【中学受験】計算テクニックの真髄とは?AI時代に育てたい「賢くなる計算力」【計算スピードアップ術 第0回】
こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。
パソコンの操作を思い出してみてください。
文字をコピーして貼り付けるとき、マウスで右クリック → コピー → 右クリック → 貼り付け。これでも、もちろんできます。でも、「Ctrl + C」「Ctrl + V」 のショートカットを知っている人は、同じ作業を半分以下の時間でこなしてしまう。
キッチンの汚れも同じです。力いっぱいスポンジでゴシゴシこする——それでも汚れは落ちます。でも、重曹をふりかけて少し置く、つけ置きする、油汚れには中性洗剤、水あかにはクエン酸……コツを知っている人は、ほとんど力を使わずに、もっと早く、もっとキレイに落とせる。
この記事を読むとわかること
- なぜ、ただ「早く正確に」だけの計算では足りないのか
- AI時代に求められる「思考の多様な引き出し」とは何か
- 計算というシンプルな素材で、なぜ「賢くなれる」のか
- 「賢くなる計算テクニック」全14回シリーズの全体像
「できる」と「賢くできる」を分けるもの
結論:同じ目的を達成するのに、どれだけ多くの「やり方」を持っているかで、結果も時間も大きく変わります。
計算問題を解くという行為も、これとまったく同じ構造です。
たとえば 25 × 12 という計算。一つひとつ筆算で「ゴリゴリ」と解くこともできます。それでも答えは正しく出ます。でも、「25 × 4 = 100 を使えば、25 × 12 = 100 × 3 = 300」と知っている子は、3秒で答えにたどり着ける。
あるいは 35 × 35。普通に筆算すれば20〜40秒。でも、「3 × 4 = 12、末尾に25をくっつけて 1225」と知っている子は、たった3秒。
これからの時代、本当に大切なのは「引き出しの多さ」
結論:AIがほとんどの作業を代替する時代に必要なのは、物事を多角的に捉える「思考の引き出し」です。
AIが発達し、プロンプトを出すだけでさまざまな出力が得られるようになりました。文章を書く、絵を描く、コードを書く——かつて「クリエイティブな仕事」と呼ばれていた領域さえ、AIが代替しはじめています。
そんな時代、これからの子どもたちに必要な力は何でしょうか?
答えは、自分の中に「多様な引き出し」を持ち、物事を多角的な視点から捉える力です。一つの正解にこだわらず、状況に応じて使う道具を切り替えられる柔軟さ。それが、AI時代を生き抜くための最重要スキルになります。
そしてこの力は、ある日突然身につくものではありません。日々の小さな積み重ねの中で、少しずつ育てていく必要があるのです。
なぜ「計算」を素材に選ぶのか?
結論:計算は、誰もが学んできた身近な題材で、しかも「工夫の余地」が驚くほど大きいからです。
本シリーズで「計算テクニック」を取り上げるのは、単に中学受験に役立つから——だけではありません。
- 誰でも理解できる:四則計算は小学生から大人まで、共通の素材
- すぐに効果が見える:3秒で答えが出る、という体験は子どもの感動を呼ぶ
- 応用範囲が広い:一つのワザを、さまざまな場面に応用できる発想を学べる
- 思考の柔軟性が育つ:「ほかにもやり方はないかな?」と自然に問えるようになる
シンプルな「計算」だからこそ、テクニックを学ぶ過程で得られる気づきがそのまま思考力の土台になります。中学受験の算数で点数を稼ぐためだけでなく、将来どんな場面でも役立つ「考え方の引き出し」を増やす——それが、このシリーズの本当の目的です。
「賢くなる計算テクニック」とは何か
結論:単に速く解くためのワザではなく、「数の仕組みを多角的に捉える力」を育てるための入り口です。
一般的な「速算術」は、たいてい「時短のためのコツ」として紹介されます。それも大事ですが、本シリーズが目指すのは、もう一歩深いところです。
「賢くなる計算テクニック」が育てる3つの力
① 計算スピード──テスト本番で「思考に使う時間」を生み出す
② 数の感覚──「なぜ同じ答えになるのか?」を考える数感覚
③ 思考の柔軟性──式を組み替える発想が、文章題・図形問題の解法発想にもつながる
たとえば「25 × 12 = 100 × 3 = 300」というテクニックは、「計算しやすい “100” を作るために、25 と 4 を組み合わせる」という数の性質を使っています。この発想に気づき、応用できるようになると、子どもは計算問題を「ゴリゴリ解く対象」ではなく「いくつもの解き方が試せるパズル」として捉えるようになります。
この視点の転換こそが、「地頭が良くなる」体験の入り口なのです。
シリーズ全14回のご案内
このシリーズは、まなぶてらす代表・坂本が、これまでの計算についての研究(そろばん式暗算、インド式などの計算テクニック、中学受験の計算の工夫)をもとに公開していく内容となります。平日1日1本のペースで、全14回にわたってお届けします。
シリーズ全14回・予定ラインナップ
- 第1回:一の位が5×偶数は一瞬で解ける
- 第2回:一の位が5×奇数は「引き算に変えて」ラクにする
- 第3回:35×35が3秒!「一の位が5の2乗」テクニック(近日公開)
- 第4回:35×36、25×27もOK!「5の2乗」の応用範囲を広げる(近日公開)
- 第5回:99×99までの2乗が暗算できる!「おやつ式計算」の2方式(離して足す/近づけて引く)(近日公開)
- 第6回:36×11が暗算で解ける!「ずらし書き」テクニック(近日公開)
- 第7回:12〜19どうしのかけ算は「インド式」で暗算(近日公開)
- 第8回:第1〜7回のかけ算テクニックを『使い分け』できる!4例題+総まとめ判定チャート(近日公開)
- 第9回:約分・倍分は3秒でラクになる(近日公開)
- 第10回:約分はこれで完璧!約数の見つけ方 完全ガイド(近日公開)
- 第11回:繰り上がりのある「たし算」テクニック(近日公開)
- 第12回:繰り下がりが消える「おつり計算法」(近日公開)
- 第13回:”引かない”引き算(たし算で答えを出す)(近日公開)
- 第14回:大きな数を「ざっくり引いて」速く解く(近日公開)
このシリーズの楽しみ方
このシリーズは、どこから読んでも、何度読んでもOKです。お子さまの学年や得意・苦手にあわせて、自由に活用してください。
- 第1回から順に読む:体系的にテクニックを身につけたい方におすすめ
- 気になる回から読む:「2乗」「割り算」など、今お子さまが学習中の単元に合わせて
- 親子で挑戦する:各記事末の練習問題を一緒に解いてみる(親も意外と楽しめます)
- 毎日1本ずつ読む:平日1日1本ペースで、無理なく14日間でマスター
よくある質問(FAQ)
Q1. このシリーズは何年生から取り組めますか?
A. 小学3年生後半〜中学生まで幅広く活用できます。基本的なかけ算・筆算ができるようになっていれば、すぐに楽しめる内容です。低学年のお子さまは保護者と一緒に、高学年・中学受験生は自分で読み進める形がおすすめです。
もちろん、高校生や大学生、大人の方でも、いつでも「学びたい」と思ったときから学び始めることができます。年齢に関係なく楽しめる内容です。
Q2. 中学受験を考えていない子でも役立ちますか?
A. はい、中学受験をしないお子さまにも強くおすすめします。テクニックそのもの以上に、「数の仕組みを多角的に捉える力」が育ちます。これは中学・高校の数学はもちろん、将来あらゆる場面で役立つ思考の土台になります。
Q3. 全14回を読み終えたら、計算が劇的に速くなりますか?
A. テクニックを「知る」だけでなく「使いこなす」には、繰り返し練習が必要です。各記事末の練習問題に親子で取り組み、日々の計算問題で実際に試してみてください。3週間ほどで、お子さまの計算スピードに明確な変化が見えてくるはずです。
Q4. 学校で習う筆算と矛盾しませんか?
A. まったく矛盾しません。このシリーズは「筆算ができる」ことを前提にした、もう一段上のテクニック集です。筆算は「すべての計算に通用する基本」、テクニックは「特定パターンで圧倒的に速い武器」。両方を持つことで、はじめて「賢くできる人」になれます。
Q5. テクニックを覚えると、考える力が育たなくなりませんか?
A. むしろ逆です。なぜそのテクニックで正解が出るのか、ほかにどんな応用ができるかを親子で話すことで、「考えること自体が楽しい」という感覚が育ちます。テクニックは思考の終わりではなく、新しい思考の出発点です。
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この記事の著者
坂本七郎
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。
▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)
・でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
・中学受験は2科目だけ勉強すればいい(ナツメ社)

