漢字が覚えられない小学生の覚え方|学年別のコツと5つの工夫
※本記事には「まなぶてらす」のサービス紹介が含まれます
「漢字ドリルを何ページも書かせているのに、翌週の小テストでまた同じ字を間違える」「昨日覚えたはずの漢字を、今日はもう思い出せない」——漢字の宿題をめぐって、親子でため息をついているご家庭は少なくありません。
小学校の6年間で学ぶ漢字は1026字です(出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」別表 学年別漢字配当表)。1年生の80字から始まり、4年生では202字と学年が上がるほど負担は増えていきます。同じやり方のまま学年だけ上がると、どこかで必ず追いつかなくなります。
この記事では、漢字が覚えられない小学生に何が起きているのかを整理したうえで、家庭でできる5つの工夫と、低学年・中学年・高学年それぞれのやり方の変え方を解説します。「何度やっても覚えられない」ときに考えたい別の可能性と、親の声かけで気をつけたい点もあわせて紹介します。
なぜ漢字が覚えられない?小学生に多い4つの原因
漢字が覚えられない小学生の多くは、覚える力が弱いのではなく、記憶に残りにくいやり方で練習しています。よくある原因は次の4つです。
1. 書く作業が「作業」になっている……手は動いていても、頭は別のことを考えている状態。10回書いても、思い出す作業を1回もしていないことがあります。
2. 意味とセットで覚えていない……字の形だけを追っていると、読み方も使い方も結びつかず、テストで「どの漢字だったか」を思い出せません。
3. 復習のタイミングが合っていない……テスト前日にまとめて詰め込むと、テストが終わった瞬間に抜けていきます。
4. 学年が上がって量と複雑さが増している……3年生以降は字数も画数も一気に増えます。低学年のやり方のままでは間に合いません。
逆にいえば、この4つはやり方を変えるだけで手を打てるものばかりです。順番に見ていきましょう。
小学校で習う漢字は何字?学年別のつまずきポイント
学年別漢字配当表とは、小学校の各学年で学ぶ漢字を文部科学省が定めた表のことです。2017年に告示され2020年度から全面実施されている現行の学習指導要領では、6年間で1026字を学びます。学年ごとの内訳は次のとおりです。
学年別に習う漢字の数(学年別漢字配当表)
| 学年 | 字数 | つまずきやすいところ |
|---|---|---|
| 1年生 | 80字 | 画数は少ないが、書き順・字の形がまだ安定しない |
| 2年生 | 160字 | 字数が倍に。似た形の漢字を取り違えはじめる |
| 3年生 | 200字 | 画数が増え、部首・熟語が本格化。つまずきが表面化しやすい学年 |
| 4年生 | 202字 | 都道府県名に使う漢字が加わり、6学年で最も多い |
| 5年生 | 193字 | 「政」「税」など抽象的な語が増え、意味がつかみにくい |
| 6年生 | 191字 | 熟語での出題が中心に。読解力とあわせて問われる |
相談が増えるのは、3年生と4年生です。低学年のうちは「たくさん書く」で乗り切れていた子も、この時期に量が追いつかなくなります。1年生の80字と4年生の202字では、同じ1週間でも負担がまるで違うからです。
「たくさん書けば覚えられる」は本当?練習量と定着が比例しない理由
ある程度書き慣れた漢字については、書く回数を増やすよりも「思い出す回数」を増やすほうが記憶に残りやすくなります。人の記憶は、情報を入れた回数ではなく、取り出そうとした回数で定着していくためです。10回書き写す作業は、思い出す機会がゼロのまま手だけを動かしていることがあります。
まなぶてらすでは、代表・坂本七郎が考案した漢字の学習法「[さかもと式]見るだけ暗記法」を公開しています。中学受験版の問題集を制作した際に小学5年生から中学1年生の78人に試してもらったところ、漢字10問を覚えるのにかかった平均タイムは2分26秒で、9割の子が漢字学習の時間短縮に成功しました(出典:まなぶてらす「[さかもと式]見るだけ暗記法」公式ページ)。7日後の再テストでも、8割以上の子が記憶を保持していました。
まず答えを隠してテスト → 間違えた字だけを短時間で覚える → もう一度テストする。「思い出す」作業が毎回入るので、覚えたかどうかがその場で分かります。
お手本を見ながらノートに10回ずつ書き写す。一度も思い出していないため、書き終えた直後でもテストにすると書けないことがあります。
ただし、これはすでにある程度書き慣れた漢字の話です。初めて出会う漢字や、まだ手が形を覚えていない漢字は、数回書いて練習してからのほうがうまくいきます。書く練習そのものが不要になるわけではありません。
漢字が覚えられない小学生の覚え方|家庭でできる5つの工夫
やることは「思い出す回数を増やし、覚える対象を減らし、間隔をあけて戻る」の3点に集約されます。今日から家庭で試せる形に分けると、次の5つになります。
ドリルを開いたら、いきなり書き写さずに答えを紙で隠してテストします。10問を1分程度が目安です。できる漢字とできない漢字を、最初に切り分けてしまうのがねらいです。すでに書ける字を10回書く時間は、そのまま節約できます。
テストで書けなかった字だけをノートに書き写し、その日の練習対象にします。10問中3問なら、覚える対象は3字です。対象が減るほど、子どもは「これならできそう」と感じます。全問やり直しは、できる字の練習に時間を使ってしまうので避けます。
覚える時間は30秒、テストは1分というように、キッチンタイマーで区切ります。だらだら眺める時間をつくらないためです。時間が短いほど集中しやすく、「あと30秒」という区切りがあるほうが子どもは取りかかりやすくなります。
「機」の形だけを覚えるより、「機械」「機会」と熟語で覚えるほうが記憶に残ります。部首に注目して「さんずいは水に関係がある」と整理するのも有効です。漢字は形の暗記ではなく、言葉の学習として扱うほうが定着します。読み方や意味が分からない字が出てきたら、その場で辞書を引く習慣をつけたいところです。
1回10問を3分程度で終える形にして、1日2〜4回分(10分前後)を目安にします。そのうえで、翌日と1週間後にもう一度同じ範囲をテストします。週末にまとめて2時間やるより、毎日10分を続けて時間をあけて戻るほうが、記憶は長く残ります。暗記全般に共通する考え方は効率の良い暗記方法のコツは繰り返しとタイミングでも解説しています。
準備するものは、えんぴつ・消しゴム・赤ペン・ノート・キッチンタイマーの5つだけです。かかった時間を記録して、タイムが縮んでいくのを一緒に楽しむと続きやすくなります。
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学年別|低学年・中学年・高学年で覚え方はどう変える?
同じ「漢字の覚え方」でも、低学年と高学年では重点を置く場所が変わります。学年に合わないやり方を続けることが、つまずきの原因になっていることも少なくありません。
低学年(1〜3年生)|書いて手に馴染ませる時期
この時期は、漢字の基本的な形と書き順を体で覚えることが土台になります。低学年で「書く練習」を省くのはおすすめしません。ただし、量を増やせばよいわけではありません。1字あたり3回ていねいに書くほうが、10回雑に書くより形は安定します。「はねる」「とめる」を声に出しながら書くのも効果的です。
中学年(4〜5年生)|部品の組み合わせとして捉える
4年生あたりから、漢字は「すでに覚えた部品の組み合わせ」になってきます。見て覚える方法が効いてくるのは、この段階からです。「晴」は「日+青」というように分解して捉えると、画数の多い字も一気に覚えやすくなります。書く練習中心から、テストと短時間の暗記を往復する形へ切り替える時期です。
高学年(6年生)|熟語と意味理解をセットにする
高学年で出てくる漢字は、抽象的な言葉が中心になります。字が書けても意味が分からなければ、読解問題でつまずきます。単漢字ではなく熟語で覚え、例文の中で使い方まで確認するところまでを1セットにします。中学入学後の学習にも、そのままつながっていく部分です。
力試しの機会がほしい場合は、漢字検定という選択肢もあります。学年に対応した級から挑戦できるので、目標が定まりにくいお子さんには区切りとして使えます。始め方は漢字検定・数学検定、2学期から始めるなら今|家庭学習のスケジュールと級の選び方で詳しく解説しています。
それでも覚えられないときは?読み書きのつまずきを考える
やり方を変えても漢字だけが極端に定着しない場合は、努力不足と決めつけずに、読み書きそのものの難しさを考えてみる価値があります。たとえば、文字の形を見分けることや、音と文字を結びつけることに困りやすいお子さんもいます。学習障害(LD)の特性がある場合、漢字の書き取りに特に苦労が出ることが知られています。
気になるサインとしては、たとえば次のようなものが挙げられます。ただしこれらは一例で、当てはまるからといって診断につながるものではありません。
・音読では読めるのに、書くとなると極端に手が止まる
・鏡文字や、部品の左右が入れ替わった字が学年が上がっても続く
・ほかの教科は問題ないのに、漢字だけが定着しない
・練習量に対して、テストの結果が明らかに見合わない
心配なときは、学校の先生やスクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口に相談してみてください。読み書きに配慮のある学び方については学習障害(LD)の子向けオンライン塾はどう選ぶ?読み書き・計算のフォロー視点で、まなぶてらすの取り組みについては発達障害サポートのページでご案内しています。
親のサポートで気をつけたい3つのこと
漢字の練習で子どものやる気を落とす原因の多くは、量そのものではなく声かけの向きにあります。次の3点を意識するだけで、家庭の空気は変わります。
1. 「何回書いたの?」ではなく「何問できた?」と聞く……評価の対象を作業量から結果に移すと、子どもは効率のよいやり方を探すようになります。
2. 全部やり直しをさせない……書けた字まで消してやり直させると、できた実感が消えます。直すのは間違えた字だけで十分です。
3. 「思い出せた」瞬間をほめる……前回間違えた字を今日は書けた、という変化こそが定着のサインです。点数よりも、前回からの伸びを見てあげてください。
それでも家庭では言い合いになってしまう、というご相談はよくあります。漢字の練習は毎日のことなので、親子だとどうしても感情が入りやすいものです。第三者である先生が間に入るだけで、同じ内容でもすんなり進むケースは少なくありません。
まなぶてらすが漢字・国語の相談で選ばれる理由
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・200名以上の先生から選べる……音読・語彙・読解と、伸ばしたい部分に合わせて選べる。
・多くの先生が初回無料体験に対応……相性を確かめてから決められる。
・レッスンは1コマ50分……Google Meetを使った完全マンツーマン。手元を映して書き方を見てもらうこともできる。
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漢字・国語のサポートにおすすめの先生5名
まなぶてらすで漢字・語彙・国語をサポートしている先生を5名ご紹介します。「音読から意味ごと」「語彙とセットで」「国語の土台づくり」「テストで思い出す」「反復と学習習慣」——お子さんのつまずき方に近いタイプの先生を、無料体験で見比べてみてください。

まきえ 先生
音読から言葉の意味ごと定着させる、音読専門の国語講師。関西の大手進学塾に約17年勤務し、国語音声指導部門で生徒指導と講師育成を担当してきました。小学生には音読を併用した読解レッスンのほか、朝の10分間音読レッスンもあります。未就学から高校生まで対応。

Hara 先生
漢字を「言葉の意味」から入れ直すタイプ。小学1年生から対応。漢字練習に出てくる言葉の意味を解説し、生徒とオリジナル辞典を作る指導で、漢字検定の合格や読書習慣の定着につなげてきました。国語・算数のほか日本語指導にも対応しています。

たたみ 先生
語彙・読解・記述まで、国語の土台をまとめて立て直すタイプ。小・中学生の国語と中高生の英語が専門で、大手進学塾講師5年・通信制高校講師4年の経験を持ちます。国語は複合的な力が必要なため、小学4年生くらいからの積み上げをすすめています。

たみ 先生
レッスンにミニ漢字テストを組み込み、「思い出す」機会を作るタイプ。専門は国語と数学で、塾講師・家庭教師歴17年、現在も年間1000レッスンを継続しています。「わかる・解ける・点数が上がる」の流れを作ることを大切にしています。小学4年生から対応。
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よくある質問
Q. 漢字は何回書いて練習すればいいですか?
回数を決めるより、テストで確かめるほうが確実です。初めて習う漢字は書き順を確かめながら3回程度ていねいに書き、そのあとは答えを隠したテストで確認します。書けた字はそれ以上練習せず、書けなかった字だけを繰り返します。低学年のうちは書く練習そのものが土台になるので、省かないでください。
Q. 「見て覚える」方法は何年生から使えますか?
おすすめは小学4年生以上です。小学1〜3年生は漢字の基本的な形を覚えるうえで大切な時期なので、まずは書くことで手に馴染ませる学習が中心になります。4年生以降は漢字が覚えてきた部品の組み合わせになってくるため、見て覚える方法に取り組みやすくなります。
Q. 漢字が覚えられないのは発達の特性が関係していますか?
関係している場合もありますが、練習のやり方が合っていないだけのことも多くあります。ほかの教科は問題ないのに漢字だけが極端に定着しない、練習量に対して結果が見合わない、といった状態が続くときは、学校の先生やスクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口に相談してみてください。特性がある場合も、覚え方の工夫で負担を減らせることがあります。
Q. 漢字ドリルの宿題が多すぎて終わりません。減らしてもいいですか?
学校の宿題の分量は、まず担任の先生に相談することをおすすめします。そのうえで家庭学習の時間の使い方は調整できます。書ける字を繰り返し書く時間を減らし、書けない字に時間を寄せるだけでも、総量は変えずに負担感は下がります。取り組んだ時間や達成度を先生に共有しておくと、相談もしやすくなります。
Q. 漢字検定は漢字が苦手な子にも意味がありますか?
目標が定まりにくいお子さんには区切りとして使えます。学年に対応した級から受けられるので、いまの実力より少し下の級から始めて成功体験を作る使い方もできます。合否そのものより、受検日という締め切りができることで日々の練習が続けやすくなる点が利点です。
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参考文献
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」別表 学年別漢字配当表 平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説)
- まなぶてらす「[さかもと式]見るだけ暗記法」公式ページ(中学受験版制作時に小学5年生〜中学1年生78人で実測) [さかもと式]見るだけ暗記法
この記事の著者
まなぶてらす編集部
「まなぶてらす」は、勉強も習い事もひとつの場所で学べるオンライン家庭教師サービスです。一人ひとりの「好き」や「得意」を伸ばし、お子さまの強みを育てることを大切にしています。学びに関する最新情報や、家庭学習に役立つ知識をお届けします。
この記事の監修者
坂本七郎
まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント
5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。


