【中学受験】「一の位が5」×偶数は一瞬で解ける!計算が驚くほど速くなる計算テクニック【計算スピードアップ術 第1回】
こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。
「うちの子、計算が遅くて…」「ケアレスミスが多くて困っている」——中学受験を目指すご家庭で、こうしたお悩みは本当によく聞きます。
中学受験の算数は、試験時間40〜50分のうちに大問6〜8問を解かなければならず、1問あたりに使える時間は平均5〜7分。計算の遅さは、そのまま合否に直結する弱点になります。
この記事は、全14回シリーズ 「計算が2倍速くなる!中学受験生のための計算スピードアップ術」 の第1回です。本シリーズは単なる時短ワザ集ではなく、計算という身近な題材を通して「思考の引き出し」を増やす”賢くなる計算テクニック”として、ぜひ親子で楽しんでみてください。初回のテーマは、中学受験で最頻出のパターン——「一の位が5の数 × 偶数」を、一瞬で解く方法です。
この記事を読むとわかること
- 15×8、25×12、125×16 が筆算なしで解ける
- 中学受験の「速さ」「割合」「食塩水」で役立つ具体場面
- 親子でできる5秒チャレンジ(練習問題つき)
「一の位が5×偶数」はなぜ一瞬で解けるの?
結論:「5 × 2 = 10」というキリの良い数が作れるからです。かけ算には「一方の数を2倍、もう一方の数を半分にしても答えは変わらない」という便利な性質(倍数の法則)があります。この性質を使って、計算しやすい10の倍数の形に変えていくのが今回の裏ワザの正体です。
具体的にはこうです。
15 × 8
↓(15を2倍、8を半分にする)
30 × 4
= 120
念のため確かめてみましょう。
15 × 8 = (15 × 2) × (8 ÷ 2) = 30 × 4 = 120 ✓
ちゃんと答えが一致しますね。
15×8、25×6を一瞬で解く「2倍・半分」テクニック
結論:一の位が5の数を2倍、偶数を半分にする。これだけです。
「一の位が5の数(5、15、25、35…)」と「偶数(2、4、6、8…)」をかけ合わせるとき、お子さまには次の3ステップを教えてあげてください。
ステップ1:式の中に「一の位が5の数」と「偶数」のペアを見つける
ステップ2:5の数を2倍して10の倍数にする
ステップ3:偶数を半分にして、かけ算する
実際に解いてみよう(基本編)
慣れるまでは声に出して練習するのがおすすめです。
基本パターン一覧
| もとの式 | 変形 | 答え |
|---|---|---|
| 15 × 4 | 30 × 2 | 60 |
| 15 × 6 | 30 × 3 | 90 |
| 15 × 8 | 30 × 4 | 120 |
| 25 × 6 | 50 × 3 | 150 |
| 35 × 4 | 70 × 2 | 140 |
| 45 × 6 | 90 × 3 | 270 |
ポイントは、式の中に「5で終わる数」を見つけたらパッと反応すること。この瞬間の見抜きを鍛えるだけで、計算スピードはぐっと上がります。
「25×○」の計算は”4とのペア”で100を作る
結論:25×4=100。式の中に4の倍数を見つけたら、そこを切り出します。
中学受験で特に頻出するのが 「25 × ○」のパターンです。25は4とかけると100になる——この関係を覚えておくと、世界が変わります。
25 × 12
↓(25 × 4 = 100 を取り出す)
25 × 4 × 3
= 100 × 3
= 300
25のかけ算パターン
「25×○」の攻略パターン
| もとの式 | 変形 | 答え |
|---|---|---|
| 25 × 8 | 100 × 2 | 200 |
| 25 × 12 | 100 × 3 | 300 |
| 25 × 16 | 100 × 4 | 400 |
| 25 × 24 | 100 × 6 | 600 |
| 25 × 32 | 100 × 8 | 800 |
ちなみに、75 × ○ も同じ発想で攻略できます。75×4=300 なので、4の倍数を見つけたら切り出しましょう。例:75 × 8 = 300 × 2 = 600。
「125×○」の計算は”8とのペア”で1000を作る
結論:125×8=1000。式の中に8の倍数を見つけたら、そこを切り出します。
桁が大きくなると子どもは身構えますが、125の計算ほど知っていると一瞬、知らないとお手上げの差が激しいパターンはありません。
125 × 16
↓(125 × 8 = 1000 を取り出す)
125 × 8 × 2
= 1000 × 2
= 2000
「125×○」の攻略パターン
| もとの式 | 変形 | 答え |
|---|---|---|
| 125 × 8 | そのまま | 1,000 |
| 125 × 16 | 1,000 × 2 | 2,000 |
| 125 × 24 | 1,000 × 3 | 3,000 |
| 125 × 32 | 1,000 × 4 | 4,000 |
| 125 × 48 | 1,000 × 6 | 6,000 |
暗記してしまいたい3つのペア
- 5 × 2 = 10
- 25 × 4 = 100
- 125 × 8 = 1,000
この3つを瞬時に思い出せると、かけ算の景色がガラッと変わります。
小数のかけ算でも使える!「0.5、2.5、7.5、12.5」を見たら同じテクニック
結論:このテクニックは整数だけでなく、小数のかけ算にもそのまま応用できます。0.5、1.5、2.5、7.5、12.5、0.125 などを見たら、これまでと同じ「2倍・半分」「4とのペア」「8とのペア」を使うだけ。
「整数のかけ算は速くなったけれど、小数になったら通用しないのでは?」——そう思われた方も多いかもしれません。じつは、小数も同じテクニックでカンタンになる場面がたくさんあります。中学受験の算数では、速さ・割合・食塩水・図形などで小数のかけ算が普通に登場しますので、ぜひ整数とセットで覚えておきましょう。
① 0.5、1.5 を見たら → 「2倍・半分」テクニック
整数の 5 や 15 と同じく、0.5 や 1.5 にも 2 をかけるとキリの良い数になります(0.5 × 2 = 1、1.5 × 2 = 3)。
0.5 × 18:0.5 を 2倍、18 を半分に
→ 0.5 × 2 × 9 = 1 × 9 = 9
32 × 1.5:32 を半分、1.5 を 2倍
→ 16 × 2 × 1.5 = 16 × 3 = 48
② 2.5、7.5(0.75)を見たら → 「4とのペア」テクニック
2.5 × 4 = 10、7.5 × 4 = 30、0.75 × 4 = 3。整数の 25、75 と同じく、4 をかけるとキリの良い数になります。
4.8 × 2.5:4.8 を 1.2 × 4 に分けて、4 を 2.5 とペアに
→ 1.2 × 4 × 2.5 = 1.2 × 10 = 12
③ 12.5(1.25、0.125)を見たら → 「8とのペア」テクニック
12.5 × 8 = 100、1.25 × 8 = 10、0.125 × 8 = 1。整数の 125 と同じく、8 をかけるとキリの良い数になります。
12.5 × 7.2:7.2 を 8 × 0.9 に分けて、8 を 12.5 とペアに
→ 12.5 × 8 × 0.9 = 100 × 0.9 = 90
(または 12.5 × 4 × 1.8 = 50 × 1.8 = 90 でもOK)
小数の「相棒」一覧表
小数を見たら、相棒の数を渡してキリの良い数を作る
| 見つけたら | 相棒 | キリの良い数 |
|---|---|---|
| 0.5 | ×2 | 1 |
| 1.5 | ×2 | 3 |
| 2.5 | ×4 | 10 |
| 7.5(0.75) | ×4 | 30(3) |
| 12.5(1.25) | ×8 | 100(10) |
| 0.125 | ×8 | 1 |
小数のかけ算でも、「相棒の数を作って、もう一方に渡す」という考え方は変わりません。整数で身につけた感覚が、そのまま小数にも応用できます。
【ミニ練習】小数のかけ算3問にチャレンジ
練習問題(できれば暗算で)
- 16 × 0.5 =
- 44 × 2.5 =
- 0.125 × 56 =
解答と解説
- 16 × 0.5 → 8 × 1 = 8
- 44 × 2.5 → 11 × 4 × 2.5 = 11 × 10 = 110
- 0.125 × 56 → 0.125 × 8 × 7 = 1 × 7 = 7
中学受験で、この裏ワザはどの場面で使える?
結論:中学受験算数の「速さ」「割合」「食塩水」「面積」など、ほぼすべての単元で登場します。
実際の入試や模試で、「一の位が5の数」は驚くほど頻繁に登場します。代表的な場面を挙げてみましょう。
- 速さの問題:時速15km × 8時間 = 120km / 分速25m × 12分 = 300m
- 食塩水の問題:食塩25g × 4 = 100g / 水125g × 8 = 1,000g
- 割合・百分率:25%を使った濃度計算、125%の増量
- 図形・面積:一辺15cmの正方形に関する比較問題
- 植木算・周期算:間隔25m × 4本 = 100m
上位校の入試では、計算量の多い問題をどれだけ速く正確に処理できるかが試されます。このテクニックを身につけたお子さまは、「あ、25が出てきたな」「これは4とペアだ」と反射的に気づけるようになり、結果としてミスも減っていきます。
【練習問題】親子で挑戦!5秒チャレンジ
ここまでの内容をしっかり定着させるため、実際に問題を解いてみましょう。筆算なし・暗算だけで、目標は1問5秒以内です。
練習問題(目標:1問5秒以内)
- 15 × 6 =
- 25 × 12 =
- 45 × 8 =
- 75 × 16 =
- 125 × 24 =
- 35 × 6 =
- 25 × 36 =
- 125 × 32 =
解答と解説
- 15 × 6 = 30 × 3 = 90
- 25 × 12 = 100 × 3 = 300
- 45 × 8 = 90 × 4 = 360
- 75 × 16 = 300 × 4 = 1,200
- 125 × 24 = 1,000 × 3 = 3,000
- 35 × 6 = 70 × 3 = 210
- 25 × 36 = 100 × 9 = 900
- 125 × 32 = 1,000 × 4 = 4,000
シリーズ「計算スピードアップ術」全14回のご案内
この記事は、まなぶてらすが中学受験生の保護者向けにお届けする、全14回の計算テクニック連載の第1回です。今後、以下のような内容を毎日1本ずつお届けしていきます。
シリーズ全14回・予定ラインナップ
- 第0回:計算テクニックの真髄とは?「賢くなる計算力」を育てる14回シリーズ
- 第1回:一の位が5×偶数は一瞬で解ける(今ここ)
- 第2回:一の位が5×奇数は「引き算に変えて」ラクにする
- 第3回:35×35が3秒!「一の位が5の2乗」テクニック
- 第4回:25×28、75×16…「5の2乗」を応用する
- 第5回:99×99までの2乗が暗算できる!「おやつ式計算」の2方式(離して足す/近づけて引く)
- 第6回:36×11が暗算で解ける!「ずらし書き」テクニック
- 第7回:12〜19どうしのかけ算は「インド式」で暗算
- 第8回:第1〜7回のかけ算テクニックを『使い分け』できる!4例題+総まとめ判定チャート
- 第9回:約分・倍分は3秒でラクになる
- 第10回:約分はこれで完璧!約数の見つけ方 完全ガイド
- 第11回:繰り上がりのある「たし算」テクニック
- 第12回:繰り下がりが消える「おつり計算法」
- 第13回:”引かない”引き算(たし算で答えを出す)
- 第14回:大きな数を「ざっくり引いて」速く解く
よくある質問(FAQ)
Q1. このテクニックは何年生から教えてよいですか?
A. かけ算の筆算が一通りできるようになる小学3年生後半〜4年生が始めどきです。まずは「5 × 2 = 10」「25 × 4 = 100」という基本のペアを覚えるところからスタートしましょう。筆算の原理を理解していない段階で裏ワザだけ教えると混乱するので、順序は大切にしてください。
Q2. 全部のパターンを丸暗記しないといけませんか?
A. 丸暗記は不要です。覚えるのは「5×2=10 / 25×4=100 / 125×8=1000」の3つのペアだけ。あとは実際の計算で何度か使えば、自然と手が動くようになります。
Q3. 裏ワザばかり覚えさせて、筆算が疎かになりませんか?
A. ご安心ください。このテクニックは、筆算の仕組みを理解したうえで使う”ショートカット”です。なぜ「2倍・半分」で答えが同じになるのかを子どもが説明できれば、むしろ計算の本質的な理解が深まります。
Q4. うちの子は暗算が苦手で…。無理に使わせるべき?
A. 無理は禁物です。最初は筆算の横に「25×4=100を使えば…」とメモ書きさせるところから始めてください。何度か正解体験を積むうちに、自然と頭の中でできるようになります。
Q5. 中学受験には、暗算力よりも思考力の方が大事では?
A. 仰るとおり、思考力は最重要です。ただ、「思考に使える時間」を生み出すには計算スピードが必要なのです。計算が速ければ、その分だけ難しい問題をじっくり考える時間が増えます。計算テクニックは、思考力を活かすための土台だと捉えてください。
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次回予告
第2回:15×7を3秒で!「一の位が5」×奇数は引き算に変える計算テクニック
今回学んだ「5×偶数」の攻略法は、相手が奇数のままだとそのままでは使えません。ではどうするか?——次回は「奇数を偶数に置き換えて、後で引き算で調整する」という裏ワザをご紹介。15×7、25×9 のような計算も、第1回のワザと組み合わせることで一瞬で解けるようになります。お楽しみに。
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この記事の著者
坂本七郎
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。
▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)
・でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
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