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こんにちは、まなぶてらす代表の坂本です。

前回の第6回「ずらし書き」で、11とのかけ算が暗算でスッキリ解けるようになりました。今回はその応用編。少し練習すれば、誰でも「12〜19どうしのかけ算」が暗算で解けるようになる計算テクニックをご紹介します。

この記事は、全15回連載 「計算が2倍速くなる!中学受験のための計算スピードアップ術」 の第7回。今回は、「12〜19どうしのかけ算」を暗算で解ける『インド式計算法』をご紹介します。2桁×2桁が暗算でできる感覚を、ぜひ親子で味わってみてください。

坂本七郎
坂本七郎
13 × 16=? 17 × 18=? 19 × 19=?——これらの「10台のかけ算」、普通に解こうとすると筆算が必要ですよね。でも、インド式とよばれるたった2ステップの工夫を知って少し練習すれば、頭の中だけで答えが出せるようになります。

「インド式」テクニックを学ぶ4つのメリット

  • 計算の引き出しが増える——「12〜19どうし」専用の最強の解法が手に入る
  • 2桁×2桁が暗算できる感覚を体感——筆算なしでスラスラ解ける
  • 11〜19の2乗も同じ要領で解ける——14×14、17×17 などの2乗もインド式でカバーできる
  • 計算が「工夫を楽しむパズル」に変わる——なぜこれで答えが出るのか、を考える楽しさ

なぜ「インド式」で12〜19のかけ算が暗算できるのか?

※ この部分は読み飛ばしても構いません。先に「やり方」だけ知りたい方は、次の「基本2ステップ」セクションへ進んでください。

結論:「12〜19の数」をすべて「10 + 何か」と分けて考えると、「片方と他方の一の位を足して10倍した数」と「一の位同士をかけた数」を足すだけで答えが出るからです。

たとえば 13 × 16 を、それぞれ「10 + 何か」に分解してみます。

13 × 16
= (10 + 3) × (10 + 6)

これを筆算のように展開すると、4つのかけ算が出てきます。

10 × 10 = 100
10 × 6 = 60
3 × 10 = 30
3 × 6 = 18

これらを全部足すと:
100 + 60 + 30 + 18 = 208

ここで、10×10 + 10×6 + 3×10 = 100 + 60 + 30 = 190 の部分は、こう書き直せます。

100 + 60 + 30
= (10 + 6 + 3) × 10
= (13 + 6) × 10 ← 「13 + 6」は『13に16の一の位を足した数』
= 19 × 10
= 190

つまり、「片方の数 + もう片方の一の位」を10倍した数と、「一の位同士をかけ算した数」を足せば答えになる——これがインド式の正体です。

基本2ステップ:「インド式」のやり方

結論:①「一方の数 + もう一方の一の位」に0を加える ②「一の位同士の積」を足す——たった2つの動きだけです。

例題として、13 × 16 をインド式で解いてみましょう。

ステップ1:一方の数に、もう一方の一の位を足し、0を加える

13 × 16 を解くとき、13 + 6 = 19。これに0を加えて 190 にします。

ステップ2:一の位同士をかけ算して、ステップ1の数に足す

3 × 6 = 18。これを 190 に足して、答えは 190 + 18 = 208

13 × 16 の解き方
① 13 + 6 = 19 → 190
② 3 × 6 = 18
③ 190 + 18 = 208

たった2ステップ。慣れれば 頭の中だけ で完結します。

もう一つ例題:17 × 18

結論:数字が大きくなっても、やることは同じ。「片方+他方の一の位」を10倍 →「一の位同士の積」を足す、だけです。

別の例題で確認してみましょう。17 × 18

17 × 18 の解き方
① 17 + 8 = 25 → 250
② 7 × 8 = 56
③ 250 + 56 = 306

「17 + 8 = 25」「7 × 8 = 56」——どちらも九九と1桁の足し算なので、頭の中ですぐ計算できます。あとは「250 + 56」の繰り上がりだけ気をつければOK。

12〜19どうしの「攻略パターン表」

結論:12〜19までの数同士なら、どの組み合わせでもインド式で対応できます。少し練習すれば、すべて暗算で解けるようになります。

代表的なパターンを一覧にしました。

「12〜19どうし」インド式攻略パターン

もとの式 インド式の途中式 答え
12 × 13 15 × 10 + 2 × 3 = 150 + 6 156
13 × 16 19 × 10 + 3 × 6 = 190 + 18 208
14 × 15 19 × 10 + 4 × 5 = 190 + 20 210
15 × 17 22 × 10 + 5 × 7 = 220 + 35 255
16 × 18 24 × 10 + 6 × 8 = 240 + 48 288
17 × 18 25 × 10 + 7 × 8 = 250 + 56 306
18 × 19 27 × 10 + 8 × 9 = 270 + 72 342

このテクニックは「おみやげ算」とも呼ばれます

結論:今回ご紹介した「インド式」は、書籍やサイトによって 「おみやげ算」「ヴェーダ数学のウルドヴァ・ティリヤグビヤム(縦横法)」 という名前で紹介されることもあります。呼び方は違いますが、計算の仕組みは同じです。

ネット上で「11×11〜19×19を暗算で」と検索すると、同じテクニックがいくつかの別名で紹介されているのを目にすることがあります。代表的なものをご紹介します。

同じテクニックの別名

呼び名 特徴・由来
インド式(本記事) インドの初等教育で広く教えられている計算法に由来。日本では「インド式計算」として書籍・教室で広く紹介されている
おみやげ算 書籍『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』(ダイヤモンド社、累計100万部超)で広く知られる呼び名。「片方の一の位を”おみやげ”としてもう片方に渡す」イメージから命名
ウルドヴァ・ティリヤグビヤム(縦横法) ヴェーダ数学(古代インドの数学伝統)の16スートラの1つで、英語では “Vertically and Crosswise”。今回のテクニックの大元の数学的源流とされる

これらは どれも数式上はまったく同じ手法 です。たとえば 13 × 16 は、どの呼び名でも次のように計算します。

13 × 16 → (13+6) × 10 + 3 × 6 = 190 + 18 = 208

坂本七郎
坂本七郎
本記事で「インド式」と呼んでいる手法を、別の本やサイトで「おみやげ算」として目にしても、同じ計算法だと思って大丈夫です。呼び名の違いを気にせず、お子さまが覚えやすい言葉で身につけていきましょう。

同じ数同士(11〜19の2乗)も「インド式」で解ける

結論:11×11 から 19×19 までの「2乗」も、インド式で同じように解けます。

実は、同じ数同士のかけ算(2乗)も、このインド式が使えます。

14 × 14 の解き方
① 14 + 4 = 18 → 180
② 4 × 4 = 16
③ 180 + 16 = 196

17 × 17 の解き方
① 17 + 7 = 24 → 240
② 7 × 7 = 49
③ 240 + 49 = 289

「11×11 から 19×19 まで」の2乗は、よく出るのでまとめて覚えてしまうのもおすすめです。次回(第8回)でじっくり扱いますので、今回は「インド式でも解ける」という事実だけ押さえておきましょう。

中学受験で、このテクニックはどの場面で使える?

結論:図形の面積、速さ、食塩水、規則性など、さまざまな場面で「12〜19どうしのかけ算」が登場します。

  • 図形の面積:縦 13cm × 横 16cm の長方形 → 13×16 = 208cm²
  • 速さ:時速 14km × 17時間 → 14×17 = 238km
  • 食塩水:12% × 食塩水 18g → 12×18 = 216(÷100 で 2.16g の食塩)
  • 規則性・場合の数:1日 15題 × 17日 = 15×17 = 255題
  • 体積:縦 12cm × 横 15cm × 高さ □ — 床面積を 12×15 で先に計算

このように、「12〜19どうし」のかけ算は中学受験算数のあちこちで登場します。インド式が使えれば、こうした問題で計算時間が大幅に短くなり、思考に時間を回せるようになります。

【練習問題】親子で挑戦!「インド式」10問

ここまでの内容をしっかり定着させるため、実際に問題を解いてみましょう。筆算なし・暗算だけで挑戦してみてください。

練習問題(暗算で計算してみよう)

  1. 12 × 15 =
  2. 13 × 14 =
  3. 12 × 18 =
  4. 14 × 17 =
  5. 15 × 16 =
  6. 13 × 19 =
  7. 15 × 17 =
  8. 16 × 17 =
  9. 18 × 19 =
  10. 19 × 19 =

解答と解説

  1. 12 × 15 = 17×10 + 2×5 = 170 + 10 = 180
  2. 13 × 14 = 17×10 + 3×4 = 170 + 12 = 182
  3. 12 × 18 = 20×10 + 2×8 = 200 + 16 = 216
  4. 14 × 17 = 21×10 + 4×7 = 210 + 28 = 238
  5. 15 × 16 = 21×10 + 5×6 = 210 + 30 = 240
  6. 13 × 19 = 22×10 + 3×9 = 220 + 27 = 247
  7. 15 × 17 = 22×10 + 5×7 = 220 + 35 = 255
  8. 16 × 17 = 23×10 + 6×7 = 230 + 42 = 272
  9. 18 × 19 = 27×10 + 8×9 = 270 + 72 = 342
  10. 19 × 19 = 28×10 + 9×9 = 280 + 81 = 361
坂本七郎
坂本七郎
すべて暗算で解けたお子さまは、インド式が 頭の中でスムーズに動かせる状態になっています。「12〜19を見たらインド式」——この合言葉で反射的にテクニックが引き出せるよう、繰り返し練習していきましょう。

もっと練習したい方へ

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この記事は、まなぶてらすが中学受験生の保護者向けにお届けする、全15回の賢くなる計算テクニック連載の第7回です。今後も、平日1日1本ずつ「思考の引き出し」を増やすテクニックをお届けしていきます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. インド式は「11×」のかけ算にも使えますか?

A. はい、使えますが、11のかけ算は前回(第6回)で紹介した『ずらし書き』のほうが圧倒的に速いのでそちらをおすすめします。インド式は「12〜19どうし」、ずらし書きは「11×」と使い分けましょう。

Q2. 21〜29どうしのかけ算には使えますか?

A. インド式は「10 + 何か」の構造を使うので、21〜29 はそのままでは使えません。ここは第5回の「おやつ式計算」や、一の位が5の数にかける数をうまく使うなどして、計算を工夫することもできます。

Q3. なぜ「インド式」と呼ばれているのですか?「おみやげ算」とは違うのですか?

A. このテクニックは インドの初等教育で広く教えられている計算法に由来します。インドはIT大国として有名ですが、その背景にはこうした計算の工夫を体得させる教育文化があると言われています。日本でも近年、書籍や算数教室で「インド式計算」として紹介されるようになりました。
なお、「おみやげ算」は同じテクニックの別名で、書籍『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』(ダイヤモンド社)で広く知られるようになりました。さらに源流を辿ると、ヴェーダ数学(古代インドの数学伝統)の 「ウルドヴァ・ティリヤグビヤム(縦横法)」 というスートラに行き着きます。呼び名は違っても、計算の仕組みはすべて同じです。

Q4. 暗算中に繰り上がりで混乱します。コツはありますか?

A. 慣れるまでは「①の答え」を声に出してから「②」に進むのがコツです。たとえば 13×16 なら「190…」と口に出してから「3×6=18 を足して 208」と進むと、ステップ1の数を忘れにくくなります。速さよりも、まず正確さです。

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次回予告

第8回:第1〜7回のかけ算テクニックを『使い分け』できる!4例題+総まとめ判定チャート

第1回から第7回まで、合計7つのテクニックを学んできました。次回はその総まとめの回。数を見た瞬間に最速のテクニックが選べる『使い分け力』を、4つの例題と『判定チャート』で身につけます。これまでの引き出しを総動員して、かけ算編をスッキリと完結させましょう。次回もお楽しみに。

この記事の著者

坂本七郎

坂本七郎

まなぶてらす代表・家庭学習コンサルタント

5,000人以上の保護者への学習相談実績を持つ家庭学習の専門家。著書15冊(累計26万部以上)。NHK Eテレなど多数メディアに出演。2016年にオンライン家庭教師「まなぶてらす」を設立し、多様な学習ニーズに対応するサービスを運営。

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▼ 坂本七郎の主な著書(中学受験関連)

でる順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(大和出版)
中学受験は2科目だけ勉強すればいい(ナツメ社)

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