中学受験の10月、親がイライラしたら?成績が揺れる時期の声かけと接し方
※本記事には「まなぶてらす」のサービス紹介が含まれます
模試の結果が返ってきた日の夜。成績表を見たとたんに「どうしてこんな点数なの」と口にしてしまい、子どもが黙って部屋に戻っていく。小学6年生の秋には、こうした場面が起こりやすくなります。言ったあとで、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
塾選ジャーナルが中学受験を経験した保護者100名に行った調査(2025年9月)では、68%が「ストレスを感じたことがある」と答え、ピークは小学6年生の2学期でした。原因の1位は「子どもの成績や合否への不安」(43%)です。この時期に気持ちが張りつめるのは、多くの保護者に共通しているといえます。
この記事では、小6の10月に親がイライラしやすい理由、場面ごとの声かけ、成績が下がったときの最初の一歩、そして保護者自身の気持ちの整え方を順に整理します。
なぜ小6の10月は、中学受験の親がイライラしやすい?
10月は、結果が数字で返ってくる出来事が一度に重なる時期だからです。親の焦りは、子どもの努力が足りないからではなく、判断する材料が急に増えることから生まれます。
| 10月に重なること | 親が感じやすいこと |
|---|---|
| 秋の模試の結果が続けて返ってくる | 判定や偏差値の上下に、気持ちが振り回される |
| 過去問の演習が本格的になる | 合格最低点との差が、はっきり数字で見える |
| 受験校を具体的に決める時期が近づく | 「このままで間に合うのか」という不安が強くなる |
2月入試なら本番までまだ3か月以上、1月入試の地域でも2か月以上あります。それでも数字を見るたびに「もう時間がない」と感じてしまうのが、この時期の難しさです。まずは、イライラの原因が子どもの態度だけにあるのではないと知っておくと、少し距離をとって考えられるようになります。
イライラしやすい3つの場面と、その日の声かけは?
場面ごとに「最初のひと言」を決めておくと、感情のままに話さずに済みます。ポイントは、結果の評価から入らず、事実の確認から入ることです。
| 場面 | 言ってしまいがちな言葉 | 置きかえる言葉 |
|---|---|---|
| 模試の結果が返ってきた日 | 「どうしてこんな点数なの」 | 「受けてみて、どうだった?」 |
| 過去問が合格最低点に届かなかった日 | 「これじゃ受からないよ」 | 「あと何点だった?どの問題なら取れそう?」 |
| 勉強中にだらだらしている日 | 「やる気あるの?」 | 「今日はどこまでやる予定だった?」 |
模試の結果が返ってきた日
成績表を見る前に、まず本人の感想を聞いてみてください。手ごたえと結果が合っていたのか、ずれていたのかを本人が話すだけで、次に何をすればよいかが見えてきます。点数や判定についての親の感想は、翌日まで持ち越してもかまいません。
過去問が合格最低点に届かなかった日
過去問を解き始めたばかりの時期は、合格最低点に届かないことがあります。その学校の出題の形にまだ慣れていないことも、理由の一つです。合計点はいったん横に置き、「あと何点か」と「どの問題なら取れたか」の2点を見ます。
勉強中にだらだらしている日
疲れがたまる時期でもあります。やる気を問いただすよりも、その日の予定を確かめ、量を半分に減らしてでも終わらせるほうが、翌日につながります。受験期の声かけで避けたい言葉については、受験生の親の関わり方をまとめたコラムでも取り上げています。
成績が下がったとき、親が最初にすることは?
1回の結果で判断しないことです。最初に見るのは偏差値や判定ではなく、分野ごとの出来にします。
模試は回によって出題の範囲も受ける人の顔ぶれも変わるため、成績は上下します。1回下がったからといって、実力が落ちたとは限りません。成績表の分野別の欄を開き、前回と比べて下がった分野が1つなのか、全体なのかを確かめます。
・下がった分野が1つか2つ:その単元の解き直しを優先する
・全体が下がっている:睡眠や体調、勉強の量が増えすぎていないかを先に確かめる
・時間切れが多い:解く順番と、飛ばす問題の決め方を見直す
解き直しの具体的な進め方は、過去問の点数が伸びないときの原因と解き直しの方法にまとめています。成績表のどこを見ればよいか迷う場合は、全国統一小学生テストの記事にある、領域別成績の読み方も参考になります。
志望校を変えるかどうかは、この段階ではまだ決めなくてかまいません。1回の判定で動かすと、子どもが「信じてもらえていない」と受け取ることがあります。受験校の組み方を考え直したいときは、偏差値だけで決めない志望校の選び方を、塾の先生との面談の前に読んでおくと話が整理しやすくなります。
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親自身の気持ちを落ち着かせるには?
イライラしたときにすることを、あらかじめ3つ決めておきます。気持ちの出し先を先につくっておくと、無理なく続けられます。
子どもに言いたくなったことを、そのまま紙やスマートフォンのメモに書きます。書いたものを翌朝に読み返すと、伝える必要があることと、ただの不安だったことが分かれてきます。
成績や志望校の話は「日曜の夕食後に15分だけ」のように、曜日と時間を決めます。それ以外の時間は成績の話をしないと決めると、親も子も気持ちを休められます。
塾の先生、配偶者、同じ学年の保護者など、不安をそのまま話せる相手を1人決めておきます。答えをもらえなくても、話すだけで気持ちが整理されることがあります。
感情的に言ってしまったあとは、そのままにせず、落ち着いてからひと言伝えます。「さっきは言いすぎた。心配で言ってしまった」と理由を添えれば十分です。眠れない日が続く、食欲が落ちるなど、保護者自身の体調に影響が出ているときは、かかりつけの医療機関や自治体の相談窓口に相談してください。
声かけを減らして、仕組みで支えるには?
親が毎日声をかけなくても回る形を、1つずつつくります。親の役割を「教える人」から「環境を整える人」に寄せていくと、親子の衝突を減らしやすくなります。
| 親が抱えがちなこと | 仕組みへの置きかえ方 |
|---|---|
| 毎日「勉強しなさい」と言う | 1週間の予定表を子どもと一緒に作り、見える場所に貼る |
| 間違えた問題を親が教える | 塾の先生や家庭教師に質問する問題として、印をつけておく |
| 家族で言うことが違う | 成績の話をする担当と、生活面を支える担当を分ける |
とくに「親が教える」場面は、衝突が起きやすいところです。親は答えを知っているぶん、できないことに目が向きやすくなります。解説は第三者に任せ、親は食事と睡眠、当日の持ち物といった生活面を担当する、と線を引いてしまうのも一つの考え方です。
夫婦で方針が分かれているときは、子どもの前で話し合わず、2人だけの時間に「受験校をいつまでに決めるか」だけを先にそろえます。すべてを一致させようとすると、話し合いが長引いてしまいます。
中学受験の指導で、子どもの気持ちにも目を配るまなぶてらすの先生
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中学受験の指導経験があり、子どもの気持ちにも目を配っている先生を紹介します。

たみ 先生
国語と数学が専門で、15年ほど教える仕事を続けている先生。国語・数学(中学受験・高校受験の指導実績あり)。読解と記述の指導に力を入れており、過去問の添削やスポットのレッスンにも対応しています。

すだ 先生
算数・数学を日本語と英語の両方で指導できる先生。算数・数学(中学受験・高校受験)。早稲田大学理工学部卒。希望の教材にそって指導し、帰国枠の受験にも対応しています。
先生との相性は、プロフィールだけでは分からない部分もあります。まずは1回話してみて、お子さんが質問しやすいかどうかを確かめてから、続けるかどうかを決めてください。
よくある質問
Q. 子どもが成績表を見せたがらないときは、どうすればいいですか?
無理に取り上げず、「分野ごとの出来だけ一緒に確かめよう」と、見る目的を先に伝えます。結果を責められないと分かると、見せやすくなることがあります。塾から保護者あてに結果が届く場合は、先に見たことを隠さずに伝えてください。
Q. 模試の成績が下がりました。志望校は下げたほうがいいですか?
1回の結果だけで決める必要はありません。模試は回によって出題の範囲も受ける人も変わるため、成績は上下します。まず分野ごとの出来を確かめ、数回分の結果と過去問の点数を合わせて、塾の先生と相談して判断します。
Q. 10月から家庭教師を加えるのは遅いですか?
目的をしぼれば、この時期からでも活用できます。全範囲をやり直すのではなく、過去問で落としている単元や、解き直しで分からなかった問題にしぼって見てもらう使い方が向いています。塾の宿題との両立が難しくならないよう、回数は少なめから始めてください。
Q. 父親と母親で受験への考え方が違います。どうすればいいですか?
子どもの前では話し合わず、2人だけの時間に「受験校をいつまでに決めるか」だけを先にそろえます。成績の話をする担当と、食事や睡眠など生活面を支える担当を分けると、子どもが2人から別々のことを言われる場面が減ります。
Q. 親が勉強を教えると、けんかになってしまいます。
解説は塾の先生や家庭教師などの第三者に任せ、親は質問したい問題に印をつけておく役に回る方法があります。親は答えを知っているぶん、できない部分に目が向きやすいため、教える役を手放すと衝突が減りやすくなります。
まとめ
小6の10月は、模試・過去問・受験校の検討が重なり、親がイライラしやすい条件がそろう時期です。イライラそのものをなくそうとせず、場面ごとの「最初のひと言」を決めておくこと、成績が下がったら分野ごとの出来から見ることが、その日の衝突を減らす助けになります。
保護者自身の気持ちは、書き出す、成績の話をする時間を決める、相談相手を1人つくる、の3つで外に出していきます。教える役を第三者に任せ、親は生活面を支えるという分担も試してみてください。不安が大きいときは、塾の先生との面談を早めに申し込み、家庭だけで抱えこまないようにしましょう。
参考文献
この記事の著者
まなぶてらす編集部
「まなぶてらす」は、勉強も習い事もひとつの場所で学べるオンライン家庭教師サービスです。一人ひとりの「好き」や「得意」を伸ばし、お子さまの強みを育てることを大切にしています。学びに関する最新情報や、家庭学習に役立つ知識をお届けします。
この記事の監修者
坂本七郎
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。


