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7月に入ると、塾の教室には「いよいよ天王山です」という掲示が並びます。声をかけられるのは主に6年生の保護者ですが、4年生・5年生の保護者もその言葉に反応し、我が子の夏休み計画を前倒しで詰め込もうとする場面を、長年の指導の中で何度も見てきました。4年生の夏休みと5年生の夏休みでは、意味も過ごし方もまったく違います。4年生は最後に思い切り遊べる夏、5年生は「魔の5年生」と向き合う夏です。天王山と同じものさしで計画すると、どちらの学年にも的外れな負荷がかかってしまいます。この記事では、学年ごとに違う夏休みの意味と、家庭で組み立てられる具体的な過ごし方を整理します。

坂本七郎
坂本七郎
4年生は最後に思い切り遊べる夏、5年生は「魔の5年生」と呼ばれる中だるみに向き合う夏です。学年ごとに違うものさしで、無理のない夏休み計画を立てましょう。

4年生・5年生の夏休みが「6年生の天王山」と決定的に違う理由

6年生にとって夏休みは、それまで積み上げた学習を総仕上げする天王山です。一方、4年生・5年生はまだ受験に必要な範囲そのものを学んでいる途中の段階にあります。ここを混同すると、夏休みの使い方は簡単にずれてしまいます。4年生・5年生の夏休みは「追い込みの夏」ではなく「土台をつくる夏」だと捉え直すことが、遠回りに見えて一番の近道になります。

2026年の首都圏の中学受験者数は52,050名で過去40年のうち4番目の多さ、受験率は18.06%で過去40年のうち3番目の高さだったと首都圏模試センターが発表しています(同センターの独自集計)。この数字が示すのは、周囲にも同じように受験を考える家庭が多いという事実であり、6年生の追い込みを横目に4年生・5年生の家庭まで焦る必要はないという点です。6年生の直前準備については6年生になったらやるべき段取りで詳しく整理していますので、今の学年ではまだ気にしなくて大丈夫です。

4年生の夏—土台づくりと「最後に遊べる夏」を両立する

SAPIX・四谷大塚・日能研といった大手塾の公式カリキュラム説明を見ると、4年生は共通して基礎・土台づくりの学年と位置づけられています(各塾公式サイトの一般的な説明であり、統計データではありません)。裏を返せば、4年生の間はまだ受験勉強そのものの分量が少ない時期だということです。

受験が本格化する前に家族で過ごせる、最後の夏休みでもあります。長期の旅行、自由研究、スポーツの合宿など、6年生になってからは組みにくい予定を、この夏のうちに経験させておく家庭は少なくありません。並行して、計算・漢字・語彙の反復など基礎の底上げを毎日短時間でも続けておくと、5年生からの学習量の増加に無理なくつながります。「勉強か、遊びか」の二者択一ではなく、午前は基礎学習、午後は体験や外遊びといった形で時間帯を分けて両立させるのが現実的です。

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5年生の夏—「魔の5年生」中だるみの正体と乗り越え方

塾の先生たちの間で「魔の5年生」と呼ばれる時期があります。学習量が急に増える一方、成果が目に見えて出るまでにタイムラグがあるため、子ども自身のやる気が落ち込みやすい学年だからです。中だるみの正体は、子どもと大人の時間感覚のズレにあります。保護者は「あと1年半で受験」という逆算で焦りますが、子どもにとっての1年半はまだ実感の湧かない先の話です。ここで大人が焦って叱咤を重ねると、かえって学習意欲を削いでしまう場面を何度も見てきました。

SAPIX・四谷大塚・日能研の公式カリキュラム説明では、5年生は算数の主要単元のほぼ全範囲の基礎を習得する時期とされ、社会は5年後期から歴史の学習が始まるとされています(各塾公式サイトの一般的な説明で、統計データではありません)。つまり5年生の夏は、範囲が一気に広がる直前の踏ん張りどころです。令和7年度の全国学力・学習状況調査は小学6年生・中学3年生が対象で、4年生・5年生の学力を直接示すデータではありませんが、学年が上がるほど家庭学習の習慣差が結果に表れやすいという参考情報として押さえておくとよいでしょう。5年生から本格的に受験勉強を始めたい家庭は、5年生からでも間に合うのかもあわせて読んでみてください。

中だるみを乗り越える工夫として効果があるのは、目標を小さく刻むことです。「模試の偏差値を5上げる」ではなく、「今週は漢字テストで満点を取る」のように、1〜2週間で手が届く目標に置き換えると、子どもも達成感を積み重ねやすくなります。

学年別・1日の勉強時間の目安と組み方

夏休み中の1日の勉強時間は、学年によって大きく変わります。下記は一般的な目安であり、塾のカリキュラムや志望校によって前後する点にはご注意ください。

学年 1日の勉強時間の目安 主な内容
4年生 1〜2時間程度 計算・漢字の反復、基礎の定着、体験学習
5年生 2〜4時間程度 算数の主要単元の演習、社会(歴史)の導入、弱点補強
6年生(参考) 6〜8時間程度 志望校別演習、過去問対策、総仕上げ

表からも分かるとおり、4年生・5年生は6年生ほどの勉強時間を確保する必要はありません。むしろ短時間でも毎日机に向かう習慣を切らさないことのほうが、6年生になってからの伸びにつながります。

塾に通っていない・迷っている家庭のためのオンライン家庭教師活用法

「まだ塾に入れるべきか迷っている」「近くに合う塾が見つからない」というご相談は、4年生・5年生の保護者から特によく受けます。塾に通っていない家庭でも、夏休みのうちにオンライン家庭教師「まなぶてらす」で基礎の土台を固めておく選択肢があります。集団塾のカリキュラムに縛られず、その子の理解度に合わせて進度を調整できる点が、この時期には向いています。

塾なしで中学受験を検討している家庭は塾なし中学受験の進め方も参考にしてください。志望校の輪郭が見えてきた段階では、志望校の選び方にも目を通しておくと、5年生後半以降の動き方がイメージしやすくなります。

夏に頼れる中学受験指導の講師3名


まさよし先生

まさよし 先生

指導歴16年、700人以上を担当した難関中学受験対策。社会・国語中心の中学受験対策(小学生〜浪人生)。集団・個別指導塾、予備校、通信制高校での指導経験を生かし、最難関・難関中学受験対策から基礎の丁寧なサポートまでオーダーメイドで対応しています。7月からの夏休み宿題サポートも行っています。

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ひより先生

ひより 先生

中学受験の基礎固め指導の経験が豊富。英語・国語(小学生〜中学生)。早稲田大学卒。個別指導塾・家庭教師で幅広い年代の学習指導、中学受験対策を担当してきました。「納得」を大切にした伴走型の指導で、間違えることが怖くない関係づくりを重視しています。

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しょーこ先生

しょーこ 先生

塾なし中学受験にも対応、数学・理科が得意。数学・理科(小学生〜高校生)。芝浦工業大学卒、自身も中学受験経験があります。一人ひとりの性格・レベル・目的に合わせた授業を行い、発達特性のあるお子さんの指導経験も豊富です。

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よくある質問

Q. 5年生から中学受験の勉強を始めても間に合いますか?

間に合わないと決まっているわけではありません。5年生はまだ算数の基礎を積み上げている時期なので、今から生活リズムと家庭学習の習慣を整えることが最優先です。詳しくは5年生からでも間に合うのかで解説しています。

Q. 夏期講習は必ず受けなければいけませんか?

必須ではありません。塾に通っていない家庭でも、オンライン家庭教師で苦手単元だけをピンポイントで補強する方法もあります。お子さんの理解度と体力に合わせて選ぶとよいでしょう。

Q. 模試はいつから受けるべきですか?

学年や塾の方針によって差がありますが、5年生のうちから範囲の決まった単元別テストを受け、弱点を早めに把握しておく家庭が多い印象です。6年生からの本格的な模試につなげる助走として位置づけるとよいでしょう。

Q. 遊びと勉強のバランスはどう取ればよいですか?

特に4年生は、午前中に基礎学習、午後は外遊びや体験という形で時間帯を分ける方法がおすすめです。5年生も、1〜2週間単位の小さな目標を挟むことで、遊びの時間を完全にゼロにしなくても学習を回せます。

Q. 塾に通わなくても中学受験はできますか?

可能です。実際に塾を使わずに合格している家庭もあります。ただし情報収集と進捗管理を家庭で担う分、オンライン家庭教師などで学習の伴走役を確保しておくと負担が減ります。塾なし中学受験の進め方もあわせて確認してください。

まとめ

4年生の夏休みは「土台づくりと最後に遊べる夏」を両立させる時期であり、5年生の夏休みは「魔の5年生」と呼ばれる中だるみに正面から向き合う時期です。どちらも6年生の天王山とは違うものさしで計画を立てる必要があります。まずは学年別の勉強時間の目安を参考に、家庭で無理のない1日の枠組みを決めることから始めてみてください。塾に通うか迷っている場合や、基礎固めだけを頼みたい場合は、オンライン家庭教師という選択肢も含めて、この夏のうちに一度試してみることをおすすめします。

この記事の著者

まなぶてらす編集部

まなぶてらす編集部

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この記事の監修者

坂本七郎

坂本七郎

まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント

5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立しました。

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