂い、体操服の肌触り——感覚が敏感な子どもにとって、学校は刺激が多すぎる環境です。
HSC(Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子ども)は全体の約15〜20%いるとされ、この特性を持つ子どもは学校生活で疲弊しやすい傾向があります。
小学生の不登校——年齢別の特徴と注意点
小学生の不登校は、年齢によって現れ方や対応のポイントが異なります。
年齢別の特徴まとめ
🌱 低学年(小1〜2):母子分離不安が中心。身体症状で表れやすい。母子登校のケースも
🌿 中学年(小3〜4):学習つまずきがきっかけ。友人関係の複雑化。「行く意味がわからない」
🌳 高学年(小5〜6):自意識の高まり。いじめ・人間関係の深刻化。中学進学への不安
低学年(小1〜小2)の特徴
- 「お腹が痛い」「頭が痛い」など身体症状として表れやすい
- 母子分離不安が主な原因になることが多い
- 親がそばにいれば登校できる「母子登校」のケースも
- 対応のポイント:無理に引き離さず、少しずつ安心できる環境を広げていく
中学年(小3〜小4)の特徴
- 学習内容が難しくなり、勉強へのつまずきがきっかけになりやすい
- 友人関係が複雑化し、グループ内のトラブルが増える
- 「学校がつまらない」「行く意味がわからない」と言語化できるようになる
- 対応のポイント:子どもの言葉に耳を傾け、学習の遅れは早めにフォローする
高学年(小5〜小6)の特徴
- 思春期の入り口で自意識が高まり、周囲の目を気にしやすい
- いじめや人間関係の悩みが深刻化しやすい
- 中学進学への不安が加わることも
- 対応のポイント:プライバシーを尊重しつつ、将来の選択肢を一緒に考える
親ができる5つのサポート
小学生の不登校は、親の適切なサポートが回復に大きく影響します。ここでは、今日から実践できる5つの具体的なサポート方法をご紹介します。
サポート①:「行きたくない」を受け止める
子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、最初にすべきことは否定せず、気持ちを受け止めることです。
「そうなんだね、行きたくないんだね」とまず共感し、理由を問い詰めないことが大切です。小学生は自分の気持ちをうまく言語化できないことが多いため、「なぜ?」と聞かれても答えられず、さらに追い詰められてしまいます。
サポート②:家庭を「安全基地」にする
不登校の子どもにとって、家庭が「何を言っても大丈夫」「ありのままでいられる」場所であることが回復の土台です。
- 学校の話題ばかり持ち出さない
- 「何もしていない時間」を責めない
- 子どもの好きなことを一緒に楽しむ時間をつくる
- 食事や入浴など日常生活のリズムは緩やかに保つ
家庭が安全基地になれば、子どもの心のエネルギーは少しずつ回復していきます。
小3で不登校になったお子さまの保護者の方
「学校の話を一切やめて、ただ一緒にご飯を食べて、一緒にテレビを見て。それだけのことですが、2か月後に子どもの方から『明日ちょっと行ってみようかな』と言ってくれました」
サポート③:学校との連携を保つ
子どもが登校していなくても、学校との情報共有は続けましょう。担任の先生やスクールカウンセラーと定期的に連絡を取ることで、復帰のタイミングで柔軟な対応をしてもらいやすくなります。
- 週に1回程度、メールや電話で状況を共有する
- 配布物やプリントは受け取っておく
- スクールカウンセラーとの面談を申し込む(保護者のみでもOK)
- 出席扱いになる制度(ICT活用など)について相談する
なお、ICTを活用した自宅学習で「出席扱い」になる制度もあります。詳しくは以下の記事で解説しています。
→ 不登校でも出席扱いになる?ICT活用の7つの要件と申請手順
サポート④:学習の遅れは「焦らず・スモールステップ」で
学習の遅れは保護者が最も心配することの一つですが、心の回復が優先です。子ども自身が「やってみようかな」と思えるタイミングを待ちましょう。
学習を再開するときのポイントは以下の通りです。
- 得意な科目・好きな分野から始める:成功体験を積むことで自信につながる
- 1日10〜15分からでOK:短い時間でも「できた」感覚を大切に
- 学年をさかのぼって復習する:つまずいた箇所まで戻ることが近道
- 親が教えるのが難しければ、外部の力を借りる:オンライン家庭教師なら自宅から受講できる
サポート⑤:「親以外の信頼できる大人」とつなげる
不登校の子どもにとって、親以外に信頼できる大人の存在は回復の大きな力になります。
家族以外の大人と定期的に関わる場をつくることで、社会とのつながりが維持され、子どもの世界が広がります。
- オンライン家庭教師:マンツーマンで、学習だけでなく雑談や趣味の話もできる
- フリースクール:同じ境遇の子ども同士の交流ができる
- 習い事の先生:学校とは違う評価軸で認められる経験ができる
- 親戚やご近所の方:日常的に見守ってくれる存在
特にオンライン家庭教師は、対面のプレッシャーが少なく、自宅から安心して受講できるため、外出が難しい小学生の不登校に適した選択肢です。
不登校の小学生の「その後」—— 回復の道筋
小学校で不登校だった子の進路
「小学校で不登校だったら、この先どうなるの?」という不安をお持ちの方は多いと思います。しかし、小学校での不登校が将来をすべて決めるわけではありません。
- 中学校から再登校する子も多い:環境が変わることがきっかけになるケースは少なくない
- 中学受験で新しいスタートを切る:自分に合った学校を選ぶことで、生き生きと通えるようになることも
- フリースクールやホームスクーリングで学び続ける:学校以外の学びの形も社会的に認知が広がっている
初期の兆し
- 「ヒマ」「つまらない」と言い始める
- 家族以外の人と話すことに抵抗がなくなる
回復が進んできたサイン
- 外出や買い物に一緒に行きたがる
- 「〇〇をやってみたい」と新しい興味を示す
大きな前進
- 学校の友達のことを話題にする
回復のサインを見逃さない
子どもが回復に向かっているサインには、以下のようなものがあります。
- 「ヒマだな」「つまらない」と言い始める(エネルギーが戻ってきている証拠)
- 家族以外の人と話すことに抵抗がなくなる
- 外出や買い物に一緒に行きたがる
- 「〇〇をやってみたい」と新しい興味を示す
- 学校の友達のことを話題にする
こうしたサインが見えたら、無理に加速させず、子どものペースに合わせて次のステップを考えましょう。
まなぶてらすの不登校サポート
まなぶてらすには、不登校の小学生をサポートしてきた経験豊富な講師が多数在籍しています。
小学生の不登校サポートの特長
- 完全マンツーマン:お子さまの理解度やペースに合わせた個別指導
- 学年をさかのぼった復習も対応:つまずいた箇所からやり直せる
- 教科以外のレッスンも豊富:そろばん、プログラミング、アート、ピアノ、音楽制作、折り紙、将棋、ダンスなど、興味から学びへつなげる
- 都度予約制で気軽に始められる:月謝制ではないから、体調に合わせて柔軟にスケジュール調整
- 初回レッスン無料の講師も:まずはお試しで相性を確認できる
「学校に行けていないけど、何か始めてみたい」——そんなお子さまの最初の一歩を、まなぶてらすがサポートします。
よくある質問(FAQ)
Q. 小学1年生で不登校になるのは早すぎますか?
A. 早すぎるということはありません。小学1年生の不登校は「母子分離不安」や「環境の急激な変化」が原因であることが多く、発達段階として自然な反応です。この時期に適切なサポートをすれば、比較的短期間で回復するケースも多いです。焦らず、まずはお子さまが安心できる環境を整えましょう。
Q. 不登校の小学生に勉強をさせるべきですか?
A. 心のエネルギーが回復するまでは、無理に勉強させる必要はありません。まずは休息と安心が最優先です。子ども自身が「やってみたい」と思えるタイミングで、好きな科目や短い時間から始めるのが効果的です。学習の遅れは後から十分に取り戻せます。
Q. 「明日は学校に行く」と言うのに朝になると行けません。どうしたらいいですか?
A. これは小学生の不登校で非常に多いパターンです。子ども自身も「行きたい」気持ちは本物ですが、朝になると不安や緊張が勝ってしまいます。「嘘をついた」と責めず、「行こうと思えたこと自体がすごいね」と気持ちを認めてあげてください。
Q. 不登校中、ゲームやYouTubeばかりで心配です。制限すべきですか?
A. 完全に禁止するより、ゆるやかなルールを一緒に決めるのが効果的です。不登校初期はゲームや動画が心の安定剤になっていることもあります。ただし、昼夜逆転や健康への影響が出ている場合は、「夜11時以降はやめよう」など、子どもと話し合ってルールを決めましょう。詳しくは不登校中のゲームとの付き合い方の記事もご覧ください。
Q. 小学生の不登校で、将来引きこもりにならないか心配です。
A. 小学生の不登校が直接「引きこもり」につながるわけではありません。不登校から回復し、自分に合った道を見つけて社会で活躍している人はたくさんいます。大切なのは、完全に社会との接点を断たないこと。家族以外の大人との関わりや、興味のある活動への参加を少しずつ続けていきましょう。
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この記事の監修者
坂本七郎(さかもと しちろう)
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、不登校の子どもを含む多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。
