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夏休みが目前に迫ると、通知表と1学期最後の定期テストの答案が机に並びます。国語や理科の点数に一喜一憂する家庭は多い一方で、実は数学と英語は他の教科と性質が違います。この2教科は、前の単元の理解が次の単元の土台になる「積み上げ型」で、1学期のつまずきをそのままにすると2学期以降にじわじわと差が開いていきます。夏休みの最初の一歩は、1学期の答案・通知表から「戻る単元」を具体的に特定することです。この記事では、数学・英語の2教科に絞り、診断の仕方から学年別の戻り先、40日間の実践ステップまでを順に整理します。

坂本七郎
坂本七郎
数学・英語は積み上げ型の教科です。1学期の答案・通知表から「戻る単元」を具体的に特定することが、夏休みリセットの第一歩になります。

なぜ夏休みが「数学・英語だけ」リセットの最後のチャンスなのか

数学と英語は、社会や理科のように単元ごとに独立していません。中1の正負の数でつまずいたまま中2の文字式に進むと、応用問題を目の前にして手が止まる場面が繰り返されます。英語も同様に、be動詞の理解が曖昧なまま一般動詞・助動詞に進むと、文の骨格そのものが崩れてしまいます。1学期の遅れを2学期に持ち越すと、学校の進度に合わせて新しい単元を追いながら過去の単元にも戻るという、二重の負荷がかかります。

この傾向は、全国調査の数字にも表れています。文部科学省が実施した令和7年度全国学力・学習状況調査によれば、中学数学の全国平均正答率は48.8%で、前年度の53.0%から4.2ポイント低下し、5割を下回りました(出典:文部科学省「令和7年度全国学力・学習状況調査」)。前年の令和6年度調査でも「図形」「単位量あたりの大きさ(速さ等)」の分野に課題が見られており、応用が必要な単元でのつまずきは一過性のものではないことが、国立教育政策研究所の分析からもうかがえます。

英語についても、文部科学省・国立教育政策研究所が公表した令和5年度時点のデータ(英語は4年に1度の実施のため、これが現時点で最新の公開値)では、4技能ごとの正答率に大きな差が出ています。

技能 正答率(令和5年度)
話すこと 12.4%
書くこと 24.1%
読むこと 51.7%
聞くこと 58.9%

読む・聞くに比べて、話す・書くという「アウトプット型」の技能で正答率が大きく落ち込んでいます。これは知識として覚えていても、文を組み立てて使う力が育っていないことを示しています。夏休みは学校の授業進度が止まる唯一のまとまった期間であり、1学期の遅れをアウトプットの練習も含めて戻せる最後のタイミングです。夏休み全体の過ごし方の基本については中学生の夏休みの勉強法に関する記事でも触れていますが、本記事では数学・英語の2教科に絞って診断からステップまでを掘り下げます。

【診断】1学期の答案・通知表でチェックすべき3つのサイン

答案を戻す前に、まず何を見るべきかを決めておくと、リセットする単元がぶれません。チェックすべきサインは3つで、いずれも「できる/できない」ではなく「どこで止まるか」に注目します。

一つ目は、計算はできるのに応用問題で手が止まるサインです。一次方程式は解けるのに文章題になると式が立てられない、というのが典型で、文字式・比例反比例など「意味づけ」の単元を疑いたいところです。二つ目は、通知表の「知識・技能」欄だけが下がっているサイン。「主体的に学習に取り組む態度」は変わらないのに知識・技能だけがBからCに落ちている場合、単純な定着不足で演習量が足りていない単元がある可能性が高いでしょう。三つ目は、英語で単語は書けるのに文になると詰まるサインです。単語テストは合格しているのに並び替え問題や英作文で崩れるなら、be動詞・一般動詞・語順の基礎に穴が空いています。

この3つのサインは、1学期の答案・通知表を見返せば数分で確認できます。大問ごとの正答率を見て、どの大問群で失点が集中しているかを丸で囲んでおくと、次のステップで戻る単元を絞り込みやすくなります。計画を立てても続かなかった経験がある家庭は夏休みの学習計画が続かない原因を整理した記事も参考になりますが、まずは数学・英語の2教科に絞って診断から始めるとハードルが下がります。

【数学】学年別つまずきやすい単元と、戻るべきポイント

数学は学年をまたいで同じ土台の上に単元が積み上がっているため、戻る先は学年ごとにほぼ決まっています。1学期の答案で失点が集中していた大問と照らし合わせて確認してください。

学年 つまずきやすい単元 戻るべきポイント
中1 正負の数・文字式 符号のルールを数直線でもう一度確認し、文字式は「具体的な数を代入して意味を確かめる」練習に戻る
中2 一次関数・図形の証明 一次関数はグラフ・表・式の3つを行き来する練習、証明は「仮定→根拠→結論」の型を1問ずつ声に出して確認
中3 二次関数・相似 二次関数は中2の一次関数の復習とセット、相似は中2図形の合同条件からの積み上げとして戻る

たとえば中3の相似でつまずいている場合、相似そのものより中2の合同条件があやふやなケースが少なくありません。1学年戻って復習するのは遠回りに見えますが、結果的に最短距離になります。

【英語】学年別つまずきやすい単元と、戻るべきポイント

英語も文法事項が積み上がる教科であり、特に中2以降の単元は中1の基礎が固まっていないと表面的な暗記で終わってしまいます。

学年 つまずきやすい単元 戻るべきポイント
中1 be動詞・一般動詞 「主語ごとにbe動詞が変わる」「一般動詞は否定文・疑問文でdo/doesを使う」という2つのルールを短文で反復
中2 比較・受け身 比較は原級・比較級・最上級の作り方を表で整理、受け身はbe動詞+過去分詞の形を中1のbe動詞に戻って再確認
中3 現在完了・関係代名詞 現在完了は中2の過去形との違いを場面ごとに言い換え、関係代名詞は「2つの文をつなぐ」感覚を中1の代名詞から積み上げ直す

英語のリセットで見落とされがちなのが、「単語は知っているのに文で使えない」状態です。単語帳の暗記だけを増やしても、文の骨格である文法が崩れていれば得点にはつながりません。

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夏休み40日の実践ステップ(診断→戻り学習→仕上げ問題の3段階)

40日間を「診断」「戻り学習」「仕上げ問題」の3段階に分けると、2教科でも無理なく戻れます。1つの単元に何日もかけず、短いサイクルを繰り返すのがコツです。

段階 目安期間 やること
診断 最初の3〜4日 1学期の答案・通知表を見返し、数学・英語それぞれ戻る単元を1〜2個に絞る
戻り学習 中盤の2〜3週間 絞った単元を1日20〜30分、教科書の例題レベルから解き直す
仕上げ問題 最後の1〜2週間 2学期最初の単元につながる応用問題で、戻した内容が定着したか確認する

戻り学習の期間は、1日に2教科両方を欲張らないことがポイントです。数学の日と英語の日を分けるか、1日の中で15分ずつに区切ると、どちらも中途半端にならずに済みます。数学・英語以外の教科も含めた1日の時間割の組み方は中学生の夏休み勉強計画のスケジュール例にまとめていますので、2教科のリセットと並行して他教科の時間配分を考える際に参考にしてください。

自分でリセットが難しいときのオンライン家庭教師の使い方

診断まではできても、戻り学習を一人で続けるのは、大人が想像する以上に根気がいります。特に1学年以上戻る場合、本人だけでは「どこまで戻ればいいか」の判断が難しく、途中で止まってしまうケースをよく見かけます。

こうした場面では、教科ごとに専門の講師がついたオンライン家庭教師「まなぶてらす」を、夏の間だけ短期的に使う方法があります。中学数学・英語の戻り学習に対応できる講師が複数在籍しています。

夏に頼れる数学・英語リセットの講師3名


じゅんじ/John先生

じゅんじ/John 先生

中学数学・高校数学専門、考え方の土台から整える指導。数学(中学生〜高校生)。大阪府立工業高等専門学校で理系基礎を学びました。「ワークはやっているのに点が取れない」原因を整理し、暗記に頼らず考え方から数学を整える指導を行っています。

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アイ先生

アイ 先生

中学英語専門、夏の特別レッスンで文法を総復習。英語(幼児〜高校生)。J-SHINE資格を持つ英語講師歴20年以上。バイリンガル子育ての経験を生かし、夏休み期間は中学英文法を4回で復習する特別レッスンを提供しています。

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たか先生

たか 先生

英語・数学の両方に対応、英検2級以上の指導も可能。英語・数学(中学生〜高校生)。慶應義塾大学法学部卒、TOEIC955点。学校補習から最難関校受験対策まで、中学生の英語・数学を一貫して指導できます。

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3名とも、1学期の答案や通知表を見せながら「どこから戻るか」を相談できる点が共通しています。診断だけ済ませて、戻り学習の伴走をプロに任せるという使い方も可能です。

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よくある質問

Q. どこまで戻ればいいか分からないときは?

1学期の答案で失点した大問から逆算し、教科書の目次を1〜2単元さかのぼって確認します。それでも式や英文の意味がつかめない場合は、さらに1学年戻るのが目安です。数学・英語ともに、「今の学年の教科書を開いて説明できるか」を基準にすると、戻りすぎ・戻り足りないを防げます。

Q. 夏休み中に2教科両方は欲張りすぎでしょうか?

2教科であれば、1日30〜40分ずつの時間配分で十分に両立できます。どちらか1教科に絞る必要はありませんが、同じ日に両方を長時間詰め込むと定着率が落ちるため、曜日や時間帯を分けて取り組むことをおすすめします。

Q. 塾の夏期講習との違いは?

集団の夏期講習は、学年ごとの標準的な範囲を一律に進めるカリキュラムが中心です。一方で1学期の答案から戻る単元を特定するリセット学習は、お子さん個人のつまずき箇所に合わせる必要があるため、個別指導やオンライン家庭教師の方が向いています。

Q. 9月以降の定期テストにどうつながりますか?

2学期最初の定期テストは、1学期の続きの単元から出題されることがほとんどです。夏休みのうちに戻る単元を固めておくと、2学期の新しい単元を1学期の遅れを引きずらずに迎えられます。

Q. 苦手意識が強い子には、どう声をかければよいですか?

「できない」ではなく「戻ればできる」という前提で話しかけると、子どもの表情が変わります。長年指導していると、戻り学習を始めた直後に取り組み方が変わる生徒を何度も見てきました。1学期の答案を一緒に見返す時間そのものが、苦手意識を和らげる第一歩になります。

まとめ

数学・英語は積み上げ型の教科であり、1学期の答案・通知表から戻る単元を特定することが、夏休みリセットの出発点です。診断→戻り学習→仕上げ問題の3段階で40日を組み立てれば、2教科でも無理なく取り戻せます。

なお、数学・英語以外の教科も含めて夏休み全体の学習計画・スケジュールを立てたい方は、前段で紹介した中学生の夏休み勉強計画のスケジュール例もあわせてご覧ください。一人で戻り学習を続けるのが難しいと感じたら、「まなぶてらす」の無料体験レッスンから、お子さんに合う先生を探してみてください。

この記事の著者

まなぶてらす編集部

まなぶてらす編集部

「まなぶてらす」は、勉強も習い事もひとつの場所で学べるオンライン家庭教師サービスです。

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この記事の監修者

坂本七郎

坂本七郎

まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント

5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立しました。

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