【中学受験】35×36、25×27もOK!「5の2乗」の応用範囲を広げる計算テクニック【計算スピードアップ術 第4回】
こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。
「35 × 35 = 1225」「75 × 75 = 5625」——前回の第3回で、「一の位が5の数の2乗」を3秒で解くテクニックをマスターしたあなた。じつはこのテクニック、“同じ数”でなくても応用が利くとても強力なワザなんです。
たとえば 35 × 36。一見すると別の計算に見えますが、35×35 = 1225 がすでに頭に入っていれば、あとは +35 するだけで答えが出せます。1225 + 35 = 1260——たった3秒です。
この記事は、全15回連載 「計算が2倍速くなる!中学受験生のための計算スピードアップ術」 の第4回。「強力な計算テクニックは、できるだけ応用範囲を広げる」——これがさかもと式速算のコツ。今回は前回学んだ「5の2乗」を起点に、ぐっと使える場面を広げる方法をご紹介します。
この記事を読むとわかること
- 35×36、25×27、75×76 のような「5の倍数 × その近くの数」が瞬殺できる
- 「ひとつ大きい数」「ひとつ小さい数」「2つ離れた数」、3パターンの応用
- 3桁の数(105×106 など)にも同じ考え方が使える
- 1つのテクニックを応用範囲を広げて使う、さかもと式の発想法
- 親子でできる8問の発展問題(解答・解説つき)
前回のおさらい:「5の2乗」を3秒で解くテクニック
結論:「ひとつ大きい数」をかけて百の位に置き、末尾に25をくっつける——これだけで、一の位が5の数の2乗が3秒で解けます。
前回の第3回で学んだのは、こんなテクニックでした。
35 × 35 = 1225
ひとつ大きい数「4」を掛ける
必ず25で固定
「12」 と 「25」 をくっつけて、答えは 1225
このテクニックでマスターしたのは、15²=225、25²=625、35²=1225、45²=2025…と、一の位が5の数の2乗を反射的に答えられる状態。今回はこの「答えのストック」を起点に、計算の応用範囲をぐっと広げていきます。
応用①:「ひとつ大きい数」とのかけ算(35×36)
結論:35×35 を出してから、35 を足すだけ。
「一の位が5の数」と「そのひとつ大きい数」をかけたいとき、すでに 5の2乗の答え が頭に入っていれば、あとは 5の倍数を1回足すだけで答えが出ます。
35 × 36
① まず 35 × 35 を出す → 1225(前回のテクニック)
② そこに 35 を1回足す → 1225 + 35 = 1260
なぜ「35 を足す」だけでいいのか? 36 は 35 より「1大きい数」なので、35 を1回多くかけているのと同じこと。だから 35×35 に 35 を1回足せば 35×36 になるんです。
「ひとつ大きい数」とのかけ算 一覧
| もとの式 | やり方 | 答え |
|---|---|---|
| 15 × 16 | 225 + 15 | 240 |
| 25 × 26 | 625 + 25 | 650 |
| 35 × 36 | 1,225 + 35 | 1,260 |
| 45 × 46 | 2,025 + 45 | 2,070 |
| 55 × 56 | 3,025 + 55 | 3,080 |
| 75 × 76 | 5,625 + 75 | 5,700 |
| 95 × 96 | 9,025 + 95 | 9,120 |
表をよく見ると、答えはどれも「もとの2乗の答え」+「5の倍数1回分」になっていますね。前回マスターした「5の2乗」がそのまま材料になるので、応用がカンタンです。
応用②:「ひとつ小さい数」とのかけ算(35×34)
結論:35×35 を出してから、35 を引くだけ。ただし「繰り下がり」に注意。
逆に、「一の位が5の数」と「そのひとつ小さい数」をかけたいときは、5の2乗の答えから、5の倍数を1回引くだけです。
75 × 74
① まず 75 × 75 を出す → 5625
② そこから 75 を1回引く → 5625 − 75 = 5550
こちらも理屈は同じ。74 は 75 より「1小さい数」なので、75 を1回少なくかけているのと同じ。だから 75×75 から 75 を1回引けば 75×74 になります。
「ひとつ小さい数」とのかけ算 一覧
| もとの式 | やり方 | 答え |
|---|---|---|
| 15 × 14 | 225 − 15 | 210 |
| 25 × 24 | 625 − 25 | 600 |
| 35 × 34 | 1,225 − 35 | 1,190 |
| 45 × 44 | 2,025 − 45 | 1,980 |
| 55 × 54 | 3,025 − 55 | 2,970 |
| 65 × 64 | 4,225 − 65 | 4,160 |
注意:「ひとつ小さい数」は引き算なので、繰り下がりに注意
「ひとつ大きい数」(足し算)に比べて、「ひとつ小さい数」(引き算)はくり下がりが発生するため、計算ミスが起こりやすくなります。最初は紙に書いて、慣れてきたら暗算に移行しましょう。
応用③:「2つ離れた数」とのかけ算(35×37 や 35×33)
結論:5の2乗を出してから、もとの数の「2倍」を足すか引くだけ。
もう少し離れていても大丈夫。「一の位が5の数」と「2つ離れた数」をかけるときは、5の倍数を2回ぶん(つまり ×2 して)足すか引くかします。
25 × 27(2大きい数)
① まず 25 × 25 を出す → 625
② そこに 25 を2回ぶん(25 × 2 = 50)足す → 625 + 50 = 675
55 × 53(2小さい数)
① まず 55 × 55 を出す → 3025
② そこから 55 を2回ぶん(55 × 2 = 110)引く → 3025 − 110 = 2915
「5の倍数 × 2」は、必ず10の倍数(一の位が0)になるので、足し算・引き算もスッキリ計算できます。これが「2つ離れた数」までは速算できる秘密です。
「2つ離れた数」とのかけ算 一覧
| もとの式 | やり方 | 答え |
|---|---|---|
| 25 × 27 | 625 + 50 | 675 |
| 25 × 23 | 625 − 50 | 575 |
| 35 × 37 | 1,225 + 70 | 1,295 |
| 45 × 47 | 2,025 + 90 | 2,115 |
| 65 × 67 | 4,225 + 130 | 4,355 |
| 75 × 73 | 5,625 − 150 | 5,475 |
このテクニックは 「一の位が5の2ケタの数」×「その数の2つ上または2つ下までの数」であれば、筆算より早く計算できます。
3桁にも応用できる!105×106 もカンタン
結論:3桁になっても考え方はまったく同じ。「3桁の5の2乗」を起点に、足し引きするだけ。
第3回でマスターした 105²=11025 や 125²=15625 といった「3桁の5の2乗」を起点にすれば、105×106 や 125×126 のようなかけ算も、同じやり方で計算できます。
105 × 106
① まず 105 × 105 を出す → 11,025
② そこに 105 を1回ぶん足す → 11,025 + 105 = 11,130
桁が増えても、「ひとつ大きい数 → 足す」「ひとつ小さい数 → 引く」「2つ離れた数 → 2回ぶん足す/引く」のルールは変わりません。どこまで桁が大きくなっても応用が効くのがこのテクニックの強みです。
中学受験で、この応用テクニックはどんな場面で使える?
結論:面積問題、植木算、場合の数など、「キリの悪い数のかけ算」が必要な場面で大活躍します。
「ぴったり5で終わる数のかけ算」だけだと使える場面が限られますが、「±1〜2 の範囲」まで広がると、出会える計算がぐっと増えます。
- 面積の問題:縦35cm × 横36cm の長方形の面積(→ 1260c㎡)
- 植木算・並べる問題:間隔35cmで34本並べたときの距離
- 速さの問題:時速25km × 27分間の移動距離
- 場合の数:25人 × 24人 の対戦パターン数
- 割合・濃度:食塩水75g × 76 のような計算
前回の「5の2乗」を地盤にして、+α / −α の発想で応用範囲を一気に広げる——これがさかもと式速算の真骨頂です。一つのテクニックを大切に育てて、いくつもの場面で使える「武器」にしていきましょう。
【発展問題】親子で挑戦!少し難しい応用問題
ここまでの内容を定着させるため、実際に問題を解いてみましょう。今回は応用編なので少し難しくなります。筆算なし・暗算だけで、目標は1問6秒以内です。
発展問題(目標:1問6秒以内)
- 15 × 16 = ?
- 25 × 26 = ?
- 45 × 46 = ?
- 55 × 54 = ?
- 75 × 76 = ?
- 25 × 27 = ?
- 65 × 63 = ?
- 105 × 106 = ?
解答と解説
- 15 × 16 → 225 + 15 = 240
- 25 × 26 → 625 + 25 = 650
- 45 × 46 → 2,025 + 45 = 2,070
- 55 × 54 → 3,025 − 55 = 2,970
- 75 × 76 → 5,625 + 75 = 5,700
- 25 × 27 → 625 + 25×2 = 625 + 50 = 675
- 65 × 63 → 4,225 − 65×2 = 4,225 − 130 = 4,095
- 105 × 106 → 11,025 + 105 = 11,130
すべて6秒以内で解けたお子さまは、第3回と第4回のテクニックをしっかりつなげて使える状態になっています。普段の計算でも、「5で終わる数の近くにいる数」を見つけたら、このワザを反射的に使えるよう練習を続けていきましょう。
シリーズ「計算スピードアップ術」全15回のご案内
この記事は、まなぶてらすが中学受験生の保護者向けにお届けする、全15回の計算テクニック連載の第4回です。今後も、平日1日1本ずつ「賢くなる計算テクニック」をお届けしていきます。
シリーズ全15回・予定ラインナップ
- 第0回:計算テクニックの真髄とは?「賢くなる計算力」を育てる15回シリーズ
- 第1回:一の位が5×偶数は一瞬で解ける
- 第2回:一の位が5×奇数は「引き算に変えて」ラクにする
- 第3回:35×35が3秒!「一の位が5の2乗」テクニック
- 第4回:35×36、25×27もOK!「5の2乗」の応用範囲を広げる(今ここ)
- 第5回:17×17、23×23…「離してポン」で2乗をカンタン化
- 第6回:2桁×2桁は「ずらし書き」で速くなる
- 第7回:11×19も瞬殺!「インド式計算法」
- 第8回:11〜19の2乗は暗記で即答
- 第9回:約分・倍分は3秒でラクになる
- 第10回:約数の見つけ方①(2・3・5・9の判定法)
- 第11回:約数の見つけ方②(難しい約分のヒント)
- 第12回:繰り上がりのある「たし算」テクニック
- 第13回:繰り下がりが消える「おつり計算法」
- 第14回:”引かない”引き算(たし算で答えを出す)
- 第15回:大きな数を「ざっくり引いて」速く解く
よくある質問(FAQ)
Q1. このテクニックは「5の2乗」の答えを覚えていることが前提ですか?
A. はい、第3回でマスターした「5の2乗」テクニックを使えることが前提です。15²=225、25²=625、35²=1225…の答えがすぐに出せるよう、まずは前回の記事で練習を積んでおきましょう。応用は基礎が固まってこそ、です。
Q2. 「3つ離れた数」のかけ算(35×38 など)にも使えますか?
A. 計算自体は可能(35×35+35×3 = 1225+105 = 1330)ですが、3つ以上離れると暗算が大変になり、ミスも増えます。3つ以上離れたら筆算や別のテクニックを使うのが現実的です。「2つ離れた数まで」を目安にしてください。
Q3. 引き算(ひとつ小さい数)のときに繰り下がりでミスが出ます。コツはありますか?
A. 慣れるまでは紙に「1225 − 35」の形で書いてから引くのがおすすめです。暗算に移行するのは、引き算自体が反射的にできるようになってからで構いません。「速さよりも、まず正確さ」が鉄則です。なお、本シリーズの第13回「繰り下がりが消える『おつり計算法』」では、繰り下がりそのものを発生させない引き算テクニックをご紹介します。マスターすれば、引き算がさらに早く・正確にできるようになりますので、ぜひそちらもお楽しみに。
Q4. このテクニックを使えると、どのくらい時間が短縮できますか?
A. 35×36 を筆算で解くと普通、40〜70秒かかります。テクニックを使えば6〜10秒。1問あたり6倍以上速くなり、テスト本番で「思考に使える時間」が大きく増えます。
Q5. 5以外の倍数(たとえば2の倍数や3の倍数)でも同じ応用ができますか?
A. 考え方は使えますが、5の倍数ほど劇的には速くなりません。5の倍数だけが特別に強い理由は、「5×2=10」がキリの良い数を生むから。+α / −α しても10の倍数になりやすく、暗算が楽なんです。これがさかもと式が「5」を中心に組み立てられている理由でもあります。
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- 第5回:17×17、23×23…「離してポン」で2乗をカンタン化(近日公開)
次回予告
第5回:17×17、23×23…「離してポン」で2乗をカンタン化
第3回・第4回で、「一の位が5の数」周辺の計算は瞬殺できるようになりました。では、それ以外の数の2乗——たとえば 17×17 や 23×23 はどう解けばよいのでしょうか? 次回は、「数を離してから、ポンと加える」というユニークな名前のテクニックをご紹介します。次回もお楽しみに。
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この記事の著者
坂本七郎
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。
▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)
・でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
・中学受験は2科目だけ勉強すればいい(ナツメ社)
