中学受験の志望校の選び方|偏差値だけで決めない学校選びの軸【小5・小6】
※本記事には「まなぶてらす」のサービス紹介が含まれます
学校説明会や文化祭のシーズンになると、「結局、うちの子はどの学校を志望校にすればいいの?」と迷いが深まる——そんな夏を過ごしていませんか。
塾からもらった偏差値表とにらめっこして、上から順に名前を眺めてはため息。偏差値が届く学校のなかから選べばいい、と分かってはいるものの、それだけで6年間通う学校を決めていいのかと不安になる保護者は少なくありません。
文部科学省の学校基本調査によると、全国には約780校の私立中学校があり、公立の中高一貫校を含めれば選択肢はさらに広がります。選べる学校が多いからこそ、「わが子に合う学校とは何か」という軸を先に決めておくことが、後悔しない志望校選びの出発点になります。
本記事では、中学受験の志望校選びで迷う小5・小6の保護者に向けて、偏差値だけに頼らない「学校選びの6つの軸」、偏差値の正しい使い方、夏の学校説明会・文化祭で見るべきポイント、そして親子の希望をすり合わせるコツまでを、順を追って解説します。
志望校選びは何から始める?——偏差値表を開く前に決めること
中学受験の志望校選びは、偏差値表を眺めることからではなく、「わが子に合う学校とはどんな学校か」という判断の軸を言葉にすることから始めます。
学校選びの軸とは、偏差値以外で「この学校を選ぶ・選ばない」を判断するための基準のことです。校風・通学時間・面倒見の手厚さ・進学実績・部活動・共学か別学か——こうした要素のうち、わが家が何を大切にするのかを先に決めておくと、志望校の候補が自然に絞られていきます。
偏差値から入ると、どうしても「上から埋めたくなる」心理が働きます。しかし、実際に6年間通うのは子ども自身です。数字の高さと、その子が生き生きと過ごせるかどうかは、必ずしも一致しません。まずは軸を決め、その軸に合う学校群のなかで偏差値を「絞り込みの道具」として使う——この順番が大切です。
志望校選びでよくある失敗は、「偏差値が届くから」という理由だけで受験校を決めてしまい、入学後に「校風が合わない」「通学が負担」とミスマッチが起きることです。軸を先に、偏差値を後に。この順番を意識するだけで、候補の見え方が変わります。
学校選びの6つの軸とは?——校風・通学・面倒見・進学実績・部活・共学別学
志望校選びの軸は、大きく「校風」「通学時間」「面倒見」「進学実績」「部活動」「共学・別学」の6つに整理できます。すべてを100点にする学校は存在しないため、わが家にとっての優先順位をつけることがポイントです。
- 校風・教育方針:自由でのびのびか、面倒見よく管理してくれるか。宗教教育や探究学習の有無など。子どもの性格に合うかが最も後悔の出やすい部分です。
- 通学時間・アクセス:6年間の通学は体力と時間を使います。ドアtoドアの目安として、片道60〜90分を上限に考える家庭が多いです。乗り換え回数や朝のラッシュも確認します。
- 面倒見(サポート体制):補習・小テスト・自習室・個別フォローがどの程度あるか。塾に頼らず学校で完結させたい家庭ほど重視したい軸です。
- 進学実績(出口):大学合格実績を見るときは「合格者数(延べ)」ではなく「進学者数」「現役進学率」に注目します。どの層の生徒がどう伸びたのかを見ると実態がつかめます。
- 部活動・課外活動:打ち込みたい部活や活動があるか。活動日数・実績・施設なども確認します。子どもの「行きたい理由」になりやすい軸です。
- 共学・別学:共学・男子校・女子校で校風や過ごし方は大きく変わります。子ども本人の希望と、思春期の6年間の環境として何が合うかを考えます。
6つの軸すべてを満たす学校はまずありません。そこで、家庭で「絶対に譲れない軸(1〜2個)」「できれば叶えたい軸」「こだわらない軸」の3段階に分けてみてください。優先順位が決まると、偏差値帯が違う学校でも「わが子に合う候補」が横並びで見えるようになります。
中学受験の偏差値はどう使う?——持ち偏差値とチャレンジ・相応・安全校の組み立て
中学受験の偏差値は「合否を決める点数」ではなく、「合格の可能性を見積もる目安」として使います。軸で絞った候補校を、偏差値で「チャレンジ校・相応校・安全校」に振り分けるのが基本的な使い方です。
持ち偏差値とは、直近の模試で安定して取れている偏差値のことです。1回だけ良かった数字ではなく、複数回の平均に近い「実力の現在地」で考えます。なお、合格可能性80%・50%といった判定に必要な偏差値は模試の主催団体ごとに基準が異なるため、同じ学校でも模試によって偏差値の数字が違う点には注意が必要です。
チャレンジ・相応・安全校の目安
- チャレンジ校:持ち偏差値より少し上(+3〜5前後)。第一志望に多い層です。1〜2校にとどめ、無理に積み上げすぎないようにします。
- 相応校(実力相応):持ち偏差値と同程度(±2前後)。合格可能性が五分〜やや高めの学校で、併願の軸になります。
- 安全校(押さえ):持ち偏差値より下で、合格可能性が高い学校。「必ず進学したいと思える1校」を安全校に置いておくと、入試本番の精神的な支えになります。
安全校を「妥協校」と考えないことが大切です。安全校こそ、6つの軸に合っていて「ここなら通わせたい」と思える学校を選ぶべきです。偏差値が届くだけで軸に合わない学校を押さえにすると、いざというときに進学をためらってしまいます。
持ち偏差値が志望校にまだ届いていない場合でも、あきらめる必要はありません。学年や残り期間によっては十分に伸ばせます。5年生・6年生からのスタートでも合格をつかんだ家庭の進め方は、中学受験は5年生からでも間に合う?大手塾乗り遅れ組のリアル合格パス3選もあわせてご覧ください。
中学受験の学校説明会・文化祭はいつから?見るべきポイント【チェックリスト】
学校説明会やオープンスクールは小学4〜5年生から参加でき、志望校を実際に見て絞り込む絶好の機会です。6年生になると人気校は申込開始と同時に満席になることもあるため、時間に余裕のある5年生のうちから足を運んでおくと選択肢を広げやすくなります。
学校が開くイベントには、主に次のような種類があります。目的が違うので、時期に応じて使い分けます。
- 学校説明会:教育方針・カリキュラム・進学実績・入試概要を学校側が説明する会。学校の「考え方」を知るのに向いています。
- オープンスクール・体験授業:実際の授業や施設を体験できる会。子ども本人の「行きたい」を引き出しやすいイベントです。
- 文化祭・体育祭:在校生の素の様子が最も見える場。学校の「空気」を感じ取るのに最適です。
- 入試説明会:出題傾向・配点・当日の流れなど、受験直前期に必要な情報が中心。6年生の秋以降に参加します。
文化祭・説明会で見るべきポイント
当日は「パンフレットに書いてあること」より、現地でしか分からない空気を五感で確かめる意識で回ると収穫が大きくなります。次のチェックリストを参考にしてください。
- 在校生の表情・あいさつ・言葉づかい(生き生きしているか、来場者に自然に接しているか)
- 生徒同士、生徒と先生の距離感(雰囲気が温かいか、緊張感が強すぎないか)
- 部活動・委員会・展示のクオリティと、生徒が楽しんで取り組んでいるか
- 校舎・トイレ・図書室などの清潔さと設備
- 自宅から学校までの実際の通学ルート・所要時間・朝の混雑
- 保護者向け説明で「進学実績の見せ方」や「面倒見の具体策」に納得できるか
- そして何より、わが子が「ここに通う姿」を自然に想像できるか
行く前に、6つの軸のうち「この学校で確かめたいこと」を2〜3点メモしておきます。帰った後は、その日のうちに親子で「良かった点・気になった点」を書き出しておくと、複数校を回ったときに印象が混ざらず、比較しやすくなります。夏の説明会・文化祭の段取りは、中学受験6年生の親が夏休み前にやる「段取りリスト」も参考になります。
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親の希望と子どもの気持ちが違うときは?——志望校のすり合わせ方
志望校は「親が決めるもの」でも「子どもの好き放題」でもなく、親の現実的な視点と子どもの気持ちをすり合わせて決めるものです。どちらか一方だけで決めると、受験勉強のモチベーションや、入学後の満足度に影響します。
子どもは「文化祭が楽しかった」「制服がかわいい」といった直感で学校を好きになります。その気持ちは軽んじず、「行きたい」という原動力は受験期の最大の燃料として尊重します。一方で、通学時間・費用・安全面・偏差値との距離といった現実的な条件は、親が責任を持って伝える役割です。
意見が食い違ったときは、「ダメ」と結論から入るのではなく、「その学校のどこが好きなのか」を子どもに言葉にしてもらうことから始めてみてください。好きな理由(例:自由な校風、盛んな部活)が分かれば、同じ魅力を持つ通いやすい学校を一緒に探すこともできます。子ども自身が「納得して選んだ」と感じられると、その後の頑張りが続きやすくなります。
志望校が決まったら?——過去問対策と苦手補強をオンライン個別で支える
志望校がある程度固まったら、次は「その学校に合格するための対策」に軸足を移します。具体的には、志望校の出題傾向に合わせた過去問対策と、合否を分けやすい苦手単元の補強です。
塾に通っている場合でも、集団授業では一人ひとりの苦手や、志望校ごとの細かい傾向まで手が回らないことがあります。そこで、家庭での過去問演習の進め方や、特定単元のつまずきを個別に支える手段として、オンライン家庭教師を「塾の補完」として活用する家庭が増えています。塾との併用や、塾なしでの進め方については、塾なしで中学受験は可能?オンライン家庭教師だけで合格した実例と進め方で詳しく解説しています。
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まなぶてらすの中学受験対応の先生を紹介します
実際に中学受験生とその保護者をサポートしてきた、まなぶてらすの中学受験対応の先生を3名ご紹介します。志望校選びの相談から、過去問対策・苦手補強まで幅広く対応しています。

くろまる 先生
大手中学受験専門塾の選抜コース特任講師・講師歴14年。早稲田大学教育学部出身。中学受験の算数・国語・社会に多数の合格実績を持ち、志望校選びの相談や過去問対策にも対応。

はなこ 先生
中学受験・高校受験専門の個別指導、指導歴30年以上。「勉強しているのに結果が出ない」子の学習法の立て直しと、志望校に合わせた夏期講習カリキュラムづくりに強み。
よくある質問
Q. 中学受験の志望校はいつまでに決めればいいですか?
第一志望校は6年生の夏から秋にかけて固め、併願校を含む最終的な出願校は12月〜1月の出願直前に確定させるのが一般的です。ただし、5年生のうちから学校見学を通じて候補を広げておくと、6年生になってから慌てずに絞り込めます。直前期に持ち偏差値と相談しながら微調整することも珍しくありません。
Q. 中学受験の学校説明会はいつから参加すべきですか?
学校説明会やオープンスクールは、小学4〜5年生から参加して構いません。むしろ6年生になると人気校は申込開始と同時に満席になることがあるため、時間に余裕のある5年生のうちに気になる学校を見ておくのがおすすめです。文化祭は申込不要で当日参加できる学校も多いので、低学年のうちから雰囲気を感じておくのも良い方法です。
Q. 偏差値が届いていない学校を志望校にしてもいいですか?
チャレンジ校として第一志望に据えるのは問題ありません。ただし、チャレンジ校ばかりで併願を組むと合格が1つも取れないリスクが高まります。持ち偏差値と同程度の相応校、合格可能性の高い安全校をバランスよく組み合わせ、「必ず進学したいと思える1校」を安全校に必ず入れておくことが大切です。
Q. 文化祭では何を見ればいいですか?
パンフレットには載らない「学校の空気」を確かめるのが文化祭の目的です。在校生の表情やあいさつ、生徒同士・生徒と先生の距離感、部活や展示への打ち込み方などに注目してください。そして最も大切なのは、わが子が「ここに通う姿」を自然に想像できるかどうかです。帰宅後すぐに親子で印象をメモしておくと、複数校を比較しやすくなります。
Q. 志望校が決まったら家庭では何を優先すればいいですか?
志望校の出題傾向に合わせた過去問対策と、合否を分けやすい苦手単元の補強が中心になります。塾に通っていても、志望校ごとの細かい傾向や個々の苦手までは手が回らないことがあるため、オンライン家庭教師などの個別指導を「塾の補完」として使う家庭もあります。まずは苦手科目1つの立て直しから始めると、無理なく成果につながりやすくなります。
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参考文献
- 文部科学省「学校基本調査」 https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm
この記事の著者
まなぶてらす編集部
「まなぶてらす」は、勉強も習い事もひとつの場所で学べるオンライン家庭教師サービスです。一人ひとりの「好き」や「得意」を伸ばし、お子さまの強みを育てることを大切にしています。学びに関する最新情報や、家庭学習に役立つ知識をお届けします。
この記事の監修者
坂本七郎
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。


