「学びは本来、楽しいもの」研究開発職から先生へ。理科を「なんで?」でつなぐ教え方|はちこ先生インタビュー
※本記事には「まなぶてらす」のサービス紹介が含まれます
理科のテスト直しをしていると、用語の欄は埋まっているのに、計算や記述の欄だけが空いている。時間をかけて覚えたはずの内容が、次のテストでは抜けている。そのうちに、理科どころか机に向かうこと自体を嫌がるようになってきた。そんな様子に、どう声をかければよいか迷うご家庭は少なくありません。
まなぶてらすで理科と算数・数学を教えるはちこ先生は、大学院で生物学を学び、企業の研究開発職を10年務めたあとに、子どもに教える仕事へ移った先生です。現在は年長のお子さんから中学3年生までを指導しています。暗記に頼らない理科の教え方、中学受験の理科との付き合い方、そして勉強を嫌がる子への関わり方について、お話を伺いました。

はちこ先生
企業の研究開発職を10年経験。中学受験の理科(「予習シリーズ」対応・塾なし受験のサポート)と、小中学生の理科・算数/数学を指導。大学院では生物学を専攻。チャイルドコーチングマイスター、モンテッソーリトレーナーの資格を持ち、できたことを認める関わり方を大切にしている。月曜・金曜は午前中のレッスンにも対応。
研究開発の仕事を離れて、子どもに教える仕事へ
はちこ先生は工業高等専門学校を卒業後、国立大学の工学部に編入して化学を学び、大学院では生物学を専攻しました。修了後は企業で研究開発職に就き、10年間勤めています。その仕事を離れた理由を、次のように振り返っています。
はちこ先生
研究開発を辞めたのは、会社員が合わなかったからです(笑)。いいものをつくりたいという思いが強かったのですが、企業は営利を求める場所なので……。自分の時間は別のことに使いたいと思って辞めました。
退職後、はちこ先生はお子さんと過ごす時間の中で、あることに気づきます。それが、教える仕事を始めるきっかけになりました。
はちこ先生
会社を辞めたあと、当時5歳だった自分の子どもと実験をして遊ぶようになりました。いつも目をきらきらさせている様子を見ていて、「子どもって学ぶことが本当に好きなんだな」と改めて感じました。学校でする勉強以外にも学びはたくさんあって、どんな学びも等しく大切だと伝えられたらいいなと思い、実験教室を始めることにしました。
この教室(STEAM教室)では、テストの点数には表れにくい力(非認知能力)を伸ばすことに力を入れていたそうです。そのうえで「知識を伝えることも必要だ」と考え、家庭教師を始めました。教える場所を探す中で出会ったのが、まなぶてらすです。
はちこ先生
「勉強×習い事」という考え方が、自分の考えと一致していたのでまなぶてらすを選びました。教育理念の一致ですね。
学校の勉強も、それ以外の学びも、どちらも大切にしたい。はちこ先生がまなぶてらすを選んだ理由は、ここにあります。
暗記で乗り切ると、すぐ忘れる。「なんで?」でつなぐ理科
研究開発職の10年間は、理科の教え方にどう生きているのでしょうか。はちこ先生が挙げたのは、物事を深くとらえるという姿勢でした。
はちこ先生
教科書に書いてあることを、テストのために暗記で乗り切れば楽ですけど、たぶんすぐに忘れますよね。そこを「なんで?」と思ってもっと深く知ろうとすれば、知識は定着するし、勉強も楽しくなると思います。
レッスンでは、この「なんで?」をお子さんへの問いかけとして使います。たとえば物理が好きなお子さんには、こんな質問を投げかけたことがあるそうです。
はちこ先生
「植物は筋肉がないのに、どうして水を吸い上げることができるのか、考えたことはある?」と聞いたことがあります。生物と物理は教科書ではつながっていないけれど、現実では切り離せません。つなげていくことで視野が広がり、新しい発想やひらめきがわいてきます。
教科書では別々の章に分かれている内容も、実際の現象の中ではひとつにつながっています。好きな分野を入り口にして、ほかの分野へつなげていく。すでに知っていることどうしを結びつける教え方です。
成績が上がったのに、元に戻った。ある中学生から学んだこと
はちこ先生のプロフィールには、家庭教師をしていた頃の気づきが紹介されています。勉強ができない子は、勉強が苦手なのではなく、嫌いになっているのではないか。そう考えるようになったきっかけは、成績が伸び悩んでいたある中学生との出会いでした。
その生徒さんは、保護者とテストの順位が上がったらご褒美をもらう約束をし、実際に順位を上げてご褒美を手にしました。ところが、次のテストでは元の順位に戻ってしまいます。本人に話を聞くと、勉強はつまらないからやりたくない、進学先ももう決めている、という答えでした。
はちこ先生
私が指導している限り、その子は決して学力が低いわけではなく、平均程度の力はあると感じていました。それなのに、なかなか成績が伸びない。そこで、勉強が苦手というよりも、勉強すること自体が嫌いになってしまっているのではないかと考えるようになりました。
その生徒さんは、身近な人から否定的な言葉をかけられることが続いていたそうです。はちこ先生は、それが「自分にはできない」という思い込みや、学ぶ意欲の低下につながっていたのかもしれないと振り返ります。最終的に、生徒さんは自分で決めていた高校へ進学しました。
この経験は、はちこ先生の教え方を変えました。
はちこ先生
子どものできていないことばかりを指摘するのではなく、できたことを認めることを大切にするようになりました。また、無理に勉強させるのではなく、まずは「わかった!」「できた!」という経験を積み重ね、自信につなげていくことを意識しています。
ご褒美で一時的に順位が上がっても、勉強への気持ちが変わらなければ元に戻ってしまいます。はちこ先生がまず積み重ねようとしているのは、「わかった」「できた」という経験です。
理科でつまずきやすいのは「イメージできない」単元
理科の中でも、お子さんがつまずきやすい単元はどこでしょうか。中学受験の理科を例に聞きました。
はちこ先生
計算では、中和の計算問題が苦手な子が多いです。あとは回路ですね。頭の中でイメージができないものは、みんな苦手です。てこや浮力は、意外とすぐできるようになります。
水溶液の性質が変わる様子も、電気の流れも、紙の上だけでは思い浮かべにくい内容です。はちこ先生は、実物を見ないまま勉強を進めていることが、こうした単元でつまずく理由だと見ています。一方で、覚える分野にも、苦手にされやすい単元があります。
はちこ先生
一番嫌われている単元は植物だと思います(笑)。暗記しなければいけないことが多すぎて、みんなため息をついたり、苦笑いしたりしています。
計算と暗記はまったく違うつまずきに見えますが、はちこ先生は原因は同じだと見ています。
はちこ先生
暗記も計算も、情報の整理ができていないことが解けない理由です。点で理解することはできるけれど、それを結びつけることはできない。なので、ノートの作り方から指導することもあります。
ひとつひとつの知識は持っているのに、それが線でつながっていない。先に紹介した「なんで?」の問いかけも、ノートの作り方の指導も、点と点を結ぶための手立てといえそうです。
イメージしにくい単元については、オンラインならではの工夫もあります。
はちこ先生
小道具を使って解説することも多いです。イメージができないことが最大の課題なので、できそうな実験は見せるようにしています。中和の単元では、リトマス紙やBTB溶液、フェノールフタレイン溶液を常備しています。
対面の家庭教師と比べて、オンラインのほうがこうした実演はしやすいそうです。見せられる単元では実物を見せて、イメージの手がかりをつくっています。
満点ではなく合格点を。受験理科の「割り切り」
中学受験の理科について、はちこ先生の考えははっきりしています。目標は、理科で満点を取ることではありません。
はちこ先生
受験の目標は合格点を取ることで、満点を取ることではありません。なので、希望する偏差値に合わせて、割り切って指導しています。
背景にあるのは、入試での理科の位置づけです。はちこ先生によると、算数に比べて理科の配点が小さい学校が多く、受験の主軸はあくまで算数と国語にあります。理科に時間をかけすぎて、算数の理解が後回しになることは避けたい、という考えです。
4・5年生:進度に合わせて、問題を解きながら進める
はちこ先生のもとで定期的に受講しているお子さんは、塾には通わず、テストだけを受けているご家庭がほとんどだそうです。教材は四谷大塚の「予習シリーズ」の演習問題集で、1週間に1単元が基本のペースです。4・5年生は塾のカリキュラムの進度に合わせて進めます。
はちこ先生
テキストは使わずにポイントだけを解説して、実際に演習問題集を解きながら進めます。必要であれば、オリジナルのスライドも解説に使います。5年生までは、基本問題までを一緒に解くことが多いです。
以前の単元にさかのぼって教え直すことは、5年生まではほとんどないといいます。すべてを完璧にしてから次へ進むより、志望校に必要な水準を見て先へ進むことを優先します。ご家庭でペースを決めたい場合は、その意向に沿って進めることもあるそうです。塾に通わない中学受験の全体像については、塾なし中学受験の進め方をまとめた記事で詳しく紹介しています。
6年生:点数を「下げない」ことに集中する
6年生になると、方針が変わります。
はちこ先生
6年生は、点数を「下げない」ということを意識して、苦手単元をなくすことに力を入れています。苦手をなくして、フラットな状態にしたいですね。志望校の過去問をチェックして、それに合わせた問題をひたすら解いていきます。
理科で大きく伸ばすことより、理科で点数を落とさない状態をつくる。そのうえで、受験生のご家庭に向けて、はちこ先生が強く願っていることがあります。
はちこ先生
睡眠時間の確保だけは徹底してほしいと思います。最悪、理科の勉強は飛ばしていいから、しっかり寝てほしいです(笑)。
理科の先生が、理科の勉強より睡眠を先に挙げる。そこに、はちこ先生の優先順位が表れています。成績が揺れやすい6年生の秋の過ごし方は、10月の声かけと接し方をまとめた記事も参考になります。
やる気がゼロのとき、家庭でできること
理科が伸び悩んでいるとき、保護者がついやってしまいがちなことは何でしょうか。
はちこ先生
やる気がゼロの状態なのに、無理やり勉強させようとすることでしょうか。無理やり勉強しても効果がないので、焦らず、親子の関係を大切にしてほしいなと思います。
代わりに必要なものとして、はちこ先生は共感と理解を挙げます。
はちこ先生
中学受験の理科は、中学校で数か月かけて習うようなことを、1週間で覚えなくてはいけないわけです。ゼロからひたすら積み上げる。相当しんどいと思います。少しでも子どもの気持ちが和らぐように、共感と理解が必要ではないかと思います。
「勉強しなさい」と言う前に、いま取り組んでいる内容がどれだけ大変かを知る。大変さを分かってくれる人がいることが、お子さんの気持ちを少し和らげる。はちこ先生はそう考えています。
はちこ先生のレッスンが向いているご家庭
はちこ先生のプロフィールの案内をもとに、レッスンが合いそうなご家庭を整理しました。ご家庭の状況に近いものがあれば、相談の入り口になります。
中学受験の理科を、暗記に頼らず理解したい
中堅校から難関校までの対策に対応。「予習シリーズ」に沿った指導のほか、ほかの塾教材にも対応しています(教材はご家庭で用意)。
塾に通わずに受験をめざしている/集団塾のペースが合わない
塾なしでの中学受験・高校受験の理科のサポートや、集団塾のフォローを行っています。
学校の理科・算数・数学を自分のペースで進めたい
小中学校の理科と算数・数学について、学校のフォロー、中学内容の先取り、定期テスト対策に対応しています。
学校に通えない時期の学習が心配
不登校のお子さん向けに、理系科目を中心とした学習支援を行っています。月曜・金曜は午前中のレッスンにも対応しています。
受験対策でも、学校の勉強でも、「わかった」「できた」という経験を積み重ねることを、はちこ先生は大切にしています。
はちこ先生に相談してみませんか
2026年10月の確認時点では、月曜・金曜の午前中に空きがあります。夕方から夜の時間帯は、2027年2月から3月ごろに募集予定です。学年や使っている教材、いまの様子を、プロフィールページからお伝えください
※ しつこい勧誘は一切ありません。まずは気軽にお試しください。
はちこ先生へのよくある質問
Q. 何年生から受講できますか?
プロフィール上の対象は小学生から中学生までです。はちこ先生によると、現在は年長のお子さんから中学3年生までを指導しているとのことです。未就学のお子さんの受講を希望される場合は、事前にお問い合わせください。
Q. 「予習シリーズ」以外の教材でも見てもらえますか?
対応しています。塾の教材は先生の側では入手できないため、ご家庭で用意していただく形になります。
Q. 算数も教えてもらえますか?
小学校の算数と中学校の数学に対応しています。中学受験の算数と、高校数学は対象外です。
Q. いま予約できる時間帯はありますか?
2026年10月の確認時点では、夕方から夜の時間帯は空きがなく、月曜と金曜の午前中に空きがあります。夕方から夜の枠は、2027年2月から3月ごろに新しく募集する予定とのことです。午前中のレッスンは、不登校のお子さんの学習支援にも対応しています。朝の時間帯の使い方は、朝のオンライン枠を生活リズムづくりに生かす方法の記事で紹介しています。
Q. 体験レッスンはどのような流れですか?
初回は無料で、ヒアリング15分と体験レッスン35分の計50分です。会員登録(無料)のあと、プロフィールページの「講師へのお問い合わせ」から、学年・希望科目・通塾の有無などを伝えて申し込みます。予約は24時間前までに必要です。
まとめ:比べるのは、周りの子ではなく過去のその子
最後に、読者の保護者の方へのメッセージをお願いしました。
はちこ先生
現在、年長さんから中3まで、幅広い子の指導をしています。その子たちを見ていて感じるのは、脳の発達は人それぞれということです。勉強はつい周りの子と比較してしまいますが、私はお子さまの過去と比べて、できるようになったことをほめてあげるようにしています。
はちこ先生
本来、学びは楽しいものです。年齢にこだわらず、その子に合わせた学習を提供いたします。
「なんで?」と問いかけて知識をつなぎ、満点よりも必要な点数を見て割り切り、やる気がないときは無理にさせず大変さを分かろうとする。はちこ先生の話に共通していたのは、お子さんが学ぶことを嫌いにならないように、という一点でした。
理科の点数が気になるときほど、まずは昨日より分かるようになったことをひとつ、言葉にして伝えてみてください。
この記事の著者
取材協力
はちこ先生
まなぶてらす講師・中学受験の理科/小中学生の理科・算数・数学
工業高等専門学校を卒業後、国立大学工学部へ編入。大学院(修士)で生物学を専攻し、企業の研究開発職を10年務める。退職後は個別指導塾とSTEAM教室の運営・指導を行い、2023年よりまなぶてらす講師。チャイルドコーチングマイスター、モンテッソーリトレーナー。