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こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。

「計算スピードアップ術」シリーズも、引き算編の最後のテクニックまでやってきました。第14回でご紹介するのは、大きな数の引き算をぱっと暗算するための「ざっくり引き算」347−297、3654−1898 のような「ひく数が大きい引き算」を、頭の中だけで一瞬で解けるようになります。

最後には、引き算編(第12〜14回)の3テクニックを総まとめするセクションと、PDFテスト(20問)のダウンロードもご用意しました。引き算の力をしっかり定着させていきましょう。

坂本七郎
坂本七郎
347−297=?——筆算で解くと、くり下がりが連続して計算ミスが起きやすいですね。でも、「とりあえず300を引いてみる」と考えると、347−300=47、引きすぎた3を戻して50。たったこれだけで答えが出ます。これが「ざっくり引き算」の発想です。

「ざっくり引き算」テクニックを学ぶ4つのメリット

  • 3桁・4桁の引き算が暗算できる——「ひく数」をキリのいい数に近づけて、複雑な引き算を一気にラクに
  • くり下がりの連続を回避——もっとも計算ミスが起きやすい場面を発生させない
  • 「引かない引き算」と組み合わせて検算ができる——前回の引き算テクニックと2方式で答えを確認
  • たし算にも応用できる——234+397 を 234+400−3 のように、足し算でも使える汎用テクニック

なぜ「ざっくり引き算」で大きな数の引き算がラクになるのか?

結論:引く数を「キリのいい数」に置き換えると、引き算自体は一瞬で終わります。あとで「引きすぎた分」を足し戻すだけで正しい答えになります。

たとえば 347−297 という計算を見てみましょう。297300 にとても近い数字です。

347 − 297 の手順
① まずは「ざっくり」300 を引く:347 − 300 = 47
② 引きすぎた 3 を戻す:47 + 3 = 50

「300を引く」だけならくり下がりも発生せず、暗算で一瞬。引きすぎた分(3)を足し戻すだけで正解にたどり着けます。

「ざっくり引き算」の合言葉
ひく数を 「キリのいい数」に置き換える。
引きすぎた分を あとで足し戻す——たった2ステップ。

坂本七郎
坂本七郎
これは普段の生活でも、無意識に使っているテクニックです。「500円玉で198円のおやつを買ったらおつりはいくら?」と聞かれたとき、「200円引いて、引きすぎた2円を戻して302円」とパッと答える方も多いはず。それを式の世界に持ち込むのが「ざっくり引き算」です。

基本2ステップ:「ざっくり引き算」のやり方

結論:①「ひく数」をキリのいい数に置き換えて、ざっくり引く ②引きすぎた分を足し戻す——たった2つの動きで答えが出ます。

例題として、3654−1898 を「ざっくり引き算」で解いてみましょう。

ステップ1:「ひく数」をキリのいい数にして、ざっくり引く

1898 を見て、近い「キリのいい数」は 2000
まずは 2000 をざっくり引いてしまいます。
3654 − 2000 = 1654

ステップ2:引きすぎた分を足し戻す

2000 − 1898 = 102。102 を引きすぎたので、答えに戻します。
1654 + 102 = 1756

3654 − 1898 の解き方
① 3654 − 2000 = 1654(ざっくり)
② 引きすぎた分 = 2000 − 1898 = 102
③ 1654 + 102 = 1756

4桁の引き算も、筆算なしで暗算可能。ひく数が「キリのいい数」に近いほど、このテクニックは威力を発揮します。

例題で慣れよう:いろいろな「ざっくり引き算」

結論:「ひく数」が「キリのいい数(100・1000など)」に近いほど、このテクニックは強力に機能します。

例題1:1004 − 195(ひく数が200に近い)

1004 − 195 の解き方
① 1004 − 200 = 804(ざっくり)
② 引きすぎた分 = 200 − 195 = 5
③ 804 + 5 = 809

例題2:720 − 567(ひく数が600に近い)

720 − 567 の解き方
① 720 − 600 = 120(ざっくり)
② 引きすぎた分 = 600 − 567 = 33
③ 120 + 33 = 153

例題3:1404 − 849(ひく数が850・900のどちらでもOK)

1404 − 849 の解き方(850でざっくり)
① 1404 − 850 = 554
② 引きすぎた分 = 850 − 849 = 1
③ 554 + 1 = 555

「どこまでざっくりするか」はお子さま次第。900で引いてもいいし、850で引いてもOK。自分が一番計算しやすい数を選ぶのが「ざっくり引き算」の自由さです。

応用:「ざっくり算」はたし算にも使える

結論:「キリのいい数に置き換えて、あとで調整する」発想は、たし算でも同じように使えます。

たとえば 234 + 397 は、397 を「400」に置き換えて:

234 + 397 の解き方
① 234 + 400 = 634(ざっくり)
② 足しすぎた 3 を引く:634 − 3 = 631

第11回でご紹介した「あなうめ算」と少し似ていますが、こちらは 「足しすぎてから戻す」発想。両方の引き出しを持っておくと、その場で計算しやすい方を選べます。

「引かない引き算(第13回)」との使い分け

結論:「引かない引き算」と「ざっくり引き算」は、引き算を解く2大テクニック。場面に応じて使い分け、または検算として組み合わせるのが理想です。

2つの引き算テクニックの使い分け

テクニック 向いている場面
引かない引き算
(第13回)
「1000−」のようなキリのいい数から引くとき 1000 − 473 → 527
ざっくり引き算
(第14回)
ひく数がキリのいい数に近いとき 347 − 297 → 50

2方式で同じ計算を解いて答えが一致すれば、ケアレスミスはほぼゼロに。これがシリーズ全体を通してお伝えしてきた「賢くなる計算テクニック」のいちばんの価値です。

中学受験で、このテクニックはどの場面で使える?

結論:おつり計算、植木算、差分計算、つるかめ算——「大きな数の引き算」が出る場面は中学受験の至る所にあります。

  • おつり計算:5000円札で 2987円の買い物 → 5000−3000+13 = 2013円
  • 差分計算:「兄の年齢 1894日、弟の年齢 698日、差は?」→ 1894−700+2 = 1196日
  • つるかめ算:「合計 1058 − 鶴の本数×足の数 998」→ 1058−1000+2 = 60
  • 速さの引き算:「行きと帰りの差 2456m − 1995m」→ 2456−2000+5 = 461m
  • 面積の差:「大きい長方形 3245cm² − 小さい長方形 1893cm²」→ 3245−1900+7 = 1352cm²

このように、ひく数が「キリのいい数の少し手前」であれば、ざっくり引き算が大活躍します。第13回(引かない引き算)と組み合わせれば、引き算のあらゆる場面に対応できるようになります。

【練習問題】親子で挑戦!「ざっくり引き算」10問

ここまでの内容を定着させるため、実際に問題を解いてみましょう。筆算なし・ざっくり引き算だけで挑戦してみてください。

まず最初に普通に暗算で解いてみてください。その後で、今回の「筆算なし・ざっくり引き算」だけで解いてみてください。それで違いを確認してもらえると、その効果がよくわかると思います。

練習問題(ざっくり引き算を使って暗算で)

  1. 1004 − 195 =
  2. 1100 − 287 =
  3. 330 − 294 =
  4. 602 − 168 =
  5. 720 − 567 =
  6. 810 − 25 =
  7. 1404 − 849 =
  8. 3025 − 2434 =
  9. 234 + 397 =(たし算にも応用)
  10. 198 + 834 =(たし算にも応用)

解答と解説

  1. 1004 − 195 → 1004 − 200 = 804 → 804 + 5 = 809
  2. 1100 − 287 → 1100 − 300 = 800 → 800 + 13 = 813
  3. 330 − 294 → 330 − 300 = 30 → 30 + 6 = 36
  4. 602 − 168 → 602 − 200 = 402 → 402 + 32 = 434
  5. 720 − 567 → 720 − 600 = 120 → 120 + 33 = 153
  6. 810 − 25 → 810 − 30 = 780 → 780 + 5 = 785(小さな引き算でも応用可)
  7. 1404 − 849 → 1404 − 850 = 554 → 554 + 1 = 555
  8. 3025 − 2434 → 3025 − 2500 = 525 → 525 + 66 = 591
  9. 234 + 397 → 234 + 400 = 634 → 634 − 3 = 631
  10. 198 + 834 → 200 + 834 = 1034 → 1034 − 2 = 1032
坂本七郎
坂本七郎
「ざっくり引いて、あとで戻す」——この感覚をつかめたら、もう大きな数の引き算は怖くありません。第13回『引かない引き算』との合わせ技で、引き算の取りこぼしはほぼなくなります。

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引き算編の総まとめ:第12〜14回の3テクニックを使い分けよう

結論:引き算には『おつり計算法(第12回)』『引かない引き算(第13回)』『ざっくり引き算(第14回)』の3つのテクニックがあります。場面に応じて使い分けることで、引き算のあらゆる場面に対応できるようになります。

引き算編の3テクニックを、改めて整理しておきましょう。

引き算3テクニックの早見表

テクニック 向いている場面
第12回 おつり計算法 買い物のおつりのように、キリのいい数から引く場面(一の位以外は9の補数、一の位は10の補数) 1000−368
→ 632
第13回 引かない引き算 足して何になる?」と発想を変える。1000−473 を「473+?=1000」と読み替える 1000−473
→ 527
第14回 ざっくり引き算 ひく数がキリのいい数に近いとき。ざっくり引いてあとで戻す 347−297
→ 50

使い分けの判断フロー

引き算を見たとき、次の順番で判断するとスムーズです。

引き算の判断フロー
引かれる数が「1000・10000」のようにキリのいい数 → 第12回「おつり計算法」 または 第13回「引かない引き算」
ひく数が「200・1000・2000」のようなキリのいい数に近い → 第14回「ざっくり引き算」
③ どちらでもないとき → ふつうの筆算、または工夫しやすい方を選ぶ

同じ計算を「2方式で解く」ことで検算になる

「引かない引き算」と「ざっくり引き算」は、お互いの確かめ算として最高の相棒です。たとえば 1000 − 473

方法A:第13回「引かない引き算」
473 + ? = 1000 を埋める
→ 一の位 3 + ? = 10 → 7、十の位 7 + ? = 9 → 2、百の位 4 + ? = 9 → 5
→ 答え 527

方法B:第14回「ざっくり引き算」
1000 − 500 = 500(ざっくり)
500 − 473 = 27(引きすぎた分)
500 + 27 = 527

両方の答えが 一致した瞬間、その答えは確実。これがシリーズを通してお伝えしてきた 「賢くなる計算テクニック」 の本領です。

【引き算編・総まとめ】PDFテストで定着確認

引き算3テクニックを総まとめしたPDFテスト(全20問)をご用意しました。第12〜14回のテクニックをフル活用して、暗算で挑戦してみてください。

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次回予告:いよいよシリーズ完結!

第15回(最終回):「計算スピードアップ術」総まとめ ── 全14テクニックの早見表+総合PDFテスト

いよいよ次回は、シリーズの最終回。第1回〜第14回まで学んできたかけ算・わり算・たし算・引き算のすべてのテクニックを、コンパクトに振り返ります。あわせて、シリーズの仕上げとして 総合PDFテスト(全36問) もご用意。「思考の引き出し」がどれだけ増えたかを確かめながら、シリーズを締めくくります。お楽しみに。

シリーズ「計算スピードアップ術」全15回のご案内

この記事は、まなぶてらすが中学受験生の保護者向けにお届けする、全15回の賢くなる計算テクニック連載の第14回です。シリーズも次回(第15回)でいよいよ完結を迎えます。

シリーズ全15回・予定ラインナップ

よくある質問(FAQ)

Q1. ひく数がキリのいい数から遠い場合は、ざっくり引き算は使えませんか?

A. 使えますが、効果は限定的です。たとえば 723 − 458 のような計算は、458 を「500」に置き換えても、引きすぎた分(42)の足し戻しが大きく、暗算で楽になるとは限りません。「ひく数がキリのいい数から10〜100以内」のときに最大の威力を発揮します。それ以外の場合は、第13回の「引かない引き算」や、普通の筆算を選ぶ方が速いこともあります。

Q2. ざっくり引き算と「引かない引き算」、どちらを優先して教えるべきですか?

A. まずは「引かない引き算」(第13回)からがおすすめです。1000のようなキリのいい数から引く場面は、お子さまの日常でもよく出てきます(おつり・残り時間・残りページ数など)。慣れてきたら「ざっくり引き算」を加えて、2方式で同じ計算を確かめる習慣をつけると、計算ミスが激減します。

Q3. 「ざっくり引き算」と「あなうめ算(第11回)」の違いは何ですか?

A. 発想は似ていますが、「どちらの数をキリよくするか」が違います。

  • あなうめ算(たし算):「足される数」をキリのいい数に → 297+347 → 300+344
  • ざっくり引き算(引き算):「ひく数」をキリのいい数に → 347−297 → 347−300 → +3

たし算では「片方から借りる」、引き算では「ひく数だけ整える」——この違いを理解すれば、両方を自在に使い分けられるようになります。

Q4. 第15回ではどんな内容を扱いますか?

A. 次回・第15回(最終回)では、第1回〜第14回まで学んできた全14テクニックをコンパクトな早見表で振り返ります。あわせて、シリーズの仕上げとして 「総合PDFテスト(全36問)」 をご用意しています。お子さまが手に入れた「思考の引き出し」を、まとめてご確認いただけます。

Q5. 引き算3テクニックは「中学受験以降」も役立ちますか?

A. はい、中学・高校・大学受験、さらに大人の日常生活でも生涯使い続けられるテクニックです。とくに「ざっくり引き算」「引かない引き算」は、買い物のおつり計算・残り日数の計算・予算管理など、日常のあらゆる場面で活躍します。小学生のうちに身につけたい『一生モノの計算感覚』と言ってもよいでしょう。

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この記事の著者

坂本七郎

坂本七郎

まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント

5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。

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▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)

でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
中学受験は2科目だけ勉強すればいい(ナツメ社)

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