通級指導教室ってどんなところ?家庭学習とつなげるポイントを解説
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「通級を勧められたけれど、実際どんなことをする場所なのか分からない」というご相談を、カウンセリングの現場でよく受けます。通級指導教室は、通常の学級に在籍しながら、週に数時間だけ特別な指導を受けられる制度です。文部科学省の令和6年度調査では、通級指導を受ける児童生徒は全国23万405人と過去最多を更新しています。この記事では、通級指導教室の基本的な仕組みと、家庭学習とどうつなげていくかを整理します。
通級指導教室とは?対象となる子ども・特別支援学級との違い
通級指導教室は、通常の学級に在籍しながら、週に1〜8単位時間程度、別の教室で特別な指導を受ける制度です。特別支援学級のように学級そのものを移るわけではなく、在籍学級に籍を置いたまま、必要な時間だけ通う点が大きな違いです(出典:文部科学省「障害に応じた通級による指導の手引き」)。
対象となるのは、言語障害・自閉症・情緒障害・弱視・難聴・学習障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)・肢体不自由・病弱及び身体虚弱のいずれかがある児童生徒です。自閉症などの発達障害(神経発達症)は、こうした対象の一つに含まれます。知的障害は対象に含まれません。令和6年度の調査では、通級指導を受けている児童生徒のうち、ADHDが5万872人でもっとも多く、言語障害・自閉症・学習障害・情緒障害と続きます(出典:文部科学省「令和6年度通級による指導実施状況調査」)。
通級を利用するとどう変わる?メリットと知っておきたい注意点
通級指導教室の大きなメリットは、その子の特性に合わせた個別性の高い指導を、少人数または1対1で受けられることです。集団の中では難しかった「自分のペースで学ぶ」「苦手な部分だけをじっくり練習する」といったことがしやすくなります。
一方で、通級のために移動する時間がかかる、待機期間が発生する場合がある、といった注意点もあります。通級指導を受け始めてすぐに効果を実感できるとは限らず、半年から1年程度の時間軸で様子を見ることが大切だと考えられています。
通級指導教室の利用方法—誰が対象で、どう申し込む?
通級指導を利用したい場合は、まず在籍校の担任やスクールカウンセラーに相談することから始まります。その後、教育委員会による審査を経て利用が決まる流れが一般的です。通級指導教室が在籍校にない場合は、他校に通う「他校通級」や、担当教員が学校を巡回する「巡回通級」という形で利用できることもあります。
グレーゾーンと呼ばれる、診断がつくかつかないかの境界にいるお子さんも、学校での困りごとの様子によっては対象になり得るとされています。「診断名がないから対象外」と決めつけず、まずは学校に相談してみることをおすすめします。
家庭学習とどうつなげる?保護者ができる連携の工夫
通級指導教室での学びを家庭にも生かすには、学校との情報共有を意識的に行うことが大切です。連絡ノートのやり取り、送迎時の担当教員との短い会話、個人懇談など、学校側が用意している連携の機会を積極的に活用してください。
家庭では、通級で取り組んでいる内容を無理に再現しようとするより、「今日はどんなことをしたか」を本人から聞き出し、できたことを具体的に褒める関わりを意識すると、学びへの前向きな気持ちが育ちやすくなります。教科学習そのものをサポートしたい場合は、通級での指導方針を踏まえたうえで、オンライン家庭教師などを併用する家庭もあります。
ADHDのあるお子さんの学習面での関わり方についてはADHDの子どもが集中して勉強できる環境づくりも参考になります。発達障害のあるお子さんの夏休みの過ごし方は発達障害の子の夏休みの過ごし方で整理しています。親が直接教えることの難しさについては発達障害の子どもの勉強、親が教えるとうまくいかないのはなぜ?もあわせてご覧ください。
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よくある質問
Q. 通級指導教室と特別支援学級はどう違いますか?
通級指導教室は通常の学級に在籍したまま週数時間だけ別の指導を受ける制度で、特別支援学級は学級そのものが異なります。在籍学級に籍を置くかどうかが大きな違いです。
Q. 診断名がなくても通級を利用できますか?
学校での困りごとの様子によっては、診断名がついていない、いわゆるグレーゾーンのお子さんも対象になり得るとされています。まずは学校に相談してみることをおすすめします。
Q. どのくらいの頻度で通うのですか?
標準的には年間35〜280単位時間程度で、週に1〜8単位時間ほどが目安とされています。学校や自治体によって実際の運用時間は異なります。
Q. 通級の効果はすぐに感じられますか?
すぐに変化を感じられるとは限らず、半年から1年程度の時間軸で様子を見ることが大切だと考えられています。焦らず経過を見守ってください。
Q. 家庭ではどんなサポートができますか?
通級での内容を無理に再現しようとするより、本人から「今日どんなことをしたか」を聞き、できたことを具体的に褒める関わりが効果的です。学校との情報共有も大切にしてください。
まとめ
通級指導教室は、通常の学級に在籍しながら特性に合わせた指導を受けられる制度です。対象や利用方法を正しく理解したうえで、学校との連携を大切にしながら、家庭でもできたことを認める関わりを積み重ねていくことが、通級を上手に活用する鍵になります。教科学習の面でサポートが必要な場合は、オンライン家庭教師の活用も検討してみてください。
この記事の著者
この記事の監修者
伊藤陽香(るか先生)
臨床心理士・公認心理師
臨床心理士(11年目)・公認心理師(第1回国家試験合格)。スクールカウンセラーとして小中高18校で勤務し、発達障害・不登校の児童生徒へのカウンセリングや保護者相談を多数実施しています。精神科病院での心理検査、放課後等デイサービスでの個別療育の経験も持ちます。愛知淑徳大学大学院心理学研究科修了。




