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こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。

「35 × 35」「75 × 75」——同じ数を掛け合わせる「2乗の計算」を見た瞬間、お子さまが筆算用紙に向かってため息をついていませんか?

中学受験の算数では、面積・割合・速さなどの単元で「同じ数を2回かける」場面が頻繁に登場します。とくに「一の位が5の数」の2乗は最頻出。にもかかわらず、ほとんどのお子さまは律儀に筆算で時間をかけて解いています。

でも、ご安心ください。「一の位が5の数の2乗」は、たった2つのルールで3秒で答えが出せる——そんな”賢くなる計算テクニック”があるのです。

この記事は、全15回連載 「計算が2倍速くなる!中学受験生のための計算スピードアップ術」 の第3回。今回は、覚えるルールはたった2つ、しかも一度仕組みが分かれば一生使える「5の2乗」テクニックをご紹介します。

この記事を読むとわかること

  • 35×35、45×45、75×75 が筆算なしで3秒で解ける
  • なぜこの方法で正しい答えが出るのか、理屈もスッキリ理解できる
  • 中学受験の面積・割合・濃度問題で活躍する具体場面
  • 親子でできる8問の3秒チャレンジ(解答・解説つき)

「一の位が5の2乗」はなぜ3秒で解けるの?

結論:答えのつくり方が、たった2つのパーツの組み合わせに固定されているからです。

「一の位が5の数」を2乗するとき、答えはいつも次の形になります。

35 × 35 = 1225

十の位「3」と
ひとつ大きい数「4」を掛ける

→ 3 × 4 = 12
末尾は
必ず25で固定

→ 5 × 5 = 25
12
25

「12」「25」 をくっつけて、答えは 1225

念のため筆算で確かめてみましょう。

35 × 35 = 1225 ✓

本当にいつも合うの?と思われるかもしれませんが、これは数学的にきちんと証明できる確実な法則です。試しに 95 × 95 で確認してみてください。十の位は9なので「9 × 10 = 90」、末尾に25をつけて9025。電卓で確認しても、ピッタリ一致します。

なぜこの方法で正解になるのか?(仕組みの解説)

「子どもに『なぜ?』と聞かれたときのために」と、仕組みを簡単にご紹介しておきます(無理に説明する必要はありません)。

カンタンな例で確かめてみましょう。35 × 35 を、いつもの筆算で書くとこうなります。

    3 5
  × 3 5
  -----
  1 7 5
1 0 5
-------
1 2 2 5

注目してほしいのは、一の位の計算「5 × 5 = 25」。一の位が5の数を2乗するときは、ここがいつも 25 になるから、答えの末尾は必ず25で終わるんです。

そして、答えの「12」の部分は、(35×5の十の位)(35×30の百の位以上) がうまく重なって、ちょうど 3 × 4 = 12 と同じ数になる——というのが、このテクニックの面白いところ。どの「一の位が5の数」でも同じことが起こるから、「自分自身 ×(自分+1)」で前半の数が出せるわけです。

「なぜそうなるか」を完全に説明するには中学校で習う計算が必要ですが、「いくつ試しても必ず合う」と確かめれば、それだけで使えるテクニックです。お子さまに「どうして?」と聞かれたら、「一緒にいくつかやって確かめてみよう」と返してあげてください。

「一の位が5の2乗」を解く3ステップ(さかもと式「3秒計算」)

結論:十の位の数と「ひとつ大きい数」をかけて百の位に置き、末尾に25をくっつけて完了。たったこれだけです。

お子さまには次の3ステップで教えてあげてください。

さかもと式「3秒計算」3ステップ(一の位が5の2乗)

ステップ1十の位の数 × そのひとつ大きい数 を計算する
ステップ2:①の答えを 百の位 に置く(×100する)
ステップ3:その末尾に「5 × 5 = 25」をくっつけて完了

たとえば 15 × 15 なら:

15 × 15
① 十の位の「1」と、ひとつ大きい数の「2」をかける → 1 × 2 = 2
② ①の答えを百の位に置く → 200
③ 末尾に 5×5 = 25 をくっつける → 225

実際に解いてみよう(基本編)

慣れるまでは答えを隠して、自分で「ひとつ大きい数とかける → ×100 → 末尾25」のリズムで唱えながら計算してみてください。驚くほどカンタンに、暗算でも答えが出せるはずです。

「5の2乗」基本パターン一覧

もとの式 十の位 × ひとつ大きい数 答え
15 × 15 1 × 2 = 2 225
25 × 25 2 × 3 = 6 625
35 × 35 3 × 4 = 12 1,225
45 × 45 4 × 5 = 20 2,025
55 × 55 5 × 6 = 30 3,025
65 × 65 6 × 7 = 42 4,225
75 × 75 7 × 8 = 56 5,625
85 × 85 8 × 9 = 72 7,225
95 × 95 9 × 10 = 90 9,025

気づきましたか? 9つすべての答えに登場する「末尾の25」が、このテクニックの安定感の正体です。あとは前半の「九九1段分」を計算するだけで答えが出る——どこまでも同じやり方で速算できる、大変強力な計算テクニックです。

3桁にも応用できる!105×105、115×115もカンタン

結論:3桁になっても考え方はまったく同じ。「百と十の部分」と「そのひとつ大きい数」をかけて、末尾に25です。

「2桁だけのワザかな?」と思うかもしれませんが、安心してください。105、115、125…のような3桁の数の2乗にも、まったく同じ手順が使えます。

105 × 105
① 「10」と、ひとつ大きい「11」をかける → 10 × 11 = 110
② ①の答えを百の位に置く → 11,000
③ 末尾に 25 をくっつける → 11,025

「十の位」と呼んでいた部分が、3桁では「百と十をまとめた部分」になるだけ。105なら「10」、125なら「12」、165なら「16」を取り出します。どこまで桁が大きくなっても、この方法で速算できるのがこのテクニックの素晴らしいところです。

3桁数への応用パターン

もとの式 前半 × (前半+1) 答え
105 × 105 10 × 11 = 110 11,025
115 × 115 11 × 12 = 132 13,225
125 × 125 12 × 13 = 156 15,625
135 × 135 13 × 14 = 182 18,225
145 × 145 14 × 15 = 210 21,025

これを筆算でやると、桁数が多くなるにつれて時間も書く量も大幅に増えます。3秒で済むのと2分かかるのとでは、テスト本番での余裕がまるで違います

覚えておきたい3つのこと

  • 末尾はいつも「25」で固定
  • 前半は 「自分自身 × (自分+1)」 ——いわば「九九を1つ拡張したもの」
  • 2桁にも3桁にも、4桁にも応用可能(仕組みが同じだから)

中学受験で、この2乗テクニックはどの場面で使える?

結論:面積・割合・濃度・速さ など、中学受験算数の主要単元すべてで活躍します。

「同じ数を2回かける場面」は、思っている以上に頻繁に登場します。具体例を見てみましょう。

  • 面積の問題:一辺15cm・25cm・35cmの正方形の面積(→ 225, 625, 1225)
  • 速さの問題:時速25km × 25分 = 625(時速のkm÷60 × 25 → 桁感の確認に)
  • 割合・濃度の問題:食塩水の濃度25% × 25g、食塩水15% × 15分の比較
  • 図形・倍率:相似比 5:7 の面積比 → 25 : 49 のような場面で 25, 49, 81 の即答
  • 場合の数:「5×5マスの組み合わせ」「15人 × 15人の対戦表」
  • 植木算・周期算:間隔35m × 35本のような出題

とくに正方形の面積問題は超頻出。一辺の長さが「15、25、35、45、55、75」あたりに設定されている問題は、過去問でよく出会います。この6パターン(225, 625, 1225, 2025, 3025, 5625)を反射的に答えられるだけで、計算時間が大きく短縮されます。

計算時間の短縮は、思考時間の確保に直結します。「賢くなる計算テクニック」を身につけたお子さまは、難問に向き合う余裕も生まれるのです。

【練習問題】親子で挑戦!3秒チャレンジ

ここまでの内容を定着させるため、実際に問題を解いてみましょう。筆算なし・暗算だけで、目標は1問3秒以内です。

練習問題(目標:1問3秒以内)

  1. 15 × 15 = ?
  2. 25 × 25 = ?
  3. 45 × 45 = ?
  4. 55 × 55 = ?
  5. 65 × 65 = ?
  6. 85 × 85 = ?
  7. 95 × 95 = ?
  8. 105 × 105 = ?

解答と解説

  1. 15 × 15 → 1×2=2、末尾25 → 225
  2. 25 × 25 → 2×3=6、末尾25 → 625
  3. 45 × 45 → 4×5=20、末尾25 → 2,025
  4. 55 × 55 → 5×6=30、末尾25 → 3,025
  5. 65 × 65 → 6×7=42、末尾25 → 4,225
  6. 85 × 85 → 8×9=72、末尾25 → 7,225
  7. 95 × 95 → 9×10=90、末尾25 → 9,025
  8. 105 × 105 → 10×11=110、末尾25 → 11,025

8問すべて3秒以内で答えられたお子さまは、「5の2乗テクニック」をすでにマスターしたと言えます。普段の計算問題でも、「同じ数を2回かける」式を見たら一瞬で「あ、5で終わるかも!」と反応する習慣をつけていきましょう。

シリーズ「計算スピードアップ術」全15回のご案内

この記事は、まなぶてらすが中学受験生の保護者向けにお届けする、全15回の計算テクニック連載の第3回です。今後も、毎日1本ずつ「賢くなる計算テクニック」をお届けしていきます。

シリーズ全15回・予定ラインナップ

  • 第0回:計算テクニックの真髄とは?「賢くなる計算力」を育てる15回シリーズ
  • 第1回:一の位が5×偶数は一瞬で解ける
  • 第2回:一の位が5×奇数は「引き算に変えて」ラクにする
  • 第3回:35×35が3秒!「一の位が5の2乗」テクニック(今ここ)
  • 第4回:35×36、25×27もOK!「5の2乗」の応用範囲を広げる
  • 第5回:17×17、23×23…「離してポン」で2乗をカンタン化
  • 第6回:2桁×2桁は「ずらし書き」で速くなる
  • 第7回:11×19も瞬殺!「インド式計算法」
  • 第8回:11〜19の2乗は暗記で即答
  • 第9回:約分・倍分は3秒でラクになる
  • 第10回:約数の見つけ方①(2・3・5・9の判定法)
  • 第11回:約数の見つけ方②(難しい約分のヒント)
  • 第12回:繰り上がりのある「たし算」テクニック
  • 第13回:繰り下がりが消える「おつり計算法」
  • 第14回:”引かない”引き算(たし算で答えを出す)
  • 第15回:大きな数を「ざっくり引いて」速く解く

よくある質問(FAQ)

Q1. このテクニックは何年生から教えてよいですか?

A. 九九と2桁のかけ算が一通りできるようになる小学3年生後半〜4年生が始めどきです。「自分自身 × (自分+1)」という前半部分が九九の延長で計算できるようになっていれば、すぐに使いこなせます。低学年のお子さまでも、まずは「15×15=225」「25×25=625」だけ覚える形でも十分価値があります。

Q2. 末尾が「25」になることは、本当にいつも変わらないのですか?

A. はい、「一の位が5の数」を2乗するかぎり、末尾は必ず25になります。理由はシンプルで、筆算の最後に必ず「5 × 5 = 25」の計算が含まれるためです。実際に15、25、35…と試してみると、答えはどれも「…25」で終わっていることが確認できます。「いつも25で終わる」という安心感が、お子さまの計算への自信にもつながります。

Q3. 一の位が5でない数(たとえば 24×24)にも使えますか?

A. 残念ながら、このテクニックは「一の位が5の数」専用です。ただし、第5回でご紹介する「離してポン」テクニックを使えば、17×17 や 23×23 のような数の2乗も簡単に計算できます。お楽しみに。

Q4. 筆算と裏ワザ、どちらで答えを出させるべきですか?

A. 普段は裏ワザ、見直しでは筆算という使い分けが理想です。スピードと正確性の両方を鍛えられます。とくにこの「5の2乗」テクニックは仕組みがシンプルなので、計算ミスのリスクも低く、安心して常用できます。

Q5. このテクニックを使えると、どのくらい時間が短縮できますか?

A. 35×35 を筆算で解くと、お子さまの場合30〜60秒かかります。テクニックを使えば3秒。1問あたり10〜20倍速いと考えると、テスト本番では大きな差になります。算数の試験で1〜2分の余裕があれば、大問の見直しや難問への挑戦に時間を回せるようになります。

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次回予告

第4回:35×36、25×27もOK!「5の2乗」の応用範囲を広げる

今回マスターした「5の2乗」テクニックは、じつは“同じ数”でなくても応用が利く強力なワザです。強力な計算テクニックは、できるだけ応用範囲を広げる——これがさかもと式速算のコツです。次回もお楽しみに。

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この記事の著者

坂本七郎

坂本七郎

まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント

5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。

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▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)

でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
中学受験は2科目だけ勉強すればいい(ナツメ社)




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オンライン家庭教師「まなぶてらす」
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