【中学受験】36×11が暗算で解ける!「ずらし書き」で11のかけ算を一瞬で【計算スピードアップ術 第6回】
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こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。
前回の第5回「おやつ式計算」は、少しヘビーな内容だったかもしれません。お疲れさまでした。今回は少し肩の力を抜いて、シンプルで気持ちのいいテクニックをご紹介します。
36 × 11=? 234 × 11=?——筆算をしなくても、答えがすぐに浮かびますか?
「11」がついたかけ算は、中学受験の算数や日常の計算でもよく登場します。普通に筆算で解くこともできますが、「ずらし書き」という工夫を知っていると、もっとシンプルに、暗算でも解けてしまうんです。
この記事は、全15回連載 「計算が2倍速くなる!中学受験のための計算スピードアップ術」 の第6回。今回は、「11とのかけ算」を暗算で解ける『ずらし書き』テクニックをご紹介します。仕組みは超シンプル。それでいて奥深い、気持ちよく解ける工夫です。
「ずらし書き」テクニックを学ぶ4つのメリット
- 計算の引き出しが増える——「11×□」専用のシンプルな解法が手に入る
- 計算を通して賢くなる——筆算の仕組みを「ずらし+足し算」として捉え直せる
- 計算の奥深さに気づける——「なぜこれで答えになるのか?」の発見がある
- 計算が面白くなる——たった2行の足し算で2桁・3桁のかけ算が解ける快感
なぜ「ずらし書き」で11のかけ算が暗算できるのか?
結論:「11」を「10 + 1」と分けて考えると、もとの数を「1つずらして書いて足す」だけで答えが出るからです。
「11」という数は、よく見ると 10 + 1 です。だから、たとえば 36 × 11 の計算は、こう分けて考えられます。
36 × 11 = 36 ×(10 + 1)
= 36 × 10 + 36 × 1
= 360 + 36
= 396
「36 × 10」は、36 を1つ左にずらすだけ(=360)。「36 × 1」は、36 そのまま。
この2つを足せば、答えが出ます。これを筆算で書くと、自然に「ずらして足す」形になるんです。
基本3ステップ:「ずらし書き」のやり方
結論:①もとの数を書く ②もう一度書いて1つ左にずらす ③上下を足す——たった3つの動きだけです。
かけられる数(例:36)をそのまま書きます。
同じ数(36)を下にもう一度書きますが、1つ左にずらします。これが「36 × 10」をしているのと同じ意味になります。
2行をそのまま縦に足し算するだけ。これが11のかけ算の答えです。
実際の見え方は次のとおり:
3 6 3 6 ----- 3 9 6
→ 11 × 36 = 396
慣れてくると、紙に書かなくても 頭の中だけ でこの「ずらして足す」操作ができるようになります。
3桁の数にも応用できる!
結論:考え方は同じ。「もとの数を1つずらして足す」だけで、3桁、4桁、何桁でも解けます。
2桁だけでなく、3桁の数 × 11 も同じやり方で計算できます。たとえば 234 × 11:
2 3 4 2 3 4 ------- 2 5 7 4
→ 11 × 234 = 2,574
「もとの数を1つずらして足すだけ」——このシンプルなルールは、何桁になっても変わりません。仕組みがどこまでも応用できる。これが「ずらし書き」の奥深さです。
【練習問題】親子で挑戦!「ずらし書き」10問
ここまでの内容を定着させるため、実際に解いてみましょう。筆算なし・できるだけ暗算で計算しましょう。目標は1問10秒以内です。
練習問題(目標:1問10秒以内)
- 21 × 11 = ?
- 35 × 11 = ?
- 53 × 11 = ?
- 63 × 11 = ?
- 38 × 11 = ?(繰り上がりあり)
- 47 × 11 = ?(繰り上がりあり)
- 75 × 11 = ?(繰り上がりあり)
- 89 × 11 = ?(繰り上がりあり)
- 111 × 11 = ?(3桁)
- 123 × 11 = ?(3桁)
解答と解説
- 21 × 11 → 2,(2+1),1 = 231
- 35 × 11 → 3,(3+5),5 = 385
- 53 × 11 → 5,(5+3),3 = 583
- 63 × 11 → 6,(6+3),3 = 693
- 38 × 11 → 3,(3+8=11→繰り上げ),8 → 4,1,8 = 418
- 47 × 11 → 4,(4+7=11→繰り上げ),7 → 5,1,7 = 517
- 75 × 11 → 7,(7+5=12→繰り上げ),5 → 8,2,5 = 825
- 89 × 11 → 8,(8+9=17→繰り上げ),9 → 9,7,9 = 979
- 111 × 11 → 1,(1+1),(1+1),1 = 1,221
- 123 × 11 → 1,(1+2),(2+3),3 = 1,353
すべて10秒以内で解けたお子さまは、「ずらし書き」を 頭の中でスムーズに動かせる状態になっています。「11が出てきたら、両端そのまま・真ん中は足し算」——この合言葉を反射的に思い出せるよう、繰り返し練習していきましょう。
シリーズ「計算スピードアップ術」全15回のご案内
この記事は、まなぶてらすが中学受験生の保護者向けにお届けする、全15回の賢くなる計算テクニック連載の第6回です。今後も、平日1日1本ずつ「思考の引き出し」を増やすテクニックをお届けしていきます。
シリーズ全15回・予定ラインナップ
- 第0回:計算テクニックの真髄とは?「賢くなる計算力」を育てる15回シリーズ
- 第1回:一の位が5×偶数は一瞬で解ける
- 第2回:一の位が5×奇数は「引き算に変えて」ラクにする
- 第3回:35×35が3秒!「一の位が5の2乗」テクニック
- 第4回:35×36、25×27もOK!「5の2乗」の応用範囲を広げる
- 第5回:18×18、23×23の2乗を暗算で!「おやつ式計算」
- 第6回:36×11が暗算で解ける!「ずらし書き」テクニック(今ここ)
- 第7回:12〜19どうしのかけ算は「インド式」で暗算
- 第8回:11〜19の2乗は暗記で即答
- 第9回:約分・倍分は3秒でラクになる
- 第10回:約数の見つけ方①(2・3・5・9の判定法)
- 第11回:約数の見つけ方②(難しい約分のヒント)
- 第12回:繰り上がりのある「たし算」テクニック
- 第13回:繰り下がりが消える「おつり計算法」
- 第14回:”引かない”引き算(たし算で答えを出す)
- 第15回:大きな数を「ざっくり引いて」速く解く
よくある質問(FAQ)
Q1. 「ずらし書き」は2桁 × 11 だけしか使えませんか?
A. いいえ、3桁、4桁、何桁の数 × 11 でも使えます。仕組みは同じで「もとの数を1つずらして足す」だけ。本記事では3桁の例(234 × 11)も紹介しています。何桁になっても応用できるのが、このテクニックの魅力です。
Q2. 11以外の数(12、13など)にも使えますか?
A. 13には別の工夫が必要ですが、12でしたら、この「ずらし書き」を応用して比較的カンタンに計算できます。たとえば 82 × 12 を解きたいときは、12 = 11 + 1 と分けて考えます。
82 × 12 の解き方
① まず 82 × 11 を「ずらし書き」で計算 → 902
② そこに 82 をもう1回足す → 902 + 82 = 984
つまり 「82 × 12 = 82 × 11 + 82 = 984」。「11」のテクニックを使ったあと、もとの数を1回足すだけ。慣れると ×12 もスッキリ暗算できます。13以上のかけ算には、本シリーズの第7回でご紹介する 「インド式計算法」 の方が向いています。
Q3. 繰り上がりが出ると混乱します。コツはありますか?
A. 慣れるまでは、紙に ずらし書きの筆算を書いてみるのがおすすめです。「3 + 8 = 11」と書いた瞬間に「あ、繰り上げる必要がある」と目で見てわかります。暗算に移行するのは、繰り上げの動きが体に染み込んでからで構いません。速さよりも、まず正確さです。
Q4. このテクニックを使うと、どのくらい計算が速くなりますか?
A. 正直に申し上げると、慣れないうちは 筆算と比べてそこまで大きくスピードは変わりません。1問あたり数秒の違いです。
ただ、このテクニックの本当の価値は 「速さ」ではなく「数の見方が変わること」。「11は10+1」という分解の発想は、ほかのかけ算(21×□、101×□ など)にも応用できます。計算が単なる作業から、工夫を楽しむパズルへと変わっていきます。
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次回予告
第7回:12〜19どうしのかけ算は「インド式」で暗算
「11のかけ算」が暗算で解けるようになると、次に気になるのは 「12 × 13」「16 × 17」 といった10台どうしのかけ算ですよね。次回は、インドで広く教えられている 「インド式計算法」 をご紹介します。たった2ステップで、12〜19までのかけ算が暗算できるようになる、まさに引き出しが一気に増える回です。次回もお楽しみに。
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この記事の著者
坂本七郎
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。
▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)
・でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
・中学受験は2科目だけ勉強すればいい(ナツメ社)
