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こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。

18×18=? 23×23=?——すぐに答えが言えますか?

第3回・第4回までで、「一の位が5の数」周辺の計算は数秒で解けるようになりました。でも、5以外の数の2乗になると、急に難しく感じますよね。中学受験の算数では 18² = 32423² = 529 といった「5以外の2乗」も普通に登場します。

この記事は、全15回連載 「計算が2倍速くなる!中学受験のための計算スピードアップ術」 の第5回。今回ご紹介するのは 「おやつ式計算」 という、ちょっとユニークな名前の賢くなる計算テクニックです。このテクニックを学ぶと、計算の引き出しがひとつ増え、数の世界の奥深さに気づけるようになります。「こんな解き方もあったんだ!」という発見が、お子さまの数感覚を一段深くし、計算そのものを面白くしてくれます。

今回は少し難しいと感じる方がおられるかもしれませんが、計算の奥深さを知るためのとてもよい回になりますので、ぜひゆっくり読み進めてみてください。

また、別途PDFの練習問題も用意しました。ぜひこちらも活用して、計算の練習をしてみてください。

「おやつ式計算」を学ぶ4つのメリット

  • 計算の引き出しが増える——同じかけ算を別の角度から解けるようになる
  • 計算を通して賢くなる——数の仕組みを多角的に捉える思考力が育つ
  • 計算の奥深さに気づける——「こんな解き方もあるんだ」と数学の面白さを発見できる
  • 計算が面白くなる——「ただこなす作業」から「工夫を楽しむパズル」に変わる

ちなみに、なぜ 「おやつ式」 という名前なのか? その理由は記事の途中(応用編)で明らかになります。最後まで読むと、思わず「なるほど!」と納得していただけるはずです。お楽しみに。

この記事を読むとわかること

  • 「おやつ式計算」テクニックの基本3ステップ
  • 18×18、23×23、32×32 などの2乗が暗算で解ける
  • どの数のときに「おやつ式計算」が一番効くのか
  • 中学受験のどんな問題で活躍するか
  • 1つのテクニックを多角的に応用する「思考の引き出し」の作り方
  • 親子で挑戦できる10問の練習問題(解答・解説つき)
Contents

なぜ「おやつ式計算」で2乗がカンタンになるのか?

結論:「同じ数同士のかけ算」を、片方が10の倍数になる形に組み替えられるからです。これが、筆算で時間がかかる計算でも暗算で見えてくる仕組みです。

たとえば 18 × 18 をそのまま筆算で解こうとすると、繰り上がりが多くて時間がかかります。でも、こんなふうに考えてみましょう。

18 × 18 の片方を 2 減らして、もう片方を 2 増やす
16 × 20 になる
→ 16 × 20 は 16 × 2 × 10 = 320。とてもカンタン!

18×18 と 16×20 では、もちろん答えは違います。でも、その差は いつも「離した数の2乗」だけ。今回は 2 ずつ離したので、差は 2 × 2 = 4

つまり:

18 × 18 = 16 × 202 × 2
= 320 + 4 = 324

ポイントは 「離す → ポンと足す」の2ステップだけ。離した分を 2乗してポンと足し戻す——これが「おやつ式計算」テクニックです。

基本3ステップ:おやつ式計算の使い方

結論:①10の倍数まで離す ②離れたあとのかけ算をする ③離した数の2乗を足す——この順番だけです。

ステップ1:片方を「10の倍数」にするまで離す

2乗したい数を見て、「10の倍数まであと何離れているか」を考えます。

  • 17:あと 3 増やせば 20 → 「3 離す」
  • 23:あと 3 減らせば 20 → 「3 離す」
  • 32:あと 2 減らせば 30 → 「2 離す」
  • 48:あと 2 増やせば 50 → 「2 離す」
ステップ2:「離した後の数同士」をかけ算する

片方をプラス、もう片方をマイナスして、同じ数だけ「離します」。すると片方が10の倍数になり、計算がカンタンに。

  • 17×17 → 14 × 20 = 280
  • 23×23 → 20 × 26 = 520
  • 32×32 → 30 × 34 = 1020
  • 48×48 → 46 × 50 = 2300
ステップ3:「離した数の2乗」を最後にポン!

ステップ1で「離した数」を覚えておき、その2乗を最後に足します。

  • 17×17 → 280 + 3×3 = 280 + 9 = 289
  • 23×23 → 520 + 3×3 = 520 + 9 = 529
  • 32×32 → 1020 + 2×2 = 1020 + 4 = 1024
  • 48×48 → 2300 + 2×2 = 2300 + 4 = 2304

このように、「片方を10の倍数まで離して、離した数の2乗をポンと足す」だけで、5以外の数の2乗がスルッと解けます。

パターン別早見表:これだけ覚えておけば大丈夫

結論:10の倍数±1〜±3 の数なら、すべて「おやつ式計算」で3秒以内に解けます。

中学受験で出てくる「2ケタの2乗」のうち、「おやつ式計算」が特に効果を発揮するのは 10の倍数まで±1〜±3 の数です。覚えておくと便利な計算をまとめました。

10の倍数の「ひとつ手前/ひとつ先」の2乗

2乗の式 離す 途中式 答え
19 × 19 1 18 × 20 + 1 361
21 × 21 1 20 × 22 + 1 441
29 × 29 1 28 × 30 + 1 841
31 × 31 1 30 × 32 + 1 961
39 × 39 1 38 × 40 + 1 1,521

10の倍数の「2つ手前/2つ先」の2乗

2乗の式 離す 途中式 答え
18 × 18 2 16 × 20 + 4 324
22 × 22 2 20 × 24 + 4 484
28 × 28 2 26 × 30 + 4 784
32 × 32 2 30 × 34 + 4 1,024
48 × 48 2 46 × 50 + 4 2,304

10の倍数の「3つ手前/3つ先」の2乗

2乗の式 離す 途中式 答え
17 × 17 3 14 × 20 + 9 289
23 × 23 3 20 × 26 + 9 529
27 × 27 3 24 × 30 + 9 729
33 × 33 3 30 × 36 + 9 1,089
47 × 47 3 44 × 50 + 9 2,209
53 × 53 3 50 × 56 + 9 2,809

表をよく見ると、「離す数」が1なら最後に1足す、2なら4足す、3なら9足す。離した数の2乗をポンと足すだけ——この単純さが「おやつ式計算」の真骨頂です。

【補足】12〜19の2乗だけは、別の手段が速いことも

「おやつ式計算」は便利ですが、12〜19の2乗については、答えを覚えてしまうか、本シリーズで後にご紹介する 「インド式計算法」(第7回・第8回で解説)のほうが速いケースもあります。実際の場面では、お子さまに合った方法を選んで使い分けるのがベスト。引き出しが多いほど、計算は楽しく、はやくなります

【実験】なぜ「離した数の2乗」を足すと答えになる?——20×20で確かめよう

結論:20×20を起点に、両端を「同じ数だけ」離していくと、答えはぴったり「離した数の2乗」だけ小さくなります。これが「おやつ式計算」の正体です。

ただ、この『おやつ式計算』、どうしてこの方法で答えが出せるのでしょうか?」——疑問に感じたお子さまには、ぜひ次の実験を一緒にやってみてください。不思議な数字の法則が目で見てわかります。

実験:20×20を起点に、両端を1つずつ離していくと?

20×20=400 を出発点に、両端を「同じ数だけ離した」かけ算をして、答えがどう変わるかを観察してみましょう。

20×20から「離す数」を変えていったときの答え

離す数 かけ算 答え 元との差 差の正体
0 20 × 20 400 0
1 19 × 21 399 1 1×1 = 1
2 18 × 22 396 4 2×2 = 4
3 17 × 23 391 9 3×3 = 9
4 16 × 24 384 16 4×4 = 16
5 15 × 25 375 25 5×5 = 25

結論:「離した数の2乗」だけ、ぴったり答えが減っていく

表をよく見ると、ふしぎな規則が浮かび上がります。

  • 1ずつ離す → 答えは 1(=1×1) 減る
  • 2ずつ離す → 答えは 4(=2×2) 減る
  • 3ずつ離す → 答えは 9(=3×3) 減る
  • 4ずつ離す → 答えは 16(=4×4) 減る
  • 5ずつ離す → 答えは 25(=5×5) 減る

差を順に並べると 1、4、9、16、25…。つまり 1、2、3、4、5…の2乗の数ずつ、ぴったり答えが小さくなっていく——これが、どんな数でも成り立つ不思議な規則です。

逆に言えば:

離れたかけ算の答え + 離した数の2乗 = もとの2乗

これが「おやつ式計算」の正体です。だから、ずらしたかけ算にした後に「離した数の2乗」をポンと足せば、もとの2乗の答えが正確に出るのです。計算って、ちょっとした工夫で、こんなに奥深く、面白くなる——おもしろいですよね。

応用編:「離す」と「近づける」——使い方は2方向ある

結論:「おやつ式計算」は、計算のスタートの形によって2つの使い方があります。「同じ数の2乗」なら離して足す、「離れた数同士のかけ算」なら近づけて引く——この2ルールで応用範囲が一気に広がります。

ここまでの基本パターンは「同じ数の2乗」(17×17 など)を「離して足す」形でした。実は反対方向、つまり 最初から離れている数同士のかけ算 も、同じ仕組みで解けます。違いは 足すか引くか だけ。

パターン①:同じ数の2乗を解く →「離す」+「足す」

これが基本パターン。同じ数同士のかけ算(17×17 など)を、片方を10の倍数まで「離して」ラクなかけ算に変え、最後に「離した数の2乗」を 足す

17 × 17(同じ数の2乗)
① 17 を中心に、片方を3引いて、もう片方に3足す → 14 × 20
② 14 × 20 = 280
③ 離した数の2乗(3×3 = 9)を 足す → 280 + 9 = 289

パターン②:離れた数同士のかけ算を解く →「近づける」+「引く」

逆に、最初から「離れた数同士」のかけ算(18×22 など)を解きたいときは、両端を「近づけて」中心の2乗にし、そこから「離れていた距離の2乗」を 引きます

18 × 22(中心20 から ±2 離れている)
① 18 と 22 の中心を取る → 20
② 中心の2乗 → 20 × 20 = 400
③ 離れていた距離の2乗(2×2 = 4)を 引く → 400 − 4 = 396

もうひとつ:17 × 23(中心20 から ±3 離れている)
20² − 3² = 400 − 9 = 391。あっという間です。

「近づけて引く」が最も力を発揮するのは、中心が「10の倍数」のとき

このパターンは、両端を足して2で割った 中心が10の倍数(10、20、30、40…) になるかけ算で最も簡単になります。中心の2乗(100、400、900、1600…)が一瞬で出せるからです。

たとえば:

  • 18 × 22 / 19 × 21 / 17 × 23(中心20)→ 400 から「離れた数の2乗」を引くだけ
  • 31 × 29 / 32 × 28(中心30)→ 900 から「離れた数の2乗」を引くだけ

両端を見て「あ、足して 40(中心20)/足して 60(中心30)になる」と気づけたら、数秒で答えが出ます。

応用:中心が「5の倍数」のときは、第3回の『5の2乗』テクニックと合わせ技

両端の中心が 15、25、35 のような 「5の倍数」 のときも、じつはカンタンに解けます。第3回でマスターした「一の位が5の2乗」テクニックを使えば、中心の2乗が一瞬で求められるからです。

  • 16 × 14 / 17 × 13(中心 15、15² = 225)
     ・16 × 14 = 225 − 1 = 224 / 17 × 13 = 225 − 4 = 221
  • 26 × 24 / 27 × 23(中心 25、25² = 625)
     ・26 × 24 = 625 − 1 = 624 / 27 × 23 = 625 − 4 = 621
  • 38 × 32 / 37 × 33(中心 35、35² = 1225)
     ・38 × 32 = 1225 − 9 = 1216 / 37 × 33 = 1225 − 4 = 1221

第3回の「5の2乗」テクニックと「おやつ式計算」を組み合わせると、応用範囲が一気に広がります。テクニックは単独で使うより、組み合わせたときに真価を発揮するんです。

2つのルールまとめ早見表

「離す」と「近づける」——使い分け早見表

スタートの形 動き 計算ルール
同じ数 × 同じ数
(17×17 など)
離す ずらしたかけ算
離した数の2乗
14×20 + 9
= 289
離れた数 × 離れた数
(18×22 など)
近づける 中心の2乗
離れた距離の2乗
400 − 4
= 396

「離す → 足す」「近づける → 引く」——たった2つの動きを覚えるだけで、応用範囲が大きく広がります。両方とも仕組みは同じ「和と差の積」。方向が違うだけ、と理解するとスッキリ整理できます。

「テクニックは思考の終わりではなく、新しい思考の出発点」

計算テクニックを単に「速く解く道具」と捉えてしまうと、そこで思考が止まってしまいます。
そうではなく、「ほかの計算にも使えないか?」「なぜこれで答えが出るのか?」 と考えていく——これが、AI時代に必要な「多角的な視点で数の仕組みを捉える力」につながります。

なぜ「おやつ式計算」という名前なのか?——「遠足のおやつ」を思い出そう

結論:このテクニックの「離す→足す/近づける→引く」というルールが、私たちが普段から知っている 「遠足のおやつ」 の感覚と同じだから。だから 「おやつ式計算」 と名付けました。

記事の冒頭で 「『おやつ式』という名前の由来は記事の途中で明らかになります」 とお伝えしました。お待たせしました。ここでその理由をご紹介します。

先ほど学んだ2つのルール——「離す → 足す」「近づける → 引く」。じつはこの動き、日常生活でみなさんが普段から自然にやっていることなんです。たとえば、「遠足のおやつ」を思い浮かべてみてください。

  • 遠い遠足ほど、おやつや飲み物を 多めに足して 持っていきますよね。
  • 近場の散歩なら、持ち物は 引いて 少なくてOK。

計算でも、これと同じ。「離す → 足す」「近づく → 引く」——この感覚は、生活の中ですでに身についている直感なんです。だから、ルールが頭に残りやすい。「遠足のおやつ」を合言葉にすれば、お子さまも自然に手順を思い出せます。

普段の計算で「あ、この数、10の倍数の近くだ」と気づいたら、心の中で 「遠足のおやつ」 とつぶやいてみてください。すると 「離す→足す/近づける→引く」 の手順が、するっと出てきます。日常の感覚と計算がつながる瞬間——これが、計算が面白くなる第一歩です。

気づきましたか?——第3回の「5の2乗」も、じつは「おやつ式計算」の仲間

結論:第3回でマスターした『一の位が5の2乗』テクニックは、じつは「おやつ式計算」の特別な場合だったのです。バラバラに見えるテクニックも、その奥でしっかり繋がっています。

ためしに、25 × 25 を「おやつ式計算」のやり方で解いてみてください。

25 × 25(おやつ式計算で解く)
① 片方を 5 引いて、もう片方に 5 足す → 20 × 30
② 20 × 30 = 600
③ 離した数の2乗(5 × 5 = 25)を 足す → 600 + 25 = 625

気づきましたか? これは、第3回の『一の位が5の2乗』テクニック(25×25 = 625)と同じ計算なのです。

第3回では「2 × 3 = 6 を百の位に置き、末尾は 25 で固定」と覚えました。じつは舞台裏で、まったく同じ 「20 × 30 + 25」 という計算が走っていたんですね。

「おやつ式計算」と「5の2乗テクニック」は、見た目は別物でも、奥にある仕組みは同じ兄弟。一見バラバラに見える計算テクニックも、その奥では 同じ法則で繋がっている——これが、数の世界の面白いところです。

こんなふうに、「あれ? これ前のテクニックと同じだ!」と気づける瞬間が、お子さまの数感覚を一段深くしてくれます。テクニックの数を覚えるより、テクニック同士の繋がりを発見するほうが、ずっと大きな学びになります。

中学受験で「おやつ式計算」はどんな場面で使える?

結論:図形の面積、数列、比、平均など、「2ケタの2乗」が出てくる場面ならどこでも使えます。

中学受験の問題では、計算の途中で「あれ、これ2乗だ」と気づく場面が意外と多くあります。

  • 正方形の面積:1辺17cmの正方形 → 289c㎡(17×17 を暗算で計算)
  • 立方体の表面積の一部:1辺23cmの立方体の1面 → 529c㎡
  • 数列・規則性:「1辺nコの正方形に並べた点の総数」を求める問題
  • 比・割合:相似比 17:23 の面積比を計算(17² と 23² が必要)
  • 平均算:「ある数より2大きい数と2小さい数の積」が出てくる問題

とくに 図形の面積問題と数列の問題では「ぱっと出てこないと時間が足りない」場面が多いので、「おやつ式計算」をストックしておく価値は大きいです。

【練習問題】親子で挑戦!「おやつ式計算」10問

ここまでの内容を定着させるため、実際に解いてみましょう。筆算なし・できるだけ暗算で計算しましょう。目標は1問10秒以内です。

練習問題(目標:1問10秒以内)

  1. 19 × 19 = ?
  2. 22 × 22 = ?
  3. 27 × 27 = ?
  4. 32 × 32 = ?
  5. 38 × 38 = ?
  6. 47 × 47 = ?
  7. 53 × 53 = ?
  8. 18 × 22 = ?(応用:±2 で離れた数のかけ算)
  9. 27 × 23 = ?(応用:中心が「5の倍数」の合わせ技)
  10. 33 × 27 = ?(応用:±3 で離れた数のかけ算)

解答と解説

  1. 19 × 19 → 18 × 20 + 1 = 360 + 1 = 361
  2. 22 × 22 → 20 × 24 + 4 = 480 + 4 = 484
  3. 27 × 27 → 24 × 30 + 9 = 720 + 9 = 729
  4. 32 × 32 → 30 × 34 + 4 = 1,020 + 4 = 1,024
  5. 38 × 38 → 36 × 40 + 4 = 1,440 + 4 = 1,444
  6. 47 × 47 → 44 × 50 + 9 = 2,200 + 9 = 2,209
  7. 53 × 53 → 50 × 56 + 9 = 2,800 + 9 = 2,809
  8. 18 × 22 → 中心20 の2乗から ±2 の2乗を引く:400 − 4 = 396
  9. 27 × 23 → 中心 25 の2乗(25² = 625)から ±2 の2乗を引く:625 − 4 = 621
  10. 33 × 27 → 中心30 の2乗から ±3 の2乗を引く:900 − 9 = 891

すべて10秒以内で解けたお子さまは、「おやつ式計算」を応用形まで含めて使いこなせる状態になっています。普段の計算でも、「あ、この数、10の倍数の近くだ」 と気づいたら反射的にこのワザが出るよう、繰り返し練習を続けていきましょう。

【おまけ】簡単な検算術:1の位を見るだけでミスが減る

結論:答えの「1の位」は、もとの数どうしの「1の位」をかけ算した結果の1の位と必ず一致します。これだけで素早い検算ができ、正答率がぐんと上がります。

「おやつ式計算」で答えを出したあと、最後に 「1の位だけパッと確認する」 ——たったこれだけで、計算ミスを大きく減らせます。やり方はとてもシンプルです。

27 × 27 = 729 の場合
① 1の位どうしをかける → 7 × 7 = 49
② 49 の1の位は 9 → 答えの1の位も 9 でOK ✓

38 × 38 = 1,444 の場合
① 1の位どうしをかける → 8 × 8 = 64
② 64 の1の位は 4 → 答えの1の位も 4 でOK ✓

もし答えの1の位がチェック結果と 違っていたら、必ずどこかで計算ミスをしているサインです。すぐに見直せばリカバリーできます。

2乗だけでなく、ふつうのかけ算でも同じです。たとえば 18 × 22 なら、8 × 2 = 16 なので答えの1の位は 6。実際の答え 396 の1の位はちゃんと 6 ですね。

「答えを出したら、1の位だけパッと確認する」——この習慣をつけるだけで、お子さまの正答率はぐんと上がります。中学受験のテスト本番でも、ぜひ使ってみてください。

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この記事は、まなぶてらすが中学受験生の保護者向けにお届けする、全15回の賢くなる計算テクニック連載の第5回です。今後も、平日1日1本ずつ「思考の引き出し」を増やすテクニックをお届けしていきます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 「おやつ式計算」はどの数まで使えますか?

A. 基本は 10の倍数まで±1〜±3 離れている数なら、すべてカンタンに使えます。それより離れる(4以上)と「ポン」と足す数(離した数の2乗)が大きくなり、暗算が大変になります。第3回の「5の2乗」テクニックや、第6回以降のテクニックなど、状況に応じて引き出しを使い分けるのが理想です。

Q2. なぜ「離した数の2乗」を足すと答えになるのですか?

A. 本記事の【実験】セクションで20×20を起点に確かめています。1ずつ離すと差は1(=1×1)、2ずつ離すと差は4(=2×2)、3ずつ離すと差は9(=3×3)…と、離した数の2乗だけ答えが減る規則が成り立つからです。図形で考えるなら、17×17 を 14×20 にしたとき「正方形」が「長方形」に形を変え、その差がちょうど「離した分の小さな正方形(離した数の2乗)」の面積になります。お子さまには 方眼紙でマスを数えてもらうと、ピンと来やすいですよ。

Q3. 「一の位が5」のときも「おやつ式計算」を使えますか?

A. 使えなくはないですが、第3回の「5の2乗」テクニックのほうが圧倒的に速いので、そちらを使ってください。おやつ式計算は「5以外の数の2乗が必要なとき」に最も価値を発揮します。数によって使うテクニックを切り替える——これが「思考の引き出し」を持っているということです。

Q4. 子どもがすぐ「3つ離す」と「2乗が9」を忘れてしまいます。

A. 最初のうちは、「離した数」と「足す数(2乗)」を声に出すクセをつけるとミスが減ります。「17×17、3離す、9足す!」と口に出しながら計算する練習を10問ほど繰り返すと、自然に身につきます。慣れてきたら声を出さずに頭の中だけでOK。

Q5. このテクニックを使うと、計算スピードはどのくらい上がりますか?

A. 正直に申し上げると、慣れないうちは筆算と比べて、そこまで大きくスピードは変わりません。1問あたり数秒程度の違いです。
ただ、このテクニックの本当の価値は 「速さ」ではなく「考え方の引き出しが増えること」 にあります。
「おやつ式計算」のような工夫を知ると、お子さまの計算は 「単純に頭を使わない筆算」から「数の仕組みを考える計算」 へと変わっていきます。「あ、こんな見方もできるんだ」と気づく瞬間が、思考の引き出しを一段ずつ増やしてくれます。
中学受験の算数では、最終的に問われるのは 「賢くなる計算力」。テクニックを覚えるたびに、数感覚と思考力が同時に磨かれていく——これがおやつ式計算を学ぶ最大の意味です。

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次回予告

第6回:2桁×2桁は「ずらし書き」で速くなる

第5回までで、「2乗」のテクニックは一通り出揃いました。次回は 同じ数同士でない、ふつうの2桁×2桁のかけ算を爆速にする、インド式の「ずらし書き」テクニックをご紹介します。筆算の常識が変わる衝撃のワザ——次回もお楽しみに。

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この記事の著者

坂本七郎

坂本七郎

まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント

5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。

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▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)

でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
中学受験は2科目だけ勉強すればいい(ナツメ社)




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オンライン家庭教師「まなぶてらす」
単発・短期から受講できる 小・中・高校生のためのオンライン個別指導サービス。授業はすべて対面式のマンツーマン。<指導科目> 5教科、中学受験、高校受験、大学受験、そろばん、プログラミング、英会話、理科実験、ピアノ、将棋、作文など。まなぶてらす