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「1学期はなんとかなったけれど、2学期の算数は大丈夫だろうか」——夏休みも終盤に入り、そんな不安がふと頭をよぎる保護者の方は少なくありません。実際、小学校の算数は2学期に山場の単元が集まりやすい時期です。小1のくり上がり、小2の九九、小3のあまりのあるわり算、小5の単位量あたりの大きさ……名前を聞くだけで「うちの子、大丈夫かな」と感じる単元が並びます。

坂本七郎
坂本七郎
算数のつまずきとは、その単元の内容が難しくて理解できない状態というより、その単元を学ぶために必要な前の学年・前の単元の力(素地)が固まっていない状態を指します。だからこそ、2学期が始まってから慌てるより、「この単元がもうすぐ来る」と保護者が知っておくほうが、はるかに手を打ちやすいのです。

この記事では、小1から小6まで「2学期につまずきやすい算数の単元」と、その手前で必要になる素地(前提スキル)を学年別に整理します。あわせて、夏休みの残りを使って1日10分でできる先回り準備と、買い物・時計・料理など生活の中で数に触れる方法もご紹介します。ドリルを追加で買い込む必要はありません。

なぜ2学期の算数は「山場」と言われるの?

2学期の算数が山場と言われるのは、数を「目で見て数えられるもの」から「頭の中で操作するもの」へ切り替える単元が集中するためです。指を折って数えられたたし算が、10のまとまりを頭の中で作る「くり上がり」に変わる。同じ数を足し続けていた計算が、「かけ算」というまったく新しい考え方に置きかわる。この切り替えが、多くのお子さんにとって最初の関門になります。

ここで押さえておきたいのが「つまずき」の正体です。九九が覚えられないのは記憶力の問題ではなく、「同じ数のまとまりが増えていく」感覚が育っていないから。割合がわからないのは小5からの勉強不足ではなく、小数のかけ算・わり算があいまいだから——というように、原因は多くの場合ひとつ手前にあります

なお、すでに1学期の内容にあいまいさが残っていると感じている場合は、先回りより先に振り返りが有効です。その進め方は1学期の苦手を親子で棚卸しする方法をまとめた記事で詳しく紹介しています。この記事は逆に、これから出会う新しい単元への先回りに絞ってお伝えします。

学年別・2学期につまずきやすい算数の単元は?【小1〜小6】

学年ごとに、2学期に出会いやすい山場の単元は次のとおりです。まず全体像をつかみ、お子さんの学年の行を確認してみてください。

読むときの前提……どの学年で何を学ぶか(学年配当)は、文部科学省の学習指導要領で決まっています。一方で、その単元を1学期・2学期・3学期のどこに置くかは教科書会社や学校によって異なります。ここに示すのはあくまで一般的な配列の目安です。正確な時期は、お子さんの教科書の目次や学校からの年間計画でご確認ください。また「家庭で気づきやすい様子」は、調査データに基づく指標ではなく、家庭で様子を見るときの目安です。当てはまるからつまずいている、と決まるわけではありません。

学年別・2学期につまずきやすい算数の単元マップ(一般的な配列の目安)

学年 2学期に出会いやすい山場の単元 家庭で気づきやすい様子(目安)
小1 くり上がりのあるたし算/くり下がりのあるひき算 8+5のような計算で、いつまでも指が必要/答えが出るまで時間がかかる
小2 かけ算(九九)。2学期後半の最大の山場 唱えられる段と怪しい段の差が大きい。7・8の段で止まる
小3 あまりのあるわり算、分数・小数の入り口 わり算に時間がかかる。あまりの意味を説明できない
小4 面積、概数(がい数)、小数のしくみ 単位(cm・m・平方センチ)が混ざる。四捨五入の位を間違える
小5 単位量あたりの大きさ・平均、異分母の分数のたし算ひき算、速さ(3学期に扱う学校もあります) 式は書けるが「なぜわり算か」を言えない。通分でつまる
小6 比例と反比例、比、データの活用 「1あたり」の考え方でつまずく。表やグラフを読み飛ばす

なお、多くの保護者が身構える割合・百分率は小5で学ぶ内容です。多くの教科書では、小5の後半から3学期にかけて扱われます。2学期のうちに小数のかけ算・わり算を安定させておくことが、そのまま割合の準備になります。保護者からの相談が多い割合こそ、手前の単元で差がつくのです。

つまずく前に見ておく「素地」とは?学年別の前提スキル

素地とは、これから学ぶ単元を理解するために、その手前で身についていてほしい力のことです。2学期の単元そのものを先取りする必要はありません。素地さえ整っていれば、新しい単元は学校の授業でちゃんと入っていきます。学年別に見ていきましょう。

小1:10の合成・分解……「あといくつで10になる?」に即答できること。くり上がり・くり下がりはこの力の上に成り立ちます。
小2:同じ数のまとまりを数える経験……2とび・5とびで数える(スキップカウント)。九九を唱える前に「同じ数がいくつ分」という感覚を持っておくこと。
小3:九九の完全定着……わり算は九九の逆算です。九九にあいまいな段があると、わり算とあまりで一気に止まります。
小4:かけ算の筆算と単位の感覚……面積はかけ算、概数は位の理解が土台。1cmや1mの長さを手で示せるかも確認したいところです。
小5:小数のかけ算・わり算、倍数と約数……単位量あたりの大きさや速さは小数のわり算が前提。約分・通分は倍数・約数の理解が前提になります。
小6:割合(小5)の理解……比も比例も、もとにする量と比べる量の関係がわかっていることが出発点です。

素地の確認は、机に向かわせなくてもできます。お風呂で「8といくつで10?」と聞く。買い物中に「5個入りが3袋なら全部でいくつ?」と聞く。それだけで、どこがあいまいかは十分に見えてきます。

また、計算はできるのに文章問題になると止まる、というタイプのつまずきもあります。この場合は素地の問題というより「読み取り」の課題であることが多く、対処法が変わります。詳しくは計算はできるのに文章問題が解けない子のつまずきの根っこを解説した記事をご覧ください。

夏休み最後の2週間は何をすればいい?1日10分の先回り準備

夏休みの残りでやることは、ドリルを増やすことではなく「素地をひとつだけ選んで、毎日10分だけ触れる」ことです。この時期に詰め込むと、算数そのものが嫌いになりかねません。次の3ステップで進めてみてください。

ステップ1:お子さんの学年の「素地」を1つだけ選ぶ

前章の一覧から、お子さんの学年に当たるものを1つだけ選びます。小2なら「2とび・5とびで数える」、小5なら「小数のわり算」というように、欲張らず1点に絞ることが続けるコツです。すでにできていそうなら、次の学年のものではなく1つ前の学年の素地を確認してください。手前が固まっているほど、新しい単元は楽になります。

ステップ2:1日10分・問題数は10問までにする

時間は10分、問題は10問が上限です。短いからこそ毎日できます。10問全部が正解なら、そこは大丈夫と判断してよいでしょう。3問以上まちがえたら、そこが2学期のつまずきポイントになる可能性が高いので、同じ範囲をもう数日続けます。大切なのは量ではなく「毎日同じ時間に、短く」触れることです。

ステップ3:予習は「言葉に触れておく」だけでいい

2学期の単元そのものを教え込む必要はありません。教科書の目次を一緒に眺めて、「9月からこういうのをやるんだね」と言葉に触れておくだけで十分です。初めて聞く言葉が授業でいきなり出てくるのと、一度目にしたことがあるのとでは、子どもの構え方が変わります。5分もあればできます。

夏休みの宿題がまだ残っているご家庭は、まず宿題の見通しを立ててから10分の枠を作りましょう。段取りの立て方は夏休みの宿題が終わらないときの計画の立て方をまとめた記事が参考になります。

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生活の中で数に触れるには?買い物・時計・料理でできること

素地づくりでいちばん効率がいいのは、実は机の上ではなく生活の中です。数が「量」として体に入っている子は、抽象的な単元に進んでも崩れにくくなります。夏休みの残りだからこそできる関わり方を挙げます。

生活の中でできる「数の体験」
  • 買い物……「98円のものを3つ買ったら、だいたいいくら?」と概数の感覚を育てる(小4の概数、小2のかけ算の素地)
  • 時計……「出発まであと何分?」を口頭で聞く。60進法に触れることが、小3の時間の計算につながる
  • 料理……計量カップで「200mlの半分は?」を体験する。小数・分数の量感が育つ(小3〜小5の素地)
  • お小遣い……300円で何が買えるかを考えさせる。もとにする量と比べる量の感覚が自然に入る(小5の割合の素地)

もうひとつ、計算の素地を体で覚える方法としてそろばんがあります。珠を動かして数のまとまりを作る動作は、小1のくり上がりや小2の九九と相性がよく、頭の中に数のイメージを持てるようになると計算のスピードとミスの少なさが変わります。そろばんは4〜5歳から始めることができます。詳しくは算数が苦手な子にこそそろばんをおすすめする理由を解説した記事や、そろばん・暗算のオンラインレッスンのご案内をご覧ください。

それでもつまずいたら?様子見で長引かせないための考え方

算数のつまずきは、放っておいても自然に追いつくことはあまりありません。積み上げ型の教科なので、あいまいなまま次の単元に進むと、わからない範囲が学期を追うごとに広がっていくからです。次のようなサインが出たら、様子見の期間を長くしすぎないほうが安全です。

サイン1:宿題にかかる時間が急に伸びた……同じ分量なのに倍近くかかるなら、手前の計算で止まっている可能性があります。
サイン2:答えは合っているのに説明できない……手順を暗記してしのいでいる状態。次の単元で崩れやすいところです。
サイン3:算数の話題を避けるようになった……「わからない」と言えない状態が続くと、苦手意識のほうが先に固まってしまいます。

家庭で見てあげられるうちはそれがいちばんですが、親子だと感情が入りやすく、教えるほどお互いに苦しくなるのもよくあることです。そんなときは、第三者に見てもらうという選択肢があります。マンツーマンなら、つまずいている単元だけでなく「どこまでさかのぼる必要があるか」を短時間で切り分けてもらえます。1学期分をまるごとやり直す必要はまずありません。

まなぶてらすが小学生の算数のフォローに選ばれる理由

まなぶてらすは、勉強も習い事もひとつの場所で学べるオンライン家庭教師サービスです。2学期の算数に先回りしたいご家庭にも、つまずいてから立て直したいご家庭にも使いやすい仕組みが整っています。

・入会金・月会費が0円……受けた分だけのポイント制。1回だけ、単元ひとつだけの相談から始められる。
・200名以上の先生から選べる……小学校の算数から中学受験、そろばんまで、目的に合わせて選べる。
・レッスンは基本1コマ50分……Google Meetを使い、自宅でマンツーマン。送迎は不要。
・多くの先生が初回無料体験に対応……相性を確かめてから決められる。

※ 必要な機材や準備がわからない場合もご安心ください。無料のガイダンスサービスで、先生選びや受講の流れまで詳しくサポートいたします。

小学生の算数を見てもらえる先生3名

まなぶてらすで小学生の算数をサポートしている先生を3名ご紹介します。「学年をまたいだ単元の見通し」「つまずきの原因の切り分け」「計算の素地づくり」——お子さんの状況に近いタイプの先生を、まずは単発のレッスンから試してみてください(初回無料に対応しているかは、各先生のプロフィールページでご確認ください)。


サニー先生

サニー 先生

元小学校教諭。学年をまたいだ単元のつながりで見てくれるタイプ。公立小学校で1・2・4・5・6年生の担任を務め、研究主任として算数教育を研究してきた先生です。まなぶてらすでは2020年から指導し、これまでに1,100回を超えるレッスンを担当しています。未就学から小学生まで対応し、「教えるのではなく、子どもの問いを引き出す」進め方を大切にしています。

口コミ:子供たちも私もサニー先生とのレッスンが毎回楽しみでした。レッスン内容もその時の子供たちの様子に応じて柔軟にご対応くださり、日本の教科書に沿ってご指導頂き本当にありがたく存じました

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やま先生

やま 先生

つまずきの原因を切り分けるタイプ。どこまでさかのぼるかを見極めたいご家庭に。教育業界歴25年、個別指導を中心に小学生の算数・理科から中高生までを指導してきた先生です。「成績が上がらないのには理由があります」という考えのもと、本質的な問題点を見つけて解決に導くことを指導方針に掲げています。

口コミ:「重要項目は何度も繰り返し、理解が浅いところは理屈から解説してくださるので、息子も少しずつ算数が好きになってきました。解法だけでなく、勉強の仕方についてもアドバイスしてくださるので、安心してお願いできる先生です」

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まる先生

まる 先生

計算の素地づくりタイプ。そろばんと算数の両方に対応。わり算のまちがいには、たし算・ひき算のミス、位のずれ、あまりの理解不足、九九のあいまいさなど原因がさまざまある——そうとらえて、計算ミスの中身を切り分けて指導する先生です。珠算を使って数をイメージする力を育てながら、算数・数学のレッスンにも対応しています。

口コミ:「そろばんをしていなかったら、3年生になって掛け算がヌケてしまっていたと思いますし、間違いがちなところも気がついていなかったかもしれません。塾に行くのと違い、先生の話を何となく聞けるので、子どもがどこに間違いがあるのか気が付きやすいです

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よくある質問

Q. 2学期の算数でいちばんつまずきやすい単元は何ですか?

学年によって異なりますが、小1のくり上がり・くり下がり、小2のかけ算(九九)、小3のあまりのあるわり算は、2学期の代表的な山場です。高学年では小5の単位量あたりの大きさや速さでつまずくお子さんが目立ちます。ただし、単元をどの学期に置くかは教科書会社や学校によって異なるため、お子さんの教科書の目次で実際の順番を確認してください。

Q. 九九はいつから覚えさせればいいですか?

九九を学ぶのは小2で、多くの学校では2学期の後半に扱われます。ですから夏休みのうちに全部暗記させる必要はありません。それよりも「2とび、5とびで数える」「同じ数のまとまりがいくつ分あるか」を数える経験を積んでおくほうが効果的です。この感覚があると、九九は暗唱ではなく意味のある計算として入っていきます。

Q. 割合が苦手なのは小5からの勉強不足でしょうか?

多くの場合、原因は割合そのものではなく手前にあります。割合は小5で学ぶ内容ですが、その理解には小数のかけ算・わり算と、もとにする量と比べる量を区別する力が必要です。割合の問題を繰り返すより、小数のわり算に戻って確認するほうが早く解決することがよくあります。学校によっては小5の後半から3学期に扱われるため、2学期のうちに手前を固めておくと余裕が生まれます。

Q. 夏休みの残りで2学期の予習をしたほうがいいですか?

単元そのものを先取りする必要はありません。おすすめは、教科書の目次を一緒に眺めて「9月からこういうのをやるんだね」と言葉に触れておくことと、その単元の素地にあたる計算を1日10分だけ確認することです。詰め込みは算数への苦手意識につながりやすいため、短く毎日を優先してください。

Q. 算数のつまずきは、様子を見ていれば追いつきますか?

算数は積み上げ型の教科なので、あいまいなまま進むとわからない範囲が広がりやすい傾向があります。宿題にかかる時間が急に伸びた、答えは合っているのに説明できない、算数の話題を避けるようになった、といったサインが出たら早めに手を打つのが安全です。マンツーマンで見てもらえば、どこまでさかのぼる必要があるかを短時間で切り分けられます。

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参考文献

この記事の著者

まなぶてらす編集部

まなぶてらす編集部

「まなぶてらす」は、勉強も習い事もひとつの場所で学べるオンライン家庭教師サービスです。一人ひとりの「好き」や「得意」を伸ばし、お子さまの強みを育てることを大切にしています。学びに関する最新情報や、家庭学習に役立つ知識をお届けします。

▶ まなぶてらす公式サイト

この記事の監修者

坂本七郎

坂本七郎

まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント

5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。

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オンライン家庭教師「まなぶてらす」
単発・短期から受講できる 小・中・高校生のためのオンライン個別指導サービス。授業はすべて対面式のマンツーマン。<指導科目> 5教科、中学受験、高校受験、大学受験、そろばん、プログラミング、英会話、理科実験、ピアノ、将棋、作文など。まなぶてらす